Google Cloudは、Googleが提供するクラウドサービスの総称です。Googleの高度な技術に基づく便利なサービスを多数利用でき、ビジネスに役立ちます。今回は、Google Cloudのサービスやメリット、活用できるシーン、AWSとの違いなどを解説します。Google Cloudの導入を検討している方は必見です。
Google Cloudとは
Google Cloudとは、Googleがクラウド上で提供しているクラウドコンピューティングサービスの総称です。以前はGCP(Google Cloud Platform)と呼ばれていました。
Google Cloudは、Google社内で利用されている技術やインフラをサービスとして活用できるのが魅力です。仮想マシンやストレージのほか、AI学習やデータ解析など、高度な技術を要する多様なサービスも利用できます。
無料版と有料版があり、無料版ではサービス利用の上限枠が設けられています。有料版ではさらに広範な機能とリソースが提供されており、利便性が高いです。
Google CloudとAWSがそれぞれ向いているケース
Google Cloudと同じようにクラウドコンピューティングサービスを提供しているのが、AmazonのAWS(Amazon Web Service)です。
両者にはそれぞれ強みと弱みがあり、どちらを活用すべきか迷ってしまうでしょう。
以下では、Google Cloudが向いているケースとAWSが向いているケースについて、それぞれ解説します。
Google Cloudが向いているケース
Google Cloudが向いているのは、以下のようなケースです。
- Googleが持つ先進的な技術をサービス開発に活かしたい
- 高速で安定したパフォーマンスを求めている
- ほかのGoogleサービスと連携させたい
Google Cloudの大きな強みは、Googleが持つ高度な技術をサービスとして利用でき、先進的な新サービス開発に活かせる点です。Googleは検索エンジンの王者として、これまで膨大なデータを取り扱ってきました。その技術やノウハウを活かした機械学習やビッグデータに関するサービスも利用できます。
パフォーマンスが高速で安定しているのもGoogle Cloudの特長です。Google Cloudでは、大量のデータを瞬時に処理できる高性能なインフラを利用できます。負荷がかかるサービスにも耐性があり、利便性が高いです。
すでにGoogleのサービスを多く利用しており、ほかのサービスと連携させて使いたい場合もGoogle Cloudが適しています。
AWSが向いているケース
一方、以下のケースでは、AWSが適しています。
- 豊富な機能を利用したい
- 使い方やトラブル発生時の対応を日本語で調べたい
AWSは、豊富な機能を提供しているのが魅力です。2023年6月現在、241のサービスが存在します。従量課金制で使用するサービスの増減も容易であるため、ニーズに合わせて使い方を変えられるのもポイントです。
使い方やトラブル発生時の対応を日本語で調べやすいというメリットもあります。AWSは普及率が高いため、日本語のWebページが多いのです。AWS公式のドキュメントも多く、日本語でのサポートにも対応しているため、英語に苦手意識がある方でも安心して利用できます。
Google Cloudの代表的な4つのサービス
Google Cloudには多くのサービスがあり、複数の領域をカバーしています。ここでは、以下の4つのジャンルにフォーカスし、ジャンルごとの代表的なサービスについて見ていきましょう。
- コンピューティング
- AI学習
- ビッグデータ
- ストレージ
それぞれのジャンルでGoogle Cloudを活用するメリットも解説しているため、Google Cloudの導入を迷っている方は参考にしてください。
1.コンピューティング
コンピューティングは、コンピュータでできることを、クラウド上で行えるサービスです。具体的には、以下のような作業を行えます。
- 資料を作成する
- ソフトウェアやアプリケーションを開発する
コンピューティングサービスを活用することで、ハードウェアを購入せずに作業できます。導入や保守管理にかかるコストを削減できるのがメリットです。
クラウドで作業できるため、場所や端末を問わずに作業できるという特長もあります。
Google Cloudが提供するコンピューティングサービスの例は、以下のとおりです。
- App Engine
- Compute Engine
- Kubernetes Engine
- Cloud Functions
2.AI学習
Google Cloudでは、AI学習(機械学習)関連サービスも利用できます。機械学習とは、AIにデータやサンプルを与えてパターンを学習させ、AIが未知のデータを予測し、判断できるようにすることです。
自社でAIを活用する際は、Google CloudのAI学習関連サービスが役立ちます。機械学習に必要な環境をスムーズに構築でき、開発までのリードタイム短縮も可能です。
Google Cloudが提供するAI学習関連サービスには、以下のような種類があります。
- TensorFlow
- Cloud AutoML
- AI Hub
- Vision API
3.ビッグデータ
ビッグデータとは、大規模なデータセットのことです。Google Cloudにはビッグデータを分析できる複数のサービスがあり、大量のデータを素早く分析し、ビジネスに役立てられます。
たとえば、過去のデータをもとに売れ行きを予測して適切な仕入量を決める、といった使い方が可能です。
