近年、介護・福祉業界では人手不足が深刻化しており、業務の効率化が急務となっています。そこで注目されているのが、IT技術の活用です。
IT化の実現には、経験豊富なコンサルタントとエンジニアが在籍しているシステム開発会社への依頼がおすすめです。本記事では、介護・福祉業界がIT化するメリットや注意点、活用できるIT技術、成功させるポイントについて解説します。
介護・福祉業界のIT化が遅れている理由
介護・福祉業界のIT化が遅れている理由は、下記の通りです。
- 行政機関とのやり取りが多い
- ITに対して苦手意識を持っている人が多い
- 導入コストへの懸念がある
IT化については、下記の記事で詳しく解説しています。
行政機関とのやり取りが多い
介護・福祉業界は、他業界と比べて行政機関とのやり取りが多いことが、IT化を遅らせる一因となっています。
具体的には、利用者との契約や重要事項説明書、ケアプランなど、多くの書類に捺印が必要であり、行政の監査や実地指導の際に、それらの書類を確認してもらう必要があります。
このように、行政機関との手続きにおいて、紙の書類が必要なことが多いため、なかなかペーパーレス化などのIT化が進みにくい状況にあります。
しかし、令和3年度の介護報酬改定において、電子データでの契約が認められるようになりました。これにより、介護・福祉業界におけるペーパーレス化が進みやすくなったといえるでしょう。
ITに対して苦手意識を持っている人が多い
介護・福祉業界では、他業界と比べてITに対して苦手意識を持っている人が多いのが現状です。
厚生労働省の『令和5年度介護事業経営実態調査』によると、介護職員全体では30~49歳が主流となっていますが、訪問介護員に限定すると60歳以上が約3割を占めています。
高齢の方にとって、IT機器の操作は難しいと感じることが多く、介護記録や報告書などの書類を手書きで管理しているところも少なくありません。
IT機器の操作に苦手意識を持っている方が多いと、スタッフへの教育が大変になるため、IT化に踏み切れない事業所が多いのです。
導入コストへの懸念がある
近年、物価高騰などにより経営状況が厳しい事業所が増加しており、厚生労働省が発表した「令和5年度介護事業経営実態調査」では、介護サービス全体の収支差率が前年度より0.4ポイント低下し、2.4%となりました。
このような厳しい経営状況でも、人材確保のために採用コストや人件費などは削れないのが現状です。
そのため、重要とわかっていながらも、導入コストや費用対効果への懸念からIT化への投資を躊躇してしまうケースが多いです。
介護・福祉業界のIT化が必要な理由

総務省が発表した『統計からみた我が国の高齢者』によると、2022年時点で高齢化率は29.1%に達しており、約3.6人に1人が65歳以上の高齢者です。今後も高齢化が進行し、2025年には30%を超えると予測されています。
このように、介護を必要とする人口が増加の一途をたどる一方で、働き手である現役世代は減少しており、厚生労働省が発表した『2025 年に向けた介護人材の確保』によると、2025年には約33万人の介護職員が不足するといわれています。
そのため、この先、限られた人材で質の高い介護サービスを提供し続けるためには、IT化による業務効率化が必要です。
介護・福祉業界がIT化するメリット

介護・福祉業界がIT化するメリットは、下記の通りです。
- 業務を効率化できる
- 情報共有がスムーズになる
- 介護の質が向上する
業務を効率化できる
介護・福祉業界がIT化することで、業務の効率化に大きく貢献できます。
例えば、IT化によってペーパーレス化が実現できれば、書類のやり取りがスムーズになり、業務の効率化が図れるでしょう。
従来の方法では、下記のようなフローが必要でした。
- 書類を作成し、印鑑を押す
- 作成した書類を相手に郵送する
- 相手が届いた書類に印鑑を押し、返送する
IT化によってペーパーレス化が実現すれば、印鑑の捺印を電子署名に置き換え、電子書類でのやり取りが可能になります。
これにより、オンライン上で書類のやり取りがスピーディーに完結し、業務の大幅な効率化が見込めます。
情報共有がスムーズになる
従来は、利用者の情報を共有するにあたって、紙面でカルテなどを作成し管理することが多く、情報が多くなればなるほど探しづらくなるという課題がありました。
しかし、IT化によってデータで管理ができるようになれば、必要な情報を素早く検索でき、関係者で素早く共有できます。
データによる管理には情報漏洩などのリスクが伴いますが、権限管理やパスワード管理を徹底することで、そのリスクを最小限に抑えられます。
介護の質が向上する
IT化によって業務負荷が軽減されれば、介護職員に時間的な余裕が生まれ、利用者に対してゆとりを持って対応できるようになります。
例えば、従来は手書きで作成していた介護記録を、タブレットやスマートフォンから簡単に入力できれば、記録の作成や管理にかかる時間を大幅に削減できます。
このように業務負担が軽減されれば、利用者に向き合う時間が増え、きめ細やかな介護サービスを提供できるでしょう。
介護・福祉業界がIT化する注意点
介護・福祉業界がIT化する際の注意点は、下記の2つです。
スタッフへの教育が難しい
介護・福祉業界のIT化を進める上で、スタッフへの教育は大きな課題となります。
特に高齢のスタッフが多い場合、IT機器の操作に苦手意識を持っている方が多く、ツールの導入に理解が得られなかったり、教育しても思ったように使いこなせなかったりなどの問題が発生しやすいでしょう。
また、介護・福祉業界は慢性的な人手不足に悩まされており、ツール教育に十分な時間を確保できない可能性があります。
情報漏洩のリスクがある
介護・福祉業界では、利用者の個人情報や医療情報など、機密性の高い情報を扱っています。
IT化を進めることで、これらの情報を電子データとしてやり取りする機会が増えるため、情報漏洩のリスクが高まります。
情報漏洩を避けるためには、まず情報セキュリティポリシーを策定し、職員全員への周知徹底が重要です。
