システムリプレイスとは?4つの方式と進め方のポイントを解説

システムリプレイスとは?4つの方式と進め方のポイントを解説

システムリプレイスとは、社内のシステムを新しくすることです。システムを使用し続けたり、DXを推進したりするためには欠かせません。今回は、システムリプレイスとは何か、4つの方式や実施の流れ、ポイントなどを解説します。難易度の高いリプレイスを成功させたい方は必見です。

 

 

システムリプレイスとは?

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システムリプレイスとは、社内のシステムを一新することです。リプレイスには「置き換える」「交換する」といった意味があり、長い間使っていた社内システムを、経営方針や業務に合った使いやすいものに新しく作り替えることを指します。

システムリプレイスとよく似ているのが、マイグレーションです。以下では、システムリプレイスを理解できるよう、マイグレーションとの違いやシステムリプレイスの目的について解説します。

マイグレーションとの違い

マイグレーションは、OSやデータベース管理システム、開発言語などのシステム環境を変更することです。OSのサポートが切れた場合や保守運用のコストが増大したときなどに実施します。環境は変わりますが、システム自体は現行のものを使用するのが特徴です。マイグレーションには「移転」「移動」といった意味があり、引っ越して環境を変えるイメージを持つとわかりやすいでしょう。

一方のシステムリプレイスでは、既存の環境はそのままで、ハードウェアも含めてシステムを一新します。

環境を変えるのがマイグレーション、新しいシステムを活用するのがシステムリプレイス、という違いがあることをおさえておきましょう。

システムリプレイスの目的

 観点  守りのシステムリプレイス  攻めのシステムリプレイス
 目的  現状維持・リスク回避  成長・競争力強化
 背景  老朽化・人材不足・障害リスク  事業拡大・戦略転換
 期待効果  安定運用の継続  新たな価値創出・ビジネス機会の獲得

システムリプレイスを実施する目的には、「守り」と「攻め」があります。

守りのケースとは、老朽化したシステムの故障があったとき事業を継続できなくなったり、保守運用を行える担当者がいなかったりなど、必要に迫られてシステムを変更することです。システムリプレイスを行うことで、現行の事業を継続させられます。

攻めのケースとは、事業の拡大や今後の事業戦略上システムを変更することが望ましいため、システムリプレイスを実施することです。たとえば、AIやIoTなど、トレンドに対応するためのシステム変更が挙げられます。ビジネスチャンスを獲得するための攻めの投資です。

システムリプレイスを行うメリット

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システムリプレイスのメリットは、以下のとおりです。 ​​​​​​​

  • セキュリティ維持に効果的

  • 動作の安定性を維持できる

  • 業務のデジタル化を進めやすくなる

システムリプレイスによって、セキュリティを確保できたり、動作の安定性を維持できたりします。さらにDXを推進しやすくなるのも、企業が事業を拡大していくためには見逃せないポイントです。

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

1.セキュリティ維持に効果的

システムリプレイスの大きなメリットは、セキュリティ維持に効果がある点です。古いシステムを運用し続けるとスペックの要件を満たせず、新しいソフトウェアに移行できなかったり、サポートが終了したりする可能性があります。

最近ではサイバー攻撃の手口が多様化しており、万全のセキュリティ体制を整備することが各企業の大きな課題です。適切なタイミングでシステムリプレイスを行い、高度なセキュリティを維持できるようにしましょう。

2.動作の安定性を維持できる

システムリプレイスでは、ハードウェアやソフトウェアを新しいものにするため、動作の安定性を維持できます。たとえば、ハードウェアを交換すると処理能力が向上したり、データの保存領域が増えたりします。そのため、動作が重くなってしまったり、データが保存できなくなったりする事態を予防・解決できるのです。

故障や破損のリスクも予防できるため、将来的な動作の安定性も確保できます。

3.業務のデジタル化を進めやすくなる

システムリプレイスを行うことで、業務のデジタル化を推進しやすくなるのもメリットです。

業務のデジタル化を進めるためには、さまざまなシステムを連携させたり、IoTやビッグデータといったトレンドを取り入れたりすることが必要です。現行のシステムでは対応できない場合も少なくありません。

新しいシステムに変更することでDXに対応しやすくなり、新たなビジネスチャンス獲得につながる可能性も期待できます。

システムリプレイスは自社でできる?

