スマートフォンなどの普及に伴い、顧客との接点を強化する手段として自社アプリを導入する企業が増えています。自社アプリは、商品情報の提供やクーポン配信などを通じて顧客と継続的につながることができる点が特徴です。
一方で、「自社アプリとはどのようなものなのか」「どのようなメリットがあるのか」といった点がわからず、導入の検討が進まない企業も少なくありません。本記事では、自社アプリの基本情報や開発するメリット、開発の方法と進め方などを解説します。
自社アプリとは
自社アプリとは、企業が自社のサービスやブランドに合わせて開発・提供するアプリのことです。主にiOSやAndroidなどのスマートフォンにインストールして利用され、企業が自社のサービスを提供する手段の一つとして活用されています。
WebサイトやSNSと並び、企業と利用者をつなぐデジタルチャネルの一つであり、企業が独自に企画・設計して提供できる点が特徴です。企業のサービス内容や目的に合わせて機能や構成を設計できるため、さまざまな業界で導入が進められています。
自社アプリの主な種類
自社アプリは、主に「消費者向けアプリ」と「社員向けアプリ」の2種類に分類されます。消費者向けアプリは、企業が顧客との接点をつくる目的で提供するアプリであり、商品情報の閲覧やクーポンの配信、オンライン注文などの機能が搭載されるケースがあります。
一方、社員向けアプリは社内業務の効率化や情報共有を目的として利用されるアプリです。勤怠管理や業務連絡、社内マニュアルなどをスマートフォンから行えるようにする用途で利用されることがあります。
社内アプリは種類によって活用方法などが異なるため、以下では消費者向けアプリに焦点を当てて解説します。
自社アプリを開発するメリット
自社アプリを開発することで企業は顧客との接点をより強化でき、顧客とのコミュニケーションを深めたりサービスの利用を促進したりすることが期待できます。
自社アプリを開発するメリットを、以下の5つにそって詳しく解説します。
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顧客との接点を増やせる
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プッシュ通知で情報発信ができる
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顧客データを収集・活用できる
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リピーター獲得につながる
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ブランド価値が向上する
顧客との接点を増やせる
自社アプリを提供することで、企業は顧客と継続的な接点を持ちやすくなります。スマートフォンにアプリがインストールされると、利用者はホーム画面のアイコンから簡単にサービスへアクセスできるようになります。そのため、Webサイトに比べてサービスへ再訪問してもらいやすいという特徴があります。
また、アプリを通じて商品情報やキャンペーン情報を確認したり、サービスを利用したりできる環境を整えることで、企業と顧客の接点を増やすことができるでしょう。
プッシュ通知で情報発信ができる
自社アプリでは、プッシュ通知を利用して利用者のスマートフォンへ直接情報を届けることができます。プッシュ通知は、アプリを起動していない状態でも通知を表示できる仕組みであり、お得な情報などをタイムリーに伝えることが可能です。
また、メールやWebサイトでの情報発信と比較して利用者に気づいてもらいやすいことも多いため、適切なタイミングで通知を行うことでサービス利用のきっかけづくりにもつながります。
顧客データを収集・活用できる
自社アプリを通じてサービスを提供することで、利用状況に関するデータを収集することができます。たとえば、アプリの利用頻度や閲覧されているコンテンツ、購入履歴などの情報を分析することで、利用者の行動傾向を把握することが可能です。
こうしたデータはサービス改善やマーケティング施策の検討にも活用でき、利用者の行動データをもとにサービス内容を見直せばより利用しやすい環境を整えられるようになります。
リピーター獲得につながる
自社アプリは、継続的な利用を促す仕組みをつくりやすい点も特徴です。たとえば、ポイント機能や会員機能、クーポン配信などをアプリ内で提供することで、利用者が再度サービスを利用するきっかけをつくることができます。
また、アプリを通じてサービスを利用する習慣が生まれれば、利用者が企業のサービスを継続的に利用する可能性を高めることも可能です。
ブランド価値が向上する
自社アプリは、企業のブランドイメージを伝える手段の一つとしても活用されています。アプリのデザインや機能、提供するコンテンツなどを通じて、企業の世界観やサービスの特徴を利用者に伝えることができます。