また、定期的な情報セキュリティ教育を実施し、職員の情報セキュリティに対する意識を高めることで、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられるでしょう。
介護・福祉業界で活用できるIT技術
介護・福祉業界で活躍できるIT技術には、下記のようなものが挙げられます。
- 介護記録システム
- 見守りシステム
- 排泄予測システム
介護記録システム
介護記録システムとは、介護サービスの提供状況や利用者の情報を電子的に記録・保存するためのシステムです。
介護記録システムを導入することで、介護記録の作成や管理業務を大幅に効率化できます。
具体的には、下記のようなメリットがあります。
- 紙の帳票の作成や保管、管理にかかる手間を削減できる
- 過去の記録を検索しやすく、必要な情報を素早く見つけられる
- タイムリーに情報共有できるため、ケアの質の向上が期待できる
介護記録システムの導入により、介護記録の質の向上や業務効率化が図れるでしょう。
見守りシステム
見守りシステムとは、施設利用者の離床や在室状況をチェックできるシステムです。
介護スタッフは利用者の様子を常に気にかけている必要がありますが、24時間ずっと利用者のそばにいるわけにはいきません。
見守りシステムを活用することで、ベッドを離れているのか、トイレに行っているのか、睡眠をとっているのかなどの状況が離れていても把握できます。
これにより、異状があればいち早く気付いて対応でき、問題がないときは安心して他の業務に専念できます。
排泄予測システム
排泄予測システムは、自立排泄に悩みを抱える利用者を対象にしたシステムです。
このシステムは、超音波を用いて膀胱内の尿の溜まり具合を測定・可視化することで、排尿タイミングを通知し、自立排泄をサポートします。
このシステムを導入することで、介護スタッフは利用者の排泄状況を常に把握でき、排泄時間をある程度予測できるようになるでしょう。
これにより、利用者の様子を確認する回数が減り、業務の効率化が図れます。
介護・福祉業界がIT化するポイント
介護・福祉業界がIT化するポイントは、下記の通りです。
- 初心者でも使いやすいシステムを導入する
- セキュリティ対策がされているツールを選ぶ
- IT導入補助金・ICT導入支援事業を活用する
初心者でも使いやすいシステムを導入する
介護現場では、スタッフのITリテラシーにばらつきがあるため、複雑な操作を要するシステムは逆に業務の負担増につながるリスクがあります。
そのため、初心者でも直感的に操作できるシステムがおすすめです。
具体的には、スマートフォンやタブレットなどの身近なデバイスで簡単に操作できるものや、クリックやタッチだけで業務を進められるシステムが適しています。
使いやすいシステムを導入することで、デジタル機器に不慣れな職員でも短期間で習得でき、介護現場全体の生産性向上につながるでしょう。
セキュリティ対策がされているシステムを選ぶ
介護・福祉業界では、ITに不慣れな年配の職員も多いため、セキュリティ対策の講習を行っても、全てを理解し実践できるかは不透明です。
講習やルールの周知は必要ですが、人的な対策には限界があるでしょう。そのため、セキュリティ対策がしっかりとされているシステムを導入することで、職員の理解度に関わらず、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。
例えば、コミュニケーションツールを導入する際は、下記のような機能があると安心です。
- 管理者がアクセスログや送受信されるデータを確認できる
- 第三者による不正アクセスを防ぐ、二段階認証などの機能がある
このように、人的な対策と併せて、セキュリティ対策がしっかりとされているITツールを選ぶことで、安心してIT化を進められます。
IT導入補助金を活用する
介護・福祉業界では、IT化を進めるにあたって導入コストが課題となることが少なくありません。そこで活用したいのが、IT導入補助金です。
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性向上を目的とし、業務効率化やDX等に向けたITツール導入を支援する制度です。補助額は数万円から数百万円と幅広く、事業規模や導入するツールに応じて活用できます。
IT導入補助金を活用することで、介護・福祉業界のIT化を推進できるでしょう。ただし、補助金の受給には一定の条件があるため、申請前によく確認する必要があります。
介護・福祉業界のIT化を進めるならシステム開発会社への依頼がおすすめ
介護・福祉業界のIT化を進めるには、業界特有のニーズや課題に合わせたシステムを導入しなければいけません。
また、システム導入後には、利用者やスタッフがスムーズに新しいシステムを活用できるよう、トレーニングや運用サポートが必要です。
優秀なITコンサルタントとエンジニアがいるシステム開発会社であれば、現場や業界の課題を分析し、それに基づいて最適なシステムを提供できます。
また、システムに関するコンサルティングや導入支援だけではなく、運用・保守サービスまで一貫したサポートを受けられるため、安心してIT化を推進できます。
ITコンサルタントについては、下記の記事で詳しく解説しています。
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引用元:システム開発のIC
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まとめ
本記事では、介護・福祉業界がIT化するメリットや注意点、成功させるポイントについて解説しました。
介護・福祉業界がIT化することで、ペーパーレス化や情報共有の円滑化、介護の質向上などが期待できます。
一方で、スタッフへの教育の難しさや情報漏洩リスクなどの課題もあります。IT化を成功させるには、初心者でも使いやすく、セキュリティ対策がしっかりしているシステムがおすすめです。IT化の推進に不安がある場合は、システム開発会社に依頼しましょう。
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