システムリプレイスは、自社でも対応可能です。特に小規模なシステムや既存の延長線上での刷新であれば、内製で進める企業も少なくありません。ただし、要件定義や移行計画、リスク管理などには専門的なノウハウが求められます。経験が不足している場合は、無理に内製化せず、実績のあるベンダーに依頼することで、品質や安全性を確保しながらスムーズに進められるでしょう。

 

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システムリプレイス|4つの方式

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社内のシステムを刷新するシステムリプレイスには、以下の4つの方式があります。

  • 一括移行(一斉移行)方式

  • 段階移行方式

  • 順次移行方式

  • パイロット移行方式

一気に切り替えを行うのが一括移行方式で、それ以外は少しずつ移行を進めるのが特徴です。それぞれにメリットがあるため、自社の状況に応じて適切な方式を選びましょう。

 

以下の表にもそれぞれの特徴をまとめているため、リプレイス計画策定時にはぜひ参考にしてください。

 方式  特徴
 一括移行(一斉移行)方式  移行作業で1回で完了させる
 段階移行方式  段階的に新しいシステムに切り替える
 順次移行方式  現在稼働中のシステムと新しいシステムを両方稼働させ、問題がないと判断した後に切り替える
 パイロット移行方式   ある特定の部門で試験的に切り替えを行い、その後ほかの部門でも実施する 

1.一括移行(一斉移行)方式

一括移行方式とは、旧システムから新システムへ切り替え日を決めて、一度にすべての機能やデータを移行する方法です。カットオーバー日以降は、新システムのみを利用する形となります。移行本番作業のためにまとまったシステム停止時間を確保でき、作業を1回で終わらせたい場合におすすめです。

 

一括移行方式のメリット・デメリット

【一括移行方式のメリット】

  • 移行期間が短く、プロジェクト全体のスケジュールを圧縮できる

  • 旧システムと新システムの並行運用が不要で、運用コストを抑えられる

  • データや業務の整合性を保ちやすい

 

【一括移行方式のデメリット】

  • 移行時のトラブルが業務全体に影響しやすい

  • 切り戻し(ロールバック)が難しく、リスクが高い

  • 事前のテストや準備に大きな負荷がかかる

 

一括移行方式はスピード感がある一方でリスクも高いため、事前の検証やリスク対策を十分に行ったうえで採用することが重要です。

2.段階移行方式

段階移行方式とは、システムの機能や業務単位ごとに分割し、順次新システムへ移行していく方法です。一度にすべてを切り替えるのではなく、影響範囲を限定しながら段階的に進めるため、リスクを抑えやすいのが特徴です。

現行のシステムをすべて停止する必要がないため、一括移行方式が難しい場合に適しています。

 

段階移行方式のメリット・デメリット

段階移行方式のメリット・デメリットは、一括移行方式とは対照的です。

【段階移行方式のメリット】

  • 移行リスクを分散でき、トラブル時の影響を最小限に抑えられる

  • 各フェーズごとに検証・改善を行いながら進められる

  • 現場への影響をコントロールしやすい

 

【段階移行方式のデメリット】

  • 移行期間が長期化しやすい

  • 旧システムと新システムの並行運用が必要になり、運用負荷が増える

  • システム間の連携やデータ整合性の管理が複雑になる

 

段階移行方式は安全性を重視した進め方ですが、その分、計画や管理の精度が求められる点に注意が必要です。さらに作業が完了するまでは、現行のシステムと新しいシステムの両方を使わなければならないため、データの同期や更新の手間がかかります。

3.順次移行方式

順次移行方式は、現行のシステムと新しいシステムを同時に並行稼働させ、結果を確認したうえで移行する方法です。新システムの動作やセキュリティ面などを確認したのち、完全に移行させます。段階移行と似ていますが、主に「利用範囲(人・場所)」を軸に移行を進める点が特徴です。

システムの稼働を止める時間を確保できない場合や新システムの様子を見ながら着実に進めたい場合に適した方法です。

 

順次移行方式のメリット・デメリット

【順次移行方式のメリット】

  • 一部で問題が発生しても、他の範囲への影響を抑えられる

  • 現場のフィードバックを反映しながら改善できる

  • ユーザー教育や運用定着を段階的に進められる

 

【順次移行方式のデメリット】

  • 全体の移行完了までに時間がかかる

  • 旧システムと新システムの併用期間が長くなる

  • 拠点や部門ごとに運用が分断される可能性がある

 