また、アプリを通じて継続的にサービスを提供することで、利用者にとって身近な存在になりやすい点も特徴です。こうした取り組みは、企業のブランド認知の向上やサービスへの理解を深めることにつながるでしょう。
自社アプリの開発方法
自社アプリを開発する方法には種類があり、企業の目的や予算、開発体制などに応じて適した方法を選ぶことが重要です。
自社アプリの主な開発方法として、以下の3種類が挙げられます。
それぞれの開発方法について、以下から詳しく見ていきましょう。
スクラッチ開発
スクラッチ開発とは、既存のテンプレートやパッケージを利用せず、ゼロからアプリを設計・開発する方法です。企業のサービス内容や業務要件に合わせて機能やデザインを個別に設計できるため、自由度の高いアプリを開発できる点が特徴です。
一方、開発工程が多くなりやすいため、開発期間や費用が比較的大きくなる傾向があります。
スクラッチ開発に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
フルスクラッチとは?ハーフスクラッチ・ローコードとの違い
パッケージ開発
パッケージ開発は、あらかじめ用意されたアプリ開発用のパッケージやテンプレートを利用してアプリを構築する方法です。基本機能があらかじめ用意されているため、スクラッチ開発と比べて開発期間を短縮しやすいという特徴があります。
ただし、パッケージの仕様に依存するため、機能の自由度はスクラッチ開発と比べて制限される場合があります。
ノーコード開発
ノーコード開発は、プログラミングを行わずにアプリを作成できる開発方法です。専用のツールやサービスを利用し、画面上の操作や設定によってアプリの機能やデザインを構築できる仕組みになっています。
プログラミングの専門知識がなくてもアプリを作成できる場合があるため、比較的短期間でアプリを公開できる点が特徴です。一方で、利用できる機能やカスタマイズの範囲はツールの仕様に依存するため、複雑な機能を実装する場合には制限が生じることもあります。
ノーコード開発に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
ノーコードとは?メリット・デメリット・導入ポイントを解説 | システム開発のIC
自社アプリ開発の進め方

自社アプリの開発は、企画から運用までを含めた計画的なプロセスで進めることが重要です。目的や機能が十分に整理されていない状態で開発を始めてしまうと、想定していた効果が得られない可能性があります。
自社アプリの開発について、以下の流れにそって詳しく解説します。
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アプリの目的やターゲットを整理する
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必要な機能や要件を検討する
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開発方法や開発体制を決める
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アプリの開発・テストを行う
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リリース後の運用体制を整える
アプリの目的やターゲットを整理する
自社アプリの開発を進める際、まずはアプリを開発する目的や想定する利用者を明確にすることが重要です。たとえば、「顧客との接点を増やすことを目的とするのか」「オンライン注文の利便性を高めることを目的とするのか」などによって、アプリに必要な機能や設計が変わります。
また、想定するターゲット層を整理すればアプリのデザインや操作性、提供するコンテンツの方向性も決めやすくなります。開発の初期段階で目的とターゲットを明確にすることで、それ以降のアプリ開発が進めやすくなるでしょう。
必要な機能や要件を検討する
アプリの目的やターゲットが整理できたら、次に必要な機能や要件を検討します。具体的には、会員機能やプッシュ通知、オンライン注文、ポイント機能など、どのような機能を実装するのかを整理すると良いでしょう。
また、既存のシステムと連携する必要がある場合は、「どのようなデータを連携するのか」「どのような仕組みで接続するのか」といった技術的な要件も検討する必要があります。こうした要件を整理することで、開発の範囲や必要な工数を把握しやすくなります。
開発方法や開発体制を決める
必要な機能や要件が整理できたら、アプリの開発方法や開発体制を決めます。スクラッチ開発やパッケージ開発、ノーコード開発など、どの方法で開発するのかを検討し、「自社で開発を行うのか」「外部の開発会社に依頼するのか」といった体制も検討します。
企業の技術力や予算、開発期間などによって適した方法は異なるため、自社の状況に合った開発方法を選択することが重要です。
アプリの開発・テストを行う