Google Cloudでは保存容量を柔軟に変えられるため、データ量の変化にも対応できます。データを一元管理し、Google Cloudの分析ツールと連携できるのも魅力です。
Google Cloudが提供するビッグデータ関連サービスには、以下のような種類があります。
4.ストレージ
ストレージは、データを保存しておく場所のことです。
Google Cloudはクラウドストレージサービスを提供しており、自社でデータセンターやサーバーを有することなく、大量のデータを保存できます。保存容量を柔軟に変更できる点をはじめ、場所や端末を問わずにデータの保存、編集が可能である点も大きなメリットです。
Google Cloudのストレージ関連サービスには、以下のような種類があります。
- Cloud Storage
- Cloud Bigtable
- Cloud Datastore
Google Cloudのメリット
Google Cloudには多くの機能があり、さまざまなビジネスシーンで活用できます。
Google Cloudのメリットは以下のとおりです。
- インフラ環境が安定している
- ネットワークがスピーディーで安定している
- セキュリティが安全である
- サービスが充実している
- ニーズに合わせて料金を柔軟に変更できる
ここでは、Google Cloudが持つ5つのメリットについて詳しく解説します。
インフラ環境が安定している
Google Cloudはインフラ環境の安定性が高く、業務効率が下がる心配がないのがメリットです。
Google Cloudの各種サービスは、Googleが提供するほかのサービスと同様のインフラ環境で提供されます。Googleは全世界でさまざまなサービスを提供している企業です。その運用実績に基づいてインフラ環境を整備しているため、通信やデータ処理の速さはGoogle Cloudの大きな強みです。
さらに、トラフィックに対応できるよう設計されているため、アクセスが集中して負荷がかかった際も安心できます。
ネットワークがスピーディーで安定している
ネットワークのスピードが速く、安定しているのも魅力です。
Google Cloudのデータセンターでは、Googleが高い技術力を活かして独自に開発したネットワーク機器を利用しています。さらに、大規模な光ファイバーケーブルや先進的なネットワーク制御技術、エッジキャッシングサービスなどを駆使して、素早く安定したネットワークを実現しているのがポイントです。
セキュリティが安全である
サーバーレスでは、サーバーにかかる負荷を常に監視しており、オートスケーリング機能によって、プログラムの実行ごとに適切なリソースを自動で割り当ててくれます。アクセスが集中して想定よりも負荷がかかった場合でもサーバーが落ちる心配がなく、安定的に運用できるのが魅力です。
アクセスがほとんどない場合も、自動で適切なサーバーの台数に調整してくれます。
サービスが充実している
Google Cloudには多くのサービスがあり、そのジャンルはコンピューティングやAI、ビッグデータ、ストレージなど多岐にわたります。サービスが充実しており、多様なニーズに応えられるのが特長です。
特に、機械学習やビッグデータ、データ解析といった近年重要性が高まっている分野のサービスが充実しているのは、Google Cloudならではの大きな魅力といえます。
ニーズに合わせて料金を柔軟に変更できる
ニーズに合わせて料金を柔軟に変更できるのもメリットです。Google Cloudは従量課金制であり、使用したサービスに対してのみ料金が発生します。前払い金や解約手数料などはかかりません。
毎月一定額を支払うわけではないため、Google Cloudの利用頻度が少ない月は、その分料金を抑えられます。
一方、利用が多い月には高額な費用が発生するため、注意が必要です。
Google Cloudを活用できるシーン
Google Cloudは多くの魅力を持つ便利なサービスであり、初期費用もかからないため気軽に導入できます。
しかし、Google Cloudを導入する目的や活用したいシーンを明確にしなければ、Google Cloudのメリットを活かすことは難しいです。
ここでは、Google Cloudが役立つシーンを具体的に2つ紹介します。
- 業務効率を向上したいとき
- AIのデータ分析を取り入れたいとき
上記に当てはまる場合は、Google Cloudの活用を検討してみてください。
業務効率を向上したいとき
オンプレミスの場合は、ソフトがインストールされている端末でしか作業ができません。クラウドであれば、外出先や自宅からも作業できます。共有も容易であるため、スムーズに共同作業を行えるのも魅力です。
業務効率を向上したい場合は、Google Cloudを活用しましょう。
AIのデータ分析を取り入れたいとき
AIやデータ分析などのサービスを利用したい場合には、Google Cloudがおすすめです。Google Cloudは、機械学習やビックデータ関連の高度なサービスを複数提供しています。Google Cloudを活用することで、AIやデータ分析の際に必要な環境をすぐに整備でき、コストも削減可能です。
セキュリティ対策も徹底しているため、重要なデータを扱う作業も安心して行えます。
まとめ
Google Cloudは、Googleがクラウド上で提供している、さまざまなクラウドコンピューティングサービスの総称です。多様なジャンルのサービスを提供しており、クラウド上で作業できるため、業務効率化が実現します。さらにAIやビッグデータなど、近年重要性が高まっている分野に対応できるのが大きな魅力です。
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