順次移行方式は現場への負担を抑えながら進められる一方で、2つのシステムを同時に稼働させなければならないため、その分のランニングコストや担当者への負担がかかる点は看過できません。

4.パイロット移行方式

ある部門で先に切り替えを行い、その結果を見ながらほかの部門でも切り替え作業を進めていく方式が、パイロット移行方式です。パイロットには「試験的に行うもの」「先行するもの」といった意味があり、パイロット部門とは先に新しいシステムに移行した部門のことを指します。

本格展開前に実運用での課題を洗い出せるため、リスクを抑えながら移行を進められます。

パイロット移行方式は、全体で見ると段階移行方式に似ていますが、部門単体で見ると切り替え作業が一気に行われるため、一括移行方式の要素もある方法です。

 

パイロット移行方式のメリット・デメリット

【パイロット移行方式のメリット】

  • 本番環境に近い形で事前検証ができる

  • 問題点や改善点を把握したうえで全体展開が可能

  • 大規模障害のリスクを低減できる

 

【パイロット移行方式のデメリット】

  • パイロット環境の構築や運用に追加コストがかかる

  • 全体展開までに時間がかかる場合がある

  • 対象範囲が限定的なため、想定外の課題が後から発生する可能性がある

 

パイロット移行方式は慎重に進めたい場合に有効です。特に、パイロット部門で運用に関するノウハウを蓄積させ、運用が安定した段階で全社的に移行を進められるため、スムーズに移行しやすいのがメリットです。

一方、段階移行方式と同様に、作業完了まで時間がかかってしまいます。さらに、部門ごとに状況は異なるため、パイロット部門で上手くいったからといって、ほかの部門でもトラブルなく切り替えられるわけではない点に注意しましょう。

システムリプレイスの流れ4ステップ

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システムリプレイスの進め方は、以下のとおりです。

  • チームを発足し要件を確認する

  • 移行計画を策定し見積りを出す

  • システムを開発しテストを実施する

  • リハーサル後、移行を実施する

システムリプレイスを成功させるためには、念入りな要件定義や移行計画の策定が欠かせません。移行中にトラブルが発生する可能性も十分に考えられるため、本番前はリハーサルも行いましょう。

ここでは、システムリプレイスの具体的な進め方や、それぞれのステップにおける注意点を解説します。

1.チームを発足し要件を整理する

まずはリプレイスに関わるチームを発足し、要件を整理しましょう。

リプレイスには、情報システム部門以外にも、予算確保に携わる部門や実際にシステムを利用する部門など、さまざまな部門が関与する必要があります。

チームを編成したあとは、リプレイスの要件を明確化しましょう。既存システムでできていることとできていないことを洗い出し、新システムをどのように構築するべきかを検討します。要件の整理が不十分なまま進めてしまうと、せっかく時間やコストをかけて切り替えを行っても、目的を達成できなくなってしまう可能性が高いです。業務を進めるうえで致命的な欠陥が現れるリスクもあるため、必ず要件をまとめましょう。

2.移行計画を策定し見積りを出す

要件を整理したあとは、リプレイスを実現するための計画を立てます。スケジュールや移行する順番、移行する機能やデータの範囲など、細かい部分まで綿密に計画を策定しましょう。計画が曖昧なまま進めてしまうと、スケジュールどおりに進まなくなったり、予算が足りなくなったりといったリスクが考えられます。

スケジュールを考える際は、万が一のトラブルに備えて余裕を持たせましょう。

予算については、予想が難しいものです。複数のシステム開発会社に見積りを出してもらうと費用相場を把握でき、予算策定に活かせます。

3.システムを開発しテストを実施する

計画が完成したならば実際にシステムを開発し、システムに問題がないかどうかをテストしましょう。システム開発は、基本的には要件定義・設計・プログラミング・テストの順に進めます。

移行データの準備も重要です。そのままデータを移せるような互換性の高いシステムを除き、多くの場合はデータの調整や加工が必要です。リプレイス後、データやファイル形式がどうなるのかを確認し、新システムでも問題なくデータが反映されるよう、移行データを準備しましょう。

4.リハーサル後、移行を実施する

いきなり移行すると、トラブルが発生してしまう危険性があります。まずはリハーサルを実施し、問題なく移行できるかどうかをチェックしましょう。リハーサル中に明らかになった課題は、実際の移行作業前に必ず対処しなければなりません。

