ファイル共有やデータ管理の効率化を目指して、ファイルサーバーの導入を検討する企業が増えています。しかし、どのタイプのファイルサーバーを選ぶべきか、導入後の運用やセキュリティ対策など、不安を抱える企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、ファイルサーバーの基本的な仕組みから、選び方、導入手順、さらにはクラウドストレージとの比較について詳しく解説します。自社に最適なファイルサーバーの導入を検討する際の参考にしてください。
ファイルサーバーとは?
ファイルサーバーとは、企業や組織内のネットワーク上で、文書や画像、動画などのデータを一元管理し、複数のユーザーがアクセス・共有できるシステムです。業務の効率化や情報の保護、バックアップの簡易化など、多くの利点があります。特に、リモートワークや拠点間でのデータ共有が求められる現代において、欠かせないITインフラの一つとなっています。
ファイルサーバーのメリット・デメリット
ファイルサーバーの導入には多くの利点がありますが、いくつかの注意点も存在します。導入前にメリットとデメリットをしっかり把握しておくことが重要です。
メリット
- データの一元管理が可能
- アクセス制御によるセキュリティ強化
- 定期的なバックアップによるデータ保護
- ファイルの共同作業がスムーズ
- データの検索や整理がしやすい
デメリット
- 導入・運用コストがかかる
- システムの運用管理が必要
- 容量オーバー時の対応が必要
- 災害や故障時のリスクがある
- 適切な権限管理が求められる
ファイルサーバーの導入により、業務の効率化や情報の管理が容易になる一方で、適切な運用体制を整えることが成功の鍵となります。企業の規模や業務内容に応じて、最適な運用方法を検討しましょう。
ファイルサーバーの種類
ファイルサーバーには、主に「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。それぞれの特徴を比較し、導入する環境に最適な選択をすることが重要です。
種類
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特徴
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メリット
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デメリット
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オンプレミス型
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自社内にサーバーを設置し、ネットワーク内で管理
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- 高いセキュリティ性
- カスタマイズが可能
- 高速アクセス
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- 初期導入コストが高い
- 管理者が必要
- 災害時にリスク
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クラウド型
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インターネット経由でデータを保存・共有する
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- 初期コストを抑えられる
- 場所を選ばずアクセス可能
- 自動アップデート
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- ネットワーク依存
- 月額費用が発生
- セキュリティリスク
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オンプレミス型は、セキュリティやカスタマイズ性を重視する企業に適しています。一方、クラウド型は初期費用を抑えつつ、リモートワークにも対応できるため、スタートアップや中小企業におすすめです。
ファイルサーバーとNASの違い
ファイルサーバーとNASは、どちらもネットワークを介してデータを保存・共有するためのシステムですが、用途や機能に違いがあります。企業の業務内容や規模に応じて、どちらが適しているかを見極めることが重要です。
NASとは
NAS(Network Attached Storage)とは、ネットワークを介してファイルの保存や共有を行う専用のストレージ機器です。簡単に接続・運用できるため、企業や家庭で広く利用されています。NASは、ファイルのバックアップやデータ共有を容易にし、複数のデバイスからのアクセスが可能です。特に、小規模オフィスやリモートワーク環境に適しています。
NASの主な特徴は以下の通りです。
- 設定や管理が簡単で、ITの専門知識が不要
- 複数のユーザーが同時にアクセス可能
- 低コストで導入しやすい
- クラウド機能を搭載したモデルもあり、外出先からのアクセスも可能
NASについて、以下のページで詳しく解説しております。
NASとファイルサーバーの違い一覧
NASは主に小規模企業や個人向けに適した手軽なストレージシステムですが、より高度な管理やセキュリティを求める場合には、ファイルサーバーの導入が適しています。
以下に、わかりやすく表にしましたのでご確認ください。
項目
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NAS
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ファイルサーバー
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導入の手軽さ
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簡単に設置・運用可能、設定が容易
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専門的な知識が必要、導入に時間がかかる
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コスト
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比較的低コスト
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ハードウェアやライセンスなど高コスト
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拡張性
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容量や機能の拡張が限られる
