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客先常駐とは?メリット5つに4つのデメリット、向いている人の特徴

別の企業に常駐して勤務する客先常駐。昨今はエンジニアなどの技術者に多い勤務形態です。本記事では、その概要から利点や不利点、適任者の特徴までを詳しく解説しています。活用する際のメリットなどを理解し、実際の業務に役立てましょう。


目次[非表示]

  1. 1.エンジニアで多く見られる客先常駐とは
  2. 2.客先常駐の2種類の契約
    1. 2.1.1.派遣元が指揮をとる準委任契約
    2. 2.2.2.クライアントが指揮をとる派遣契約
  3. 3.客先常駐の5つのメリット
    1. 3.1.1.顧客に寄り添った業務を行える
    2. 3.2.2.顧客の課題を間近で聞くため新規案件を獲得しやすい
    3. 3.3.3.常駐先のエンジニアと交流しつつ信頼関係を構築できる
    4. 3.4.4.幅広い言語や仕事経験を積める
    5. 3.5.5.残業が少ない働き方をしやすい
  4. 4.客先常駐の4つのデメリット
    1. 4.1.1.関係構築が難しい
    2. 4.2.2.自社への帰属意識が薄くなる
    3. 4.3.3.スキルアップが難しく社員の育成につながりにくい
    4. 4.4.4.正当な評価や給与を与えるのが難しい
  5. 5.客先常駐に向いている人材の特徴
  6. 6.まとめ


エンジニアで多く見られる客先常駐とは

客先常駐とは、所属している会社の命令によって顧客の会社へ派遣され、指定された期間客先に常駐して働くことです。ITエンジニアやコンサルタント、税理士などの職種に多く見られる働き方で、中でもITエンジニアに多く見られます。ITエンジニアに客先常駐が多く見られる理由として挙げられるのは、大きく3点です。


1点目は、システム構築の際、顧客の環境に合わせて作業する必要があることでしょう。そのため、プロジェクトの間はエンジニアが客先に常駐し、システム構築を行うという働き方が望まれます。


2点目は、セキュリティ保護のためです。企業のシステムには、自社サービスの情報や個人情報など、外部に漏れてはいけないデータが多く記録されています。そのため自社に常駐させ、社内でのみデータを閲覧したり使用したりできる状態にしてセキュリティを保護している企業が多いのです。


3点目は、ITエンジニアに求められるスキルと客先常駐の親和性が高いことにあります。ITエンジニアは、開発環境やセキュリティ、システムトラブルへの対応のために必要とされることが多く、顧客のニーズによって求められるスキルも異なるでしょう。


客先常駐では、あるプロジェクトに必要なスキルを持った人材を特定期間獲得することができるため、正社員を雇うよりもコストを抑えられ、効率的に人材を獲得できるのです。



客先常駐の2種類の契約

客先常駐の主な契約形態には、「準委任契約」と「派遣契約」の2種類があります。どちらも顧客のもとに人材を派遣して常駐させるという契約ですが、契約形態によって、契約内容や指揮命令権が異なるのです。


客先常駐で人材を獲得する場合や自社の社員を常駐させる場合には、契約形態の違いをまずは理解し、適切な契約形態を選択しましょう。


1.派遣元が指揮をとる準委任契約

準委任契約は、SES(システムエンジニアリングサービス)契約とも呼ばれます。指揮命令はクライアントではなくエンジニアの派遣元が行い、クライアントから依頼された作業に対し、派遣元が労働力や技術を提供することで報酬を得る契約です。そのため、プロジェクトを完成させるという義務を負いません。


準委任契約の特徴は、クライアントから指示が出せないということです。そのため、多くの場合派遣元がエンジニアをチームとして派遣し、指揮をとって業務を遂行します。


2.クライアントが指揮をとる派遣契約

派遣契約は、派遣会社がクライアントと契約し、派遣会社に登録しているITエンジニアを現場に常駐させて労働力や技術を提供する契約です。準委任契約と同じく、人材の提供に対して報酬を得る契約のため、プロジェクトを完成させる義務を負いません。