リハーサルが完了したならば、本番の移行作業を実施します。既存のシステムと新システムで、問題なくデータの整合性がとれているかどうかについては、特に確認が必要です。

システムリプレイスを成功させるポイント

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システムリプレイスに失敗すると業務に支障をきたし、お客様に迷惑をかけてしまう可能性もあります。

リプレイスに失敗してしまう理由としては、移行中のトラブル発生やスケジュールの遅延、コストの増加などが挙げられます。慎重に準備したうえでリプレイスを実行するほか、信頼できる業者に頼ることもおすすめです。

システムリプレイスを成功させるためには、以下の4つのポイントを意識しましょう。

  • 「要件定義」を重要視する

  • システムリプレイスの難しさに対する共通認識を持つ

  • スケジュールやコストを考慮して計画を立てる

  • 信頼できる業者を選び、リプレイスに主体的に関わる

ここでは、それぞれのポイントについて解説します。

「要件定義」を重要視する

システムリプレイスにおいて、要件定義はプロジェクト全体の成否を左右する最重要フェーズです。現行業務の整理や課題の洗い出しを行い、「何のためにリプレイスするのか」「どのような状態を目指すのか」を明確にする必要があります。

ここが曖昧なまま進めると、後工程での手戻りや認識ズレが発生しやすくなります。関係部門を巻き込みながら、具体的かつ実現可能な要件を定義することが重要です。

システムリプレイスの難しさに対する共通認識を持つ

システムリプレイスは、容易なことではありません。新規構築よりも難易度が高いため、「ただの移行作業」と捉えると失敗する可能性が高まります。

システムリプレイスの難しさや重要性について、情報システム部門やシステムの利用部門、経営層など、企業全体で共通認識を持ちましょう。

計画どおりに進めるためには、リプレイス方針や計画などを関係者に共有し、全体でリプレイスのリスクを洗い出すことが大切です。そして、リスクへの対応策を考え、万が一のトラブルにも迅速に対応できるようにしましょう。

スケジュールやコストを考慮し計画を立てる

システムリプレイスの計画を立てる際は、スケジュールやコストについて十分に考慮しましょう。トラブルが発生するリスクもふまえて、実現可能な計画を策定することがポイントです。予算や日数に余裕を持たせることで、トラブルが発生しても冷静に対応できます。

さらに、計画を共有する際に部門間で認識の齟齬が発生しないよう、細かい部分まで明文化することが大切です。

信頼できる業者を選び、リプレイスに主体的に関わる

システムリプレイスを自社だけで行うのは難しいため、信頼できるシステム開発会社に相談しましょう。自社のニーズに合ったシステム開発やスケジュール策定などを実現してくれる、実績が豊富な業者に依頼することが大切です。運用後のサポートが手厚いかどうかも重視しましょう。

業者に依頼するのが効果的ではあるものの、企業が主体的に関わることを忘れてはいけません。業者はシステムやITに関する専門的な知識やスキルを持っていますが、新しいシステムに必要な機能や理想的なスケジュールについて理解しているのは、システムを実際に使用する企業です。業者任せにするのではなく、積極的に意見や要望を伝え、ニーズを満たすリプレイスを実現しましょう。

システムリプレイスのご相談はICへ

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引用元:システム開発のIC

 

システムリプレイスは、技術面だけでなく業務や組織にも影響するため、自社だけで進めるには不安を感じるケースも少なくありません。

ICでは、現状の課題整理から要件定義、開発・移行まで一貫して支援し、企業ごとに最適な進め方をご提案します。豊富な実績をもとに、リスクを抑えた確実なシステムリプレイスを実現します。まずはお気軽にご相談ください。

ICへのお問い合わせはこちらから

まとめ

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今回は、システムリプレイスとは何か、メリットや方式、成功のポイントなどについて解説しました。現行のシステムから新システムに移行するシステムリプレイスは、事業の継続や発展のために欠かせません。システムリプレイスには4つの方式があるため、自社の状況やニーズに適した方式を選びましょう。失敗すると業務に大きな影響が出るため、慎重に進めることが大切です。

難易度の高いシステムリプレイスを成功させるためには、専門人材の確保が重要です。人材不足に悩んでいる方は、ぜひ当社にお問い合わせください。