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大規模なシステム構築やカスタマイズが可能
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管理のしやすさ
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GUIで直感的に操作可能
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サーバーOSを用いるため、専門的な知識が必要
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セキュリティ
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基本的なセキュリティ対策が施されているが、詳細設定は限定的
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ファイアウォールやアクセス制限など高度なセキュリティ設定が可能
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処理性能
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小規模~中規模のデータ共有に適している
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大量のデータ処理に対応可能
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バックアップ機能
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自動バックアップ機能搭載モデルあり
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RAID構成による高度なバックアップ機能
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アクセス権管理
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シンプルなユーザー管理機能
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部署ごと、ユーザーごとに細かい権限設定が可能
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ファイルサーバーとNASのどちらを選ぶべきかは、導入目的や運用規模、コストなどを考慮して決定することが重要です。
自宅にファイルサーバーを導入する方法
自宅にファイルサーバーを導入することで、データの一元管理や複数デバイスからのアクセスが可能になります。導入に際しては、適切な機器の選定やネットワーク環境の整備が重要です。
以下の手順に沿って、スムーズに導入を進めましょう。
- 機器の選定
用途に適した容量や機能を備えたファイルサーバー(NASなど)を選ぶ。
セキュリティ機能や拡張性も考慮する。
- ネットワーク環境の準備
有線または無線LANを用意し、安定した接続環境を整える。
ルーターの設定を確認し、ネットワーク構成を検討する。
- 初期設定の実施
管理画面にアクセスし、ユーザーアカウントやアクセス権限を設定。
ファイル共有のフォルダを作成し、必要な設定を行う。
- データの移行
既存のPCや外付けHDDから必要なデータをサーバーに転送。
フォルダ構成を整理し、利便性を高める。
- リモートアクセスの設定
外出先からアクセスできるクラウド機能やVPNを設定。
セキュリティ対策を施し、安全な接続環境を確保する。
- 定期的なバックアップ設定
自動バックアップ機能を活用し、データ損失のリスクを軽減。
外部ストレージやクラウドとの併用を検討する。
これらの手順を適切に実施することで、自宅でも安全かつ便利なファイル管理環境を構築できます。
ビジネス用途でファイルサーバーを導入する方法

企業がファイルサーバーを導入することで、社内の情報共有を効率化し、データの一元管理やセキュリティの強化が可能になります。ファイルサーバーの導入方法には、大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があり、それぞれの特徴や導入手順を理解することが重要です。以下の項目でそれぞれの方法をみていきましょう。
オンプレミス型のファイルサーバーを導入する方法
オンプレミス型とは、社内にサーバー機器を設置し、自社のネットワーク環境内で運用する方法です。以下の手順で導入を進めます。
- サーバーの選定
業務の規模やデータ量に応じて、適切なスペックのサーバー機器を選定します。RAID構成やバックアップ機能の有無も重要なポイントです。
- ネットワーク環境の整備
社内のネットワーク機器(ルーター、スイッチ、LANケーブルなど)を準備し、安定した通信環境を整えます。
- サーバーの設置と初期設定
物理的に設置した後、管理用のソフトウェアをインストールし、IPアドレスの設定や共有フォルダの作成を行います。
- アクセス権限の設定
従業員ごとにアクセスできるフォルダを制御し、必要な権限を設定します。これにより、機密情報の漏洩を防ぎます。
- セキュリティ対策の強化
ファイアウォールやアンチウイルスソフトの導入、定期的なパッチ適用などを行い、サーバーを外部からの攻撃から保護します。
- 運用ルールの策定
定期的なバックアップのスケジュールや、データ運用に関するルールを策定し、従業員への周知を徹底します。
メリットデメリットは以下のようになっています。
メリット
- データ管理を自社で完全にコントロールできる
- カスタマイズ性が高く、社内システムと統合しやすい
- 高度なセキュリティ対策が可能
デメリット
- 導入コストや運用・保守の手間がかかる
- 定期的な機器のアップデートや入れ替えが必要
- 設置場所の確保が必要
クラウド型のファイルサーバーを導入する方法
クラウド型は、インターネット上のサーバーを利用し、ファイルを管理する方法です。社内に物理サーバーを設置する必要がなく、スピーディに導入できるのが特徴です。
以下の手順で導入していきましょう。
- サービスプロバイダーの選定
Google Drive、Dropbox、Microsoft OneDriveなど、ビジネス向けのクラウドストレージサービスを比較し、適切なプランを選びます。
- アカウントの登録・契約
クラウドサービスの公式サイトからアカウントを作成し、契約プランを選択。ストレージ容量や利用人数に応じた料金プランを確認します。
- アクセス権限の設定
クラウド上にチームごとのフォルダを作成し、ユーザーごとに閲覧・編集権限を設定して、適切なセキュリティ対策を講じます。
- クライアント端末の設定
PCやスマートフォンに専用アプリをインストールし、各デバイスからアクセスできる環境を整えます。
- バックアップと運用管理