派遣契約の特徴は、指揮命令の権限がクライアント側にあることです。また、ライセンスがないと派遣契約で人材を派遣することができません。



客先常駐の5つのメリット

客先常駐は、顧客企業に常駐して顧客の側で業務を行う働き方です。自社の社員を客先常駐として派遣することには、企業と派遣する社員の双方にとって次のようなメリットがあります。


  • 顧客に寄り添った業務を行える
  • 顧客の課題を間近で聞くため新規案件を獲得しやすい
  • 常駐先のエンジニアと交流しつつ信頼関係を構築できる
  • 幅広い言語や仕事経験を積める
  • 残業が少ない働き方をしやすい


以下では、客先常駐ならではの5つのメリットについて詳しくご紹介します。


1.顧客に寄り添った業務を行える

顧客の指示を聞いて自社で働く方法に比べて、客先常駐では常に顧客の近くでコミュニケーションを取りながら仕事ができるため、顧客に寄り添った業務を行えます。顧客のニーズを的確に捉えた業務提供や、顧客の開発環境に合わせたシステム構築、トラブルが起こった際の迅速な対応などが可能です。


客先の雰囲気や業務の進め方を理解したうえで業務を提供できるのも、大きなメリットといえます。


2.顧客の課題を間近で聞くため新規案件を獲得しやすい

客先常駐では、顧客の課題を直接聞く機会が増えるため、顧客からの評価によっては新しい案件を受けやすいというメリットがあります。常駐させている自社の社員が顧客から高い評価を得ている場合、別のプロジェクトの際も客先常駐を依頼してくれる可能性が高いでしょう。


また、一度その会社に労働力を提供していれば、客先の雰囲気や業務の進め方、使用ツールなどを理解できているため、案件獲得でコンペになった際には他社よりも有利になります。


3.常駐先のエンジニアと交流しつつ信頼関係を構築できる

派遣されるエンジニアにとって、客先常駐は常駐先のエンジニアと接し、信頼関係を構築する良い機会となります。自社以外の社員との人脈を広げることができ、あらゆる人と交流して新しい環境で仕事をしたいという人には非常に向いている働き方です。


また、自社のエンジニアが幅広い人との交流を深め、さまざまな経験をするということは、派遣元にとっても社員育成の観点からメリットがあります。さらに、クライアント側にも新しい刺激が加わるため、派遣元と客先の双方にプラスの影響を与える可能性があるのです。


4.幅広い言語や仕事経験を積める

客先常駐では、客先に合わせてさまざまな業務を行うため、あらゆる部門やプロジェクトでの業務を通じて経験の幅を広げられます。客先常駐では指定された期間が過ぎると、あらためて別の客先に常駐することになるのが常です。


企業によって用いられているプログラミング用語や業務の進め方、コミュニケーションの取り方など、さまざまな違いがあるでしょう。そのため、自社で仕事をする場合に比べ、幅広い言語や仕事の経験を積めます。また大企業に常駐すれば、大手企業のネットワーク設計について学ぶことも可能です。


このように、自社では経験できない業務を客先において担当させることができるため、社員育成の観点からもメリットがあります。


5.残業が少ない働き方をしやすい

顧客にとって、客先常駐で派遣される社員は自社の社員ではありません。残業代については、客先常駐の社員が残業した場合に残業時間分の賃金を上乗せして給料として支払う必要がある、という契約を結んでいることが多いです。


そのため、人件費節約のために残業を課されることが少ないという特徴があります。残業が少ない働き方を重視する社員には大きなメリットです。派遣元が残業を減らす取り組みを推進している場合、派遣元にとってもメリットといえるでしょう。