開発方法や体制が決まったら、実際にアプリの開発を行います。設計内容に基づいてアプリの機能や画面を実装し、動作確認を行いながら開発を進めていきます。
また、開発が完了した後はテストを行い、アプリが正常に動作するかを確認します。操作性の確認や不具合の修正などを行い、問題がない状態でリリースできるよう準備を進めます。
リリース後の運用体制を整える
自社アプリはリリースして終わりではなく、継続的に運用していくことが重要です。アプリの利用状況の確認や機能の改善、新しいコンテンツの追加など、利用者にとって使いやすいアプリへと改善していく必要があります。
また、OSのアップデートやセキュリティ対策への対応なども欠かせません。自社アプリを運用する際は、アプリの管理や改善を担当する体制を整えておくことが大切です。
自社アプリ開発を成功させるポイント
自社アプリは、開発して公開するだけでは十分な成果につながらない場合があります。アプリを継続的に利用してもらうためには、利用者の使いやすさを考慮した設計や運用を見据えた開発計画が重要です。
自社アプリの開発を成功させるポイントを、以下の4つにそって詳しく解説します。
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ユーザー視点でアプリを設計する
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段階的に機能を拡張する
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運用や改善を見据えて設計する
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自社だけで難しい場合は開発会社に相談する
ユーザー視点でアプリを設計する
自社アプリを開発する際は、企業側の視点だけでなく利用者の視点を意識して設計することが重要です。操作方法がわかりにくかったり必要な情報にアクセスしづらかったりすると、アプリの利用が継続されにくくなる可能性があります。
そのため、利用者がどのような目的でアプリを使うのかを想定し、必要な機能や情報にスムーズにアクセスできる設計を行うことが求められます。画面構成や操作の流れを利用者の視点で整理することで、使いやすいアプリにつながります。
段階的に機能を拡張する
自社アプリを開発する際は最初から多くの機能を詰め込むのではなく、段階的に機能を拡張していくことをおすすめします。開発の初期段階では基本的な機能に絞って公開し、利用状況や利用者の反応を確認しながら改善や機能追加を進めていくことで、開発の負担を抑えながらアプリの方向性を調整しやすくなります。
また、利用状況を踏まえた改善を重ねていくことで、実際の利用環境に合ったアプリへと成長させやすくなるでしょう。
運用や改善を見据えて設計する
自社アプリはリリース後も継続的に改善や更新を行う必要があるため、開発段階から運用や改善を見据えた設計を行うことが大切です。機能追加や修正を行いやすい構造にしておくことで、リリース後の改善作業を進めやすくなります。
また、運用を続ける中でサービス内容やユーザーの利用状況が変化する場合もあるため、状況に合わせて柔軟に対応できる設計にしておくことも重要です。
自社だけで難しい場合は開発会社に相談する
自社アプリの開発では、企画や設計、開発、運用など多くの工程が関わります。特にシステム設計やアプリ開発には専門的な知識が必要になる場合もあるため、自社だけで進めることが難しいケースもあります。
そのような場合は、システム開発会社へ相談することも一つの方法です。専門的な知見を活用することで、企業の目的やシステム環境に合わせた形でアプリ開発を進めやすくなります。
自社アプリ開発ならICへ

引用元:システム開発のIC
ICは、ITソリューションやシステム開発を手がけている企業です。経験豊富なエンジニアが多数在籍しており、企業ごとの要件に応じてシステム開発から運用・保守までをトータルで支援しています。
また、高度な機能を必要とする開発や大規模システムの構築、既存システムの改修などにも対応できる体制を整えており、さまざまな開発ニーズに合わせた支援が可能です。自社アプリの開発を検討している場合は、ぜひICまでご相談ください。
まとめ
自社アプリは、顧客との接点を増やしたり情報発信を行ったりする手段として活用されています。プッシュ通知による情報配信や顧客データの活用など、さまざまなメリットがあることから多くの企業が導入を検討しています。
自社アプリを開発する際は、目的やターゲットを整理したうえで必要な機能や開発方法を検討し、段階的に開発を進めていくことが重要です。さらに、開発後の運用や改善も見据えながら設計することで、継続的に活用できるアプリにつながります。
一方で、自社アプリの開発ではシステム設計や開発体制の検討など、専門的な知識が必要になる場合も少なくありません。自社だけでのアプリ開発が難しい場合は、ICを選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。