クラウドストレージは自動バックアップ機能が搭載されていることが多いため、定期的にデータの整理や容量管理を行います。
- 運用ルールの策定
クラウド利用時のセキュリティポリシー(アクセス制限、ログ管理など)を策定し、従業員への教育を実施します。
クラウド型のファイルサーバーのメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 導入コストが低く、初期投資を抑えられる
- インターネット環境があれば、どこからでもアクセス可能
- サーバーの管理やメンテナンスの負担が少ない
デメリット
- インターネット環境に依存するため、接続が不安定になる可能性がある
- データの機密性を確保するための適切な設定が必要
- 長期的に利用するとコストが増大する可能性がある
どちらの方法を選択するかは、企業の規模や予算、業務内容に応じて検討することが重要です。セキュリティや管理のしやすさを重視する場合はオンプレミス型、手軽に導入しスピーディに運用したい場合はクラウド型がおすすめです。
ファイルサーバーを導入する際の選び方のポイント
ファイルサーバーを導入する際には、自社の業務形態やデータの取り扱い方に合ったものを選ぶことが重要です。
以下のポイントを押さえることで、適切なファイルサーバーを選定し、運用の効率化やセキュリティ強化につなげることができます。
クラウド型・オンプレミス型で選ぶ
ファイルサーバーには、上述したように「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
- クラウド型ファイルサーバー
インターネット経由でアクセスできるクラウド型は、導入コストが低く、メンテナンスの手間がかかりません。リモートワークが多い企業や、手軽に拡張できる環境を求める場合に最適です。ただし、インターネット環境に依存するため、接続状況が不安定にならないよう注意が必要です。
- オンプレミス型ファイルサーバー
社内に専用サーバーを設置するオンプレミス型は、データのセキュリティが強化でき、カスタマイズ性が高いのが特徴です。社内ネットワーク内での利用に適しており、機密性の高いデータを扱う場合に向いていますが、初期費用や運用コストが高くなりがちです。
どちらを選ぶかは、データ量や運用方針、コストを総合的に判断し決定することが重要です。
接続ユーザー数で選ぶ
ファイルサーバーの選定では、同時にアクセスするユーザー数を考慮する必要があります。小規模オフィスでは数名の接続で十分ですが、大規模な企業では数百名単位のアクセスに対応できるサーバーが求められます。
- 小規模企業向け(10~50名):手軽に導入できるNASタイプやクラウド型が最適
- 中規模企業向け(50~200名):負荷分散機能を備えたオンプレミス型がおすすめ
- 大規模企業向け(200名以上):複数のサーバーを連携させ、アクセス集中に対応できる高性能モデルが必要
アクセスユーザー数が増えると、処理速度やストレージ容量に影響を与えるため、余裕を持ったスペックを選ぶことが大切です。
データ容量で選ぶ
ファイルサーバーの選定において、保存するデータの種類や将来の拡張性を見越した容量の選定が重要です。
- 一般的なビジネス文書のみの場合:数百GB~1TB程度で十分
- 画像や動画、CADデータなど大容量データを扱う場合:数TB~数十TBが必要
- クラウド型の場合:必要に応じて柔軟にストレージを増やせるプランを選ぶ
また、冗長性を持たせるためにRAID構成を活用し、ストレージ障害時のデータ損失を防ぐことも重要なポイントです。
セキュリティ性で選ぶ
ファイルサーバーのセキュリティ対策は、企業のデータ保護に直結する重要な要素です。以下の機能を備えたサーバーを選ぶことで、安心して運用できます。
- アクセス制御機能:ユーザーごとにフォルダの閲覧・編集権限を細かく設定
- データ暗号化機能:万が一の盗難や不正アクセス時にデータの保護が可能
- ウイルス対策・ファイアウォール:不正アクセスやマルウェアからの防御
- バックアップ機能:自動バックアップや災害対策を含めた安全なデータ運用
特に機密情報を扱う企業は、これらのセキュリティ機能が充実したファイルサーバーを選ぶことで、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。
上記のように、ファイルサーバーの選び方をしっかりと検討し、自社の業務に最適なシステムを構築することで、効率的なデータ管理と安全性を両立させることが可能です。
ファイルサーバーを利用する際の注意点
ファイルサーバーを安全かつ効率的に運用するためには、いくつかの注意点があります。まず、セキュリティ対策の徹底が重要で、アクセス権限の設定やウイルス対策、定期的なソフトウェアの更新を行う必要があります。
次に、定期的なバックアップの実施も欠かせません。データの消失やサーバートラブルに備え、自動バックアップやクラウドとの併用を検討しましょう。
また、ストレージ容量の管理もポイントで、不要なデータの削除や、将来的な増設計画を立てることが重要です。
さらに、社内の運用ルールの策定を行い、ファイルの整理方法やアクセスルールを明確にし、運用の効率化を図ります。ネットワーク環境の最適化やコスト管理にも注意し、安定した運用を目指しましょう。これらを意識することで、ファイルサーバーの活用を最大限に高めることができます。
これから導入するならクラウドストレージの導入がおすすめ
ファイルサーバーの導入を検討している企業にとって、クラウドストレージは柔軟性と効率性を兼ね備えた最適な選択肢です。クラウドストレージを活用すれば、社内外どこからでもデータにアクセスでき、ストレージ容量の拡張もスムーズに行えます。また、物理サーバーの設置やメンテナンスが不要となるため、運用コストの削減や業務効率の向上につながります。
しかし、クラウドストレージの導入には、最適なサービスの選定やセキュリティ対策、社内運用ルールの整備など、検討すべき課題が多くあります。導入や運用管理に不安を感じる企業様は、ぜひICにお任せください。
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引用元:システム開発のIC
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まとめ
ファイルサーバーは、企業のデータ管理や共有を効率化するために欠かせないシステムです。オンプレミス型やクラウド型など、用途に応じた選択が可能であり、それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、最適な導入方法を選ぶことが重要です。また、セキュリティ対策や運用ルールの整備も欠かせません。
導入を検討する際は、ストレージ容量やアクセス権管理、セキュリティ要件などを考慮し、自社に最適なファイルサーバーを選定することが求められます。特に、クラウドストレージの活用は、コスト削減や業務効率化に大きく貢献するため、積極的に検討する価値があります。
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