客先常駐の4つのデメリット

客先常駐には以下のようなデメリットもあります。


  • 関係構築が難しい
  • 自社への帰属意識が薄くなる
  • スキルアップが難しく社員の育成につながりにくい
  • 正当な評価や給与を与えるのが難しい


ここでは、客先常駐を利用して労働力の提供を依頼する場合と、自社の社員を派遣する場合について、客先常駐ならではの4つのデメリットを紹介しましょう。


1.関係構築が難しい

客先常駐を利用してエンジニアを迎え入れる場合、自社の社員ではないため関係構築が難しいというデメリットがあります。接し方に細心の注意を払う必要があり、エンジニアと自社社員の間に壁ができてしまうこともあるのです。


また、準委任契約の場合はクライアント側に指揮命令権がないため、スムーズに仕事を依頼できないこともあります。これは派遣されるエンジニアにとっても同じです。派遣先社員との関係性を構築するのに苦労し、ストレスの原因になる可能性もあります。


2.自社への帰属意識が薄くなる

客先常駐では、自社ではなく客先に出勤して仕事を行い、客先の就業規則や社内ルールに従うことになります。そのため、自社の社員とコミュニケーションをとる機会が減り、自社に対して帰属意識を持たせるのが難しいという点はデメリットです。


帰属意識は、人材定着のための重要なポイントといえます。客先常駐で社員を派遣し続けていると自社に愛着を持ってもらえず、その人材が離れてしまう可能性があるのです。


3.スキルアップが難しく社員の育成につながりにくい

客先常駐では、さまざまな顧客のもとで多様な経験を積めます。しかし、常駐先によっては下流の仕事を担当することが増えるため、提案力や設計力、マネジメント力といったスキルを磨くことが難しいです。


下請けの仕事ばかりしていると実績にもつながらないため、社員を育成するという観点でいえば客先常駐にはデメリットがあります。


4.正当な評価や給与を与えるのが難しい

客先常駐で社員を派遣すると、その社員が働いている様子を直接見ることができません。基本的には、客先からの報告を基準に評価します。そのため、社員に正当な評価やそれに見合った対価としての給与を与えるのが難しいです。


自社で働いている社員と同じような評価体制では、不利になってしまうこともあります。客先常駐の社員を考慮して評価体制を整えないと、待遇に不満を抱かれ、離職してしまう可能性もあるため注意が必要です。


客先常駐に向いている人材の特徴

自社の社員を客先常駐という形態で働かせるためには、客先常駐に向いている人材であるかどうかを検討する必要があります。客先常駐に向いている人材の特徴として挙げられるのは、以下に示す4つのポイントです。


  • 環境の変化を好む
  • 社交的でコミュニケーションが得意
  • チャレンジ精神旺盛
  • 常駐先の方が集中できモチベーションを維持できる


客先常駐は自社ではなく顧客のもとで働き、プロジェクトが終わるとまた別の顧客のもとで働く、という特殊な働き方をします。そのため、環境の変化を好む人に向いているといえるでしょう。


また、常駐先であらゆる人とコミュニケーションを取ることになるため、社交的でコミュニケーションが得意な人も適任です。さらに、あらゆる経験から多様なノウハウを吸収したいと考えるチャレンジ精神旺盛な人や、「自宅や自社オフィスよりも常駐先のほうが集中できてモチベーションを維持できる」と考える人にも向いています。


反対に、以下のような人材には向いていません。


  • 環境の変化を好まない人
  • 自宅や自社で働きたい人
  • 人脈を広げる意欲がない人


客先常駐に向いていない社員を派遣することは、その社員にとって大きなストレスになり、常駐先で十分なパフォーマンスを出せない可能性があります。客先常駐で成果を出すためには、人材の選定が重要です。



まとめ

今回は客先常駐について、活用するメリットやデメリット、契約形態や客先常駐に向いている人材の特徴をご紹介しました。「顧客のニーズを捉えた業務を行える」、「幅広い経験が積める」などのメリットがある一方、「人間関係の構築や上流の工程に携わりにくい」などのデメリットもあります。客先常駐として自社の社員を派遣する場合には、適した人材を選定することが重要です。


もしもエンジニアの人材不足に悩んでいて、客先常駐の利用を検討している方は、ぜひとも当社に気軽にお問い合わせください。