Google Workspaceの活用法・事例や使い方のポイントを解説

Google Workspaceの活用法・事例や使い方のポイントを解説

リモートワークやハイブリッドワークが当たり前になった今、企業に求められるのは「場所に縛られず効率的に働ける仕組み」です。

その解決策として注目されているのが、Google Workspaceの活用です。メールやカレンダー、ドキュメント共有など基本機能に加え、チーム全体の生産性を高める仕組みを備えています。

本記事では、導入事例を紹介しながら、Google Workspaceを最大限に活用するためのステップや具体的な活用法を解説します。

 

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Google Workspaceとは?

Google Workspaceは、Googleが提供するクラウド型のグループウェアで、メール・カレンダー・ドキュメント作成・ファイル共有・ビデオ会議など、業務に必要な基本的なツールを一元的に利用できるサービスです。以前は「G Suite」と呼ばれていましたが、名称変更とともに機能面も強化され、企業の働き方改革やリモートワーク推進を支える基盤として多くの組織に導入されています。

特長は、インターネット環境さえあればPCやスマートフォンなどあらゆるデバイスからアクセスでき、常に最新の情報をチームで共有できる点です。リアルタイムで複数人が同じドキュメントを編集したり、社内外のやり取りをスムーズに行えたりするため、従来のメール中心の業務スタイルから大きく変革できる可能性を秘めています。

特に近年はリモートワークやハイブリッドワークの普及により、場所を選ばず効率的に働ける環境づくりが企業の課題となっています。その解決策の一つとして、Google Workspaceの導入・活用が注目されているのです。

Google Workspace活用事例

株式会社あきんどスシロー

あきんどスシローは、経営理念「うまいすしを、腹一杯。」を実現するため、2012年に全社でGoogle Workspaceを導入しました。社内外で異なるツールを使い分けていたことで情報伝達の遅れが生じており、これを解消するためにシステム統合を決断。ITに不慣れなスタッフでも使いやすい点や、クラウド型でメンテナンス不要という特長が評価されました。

導入後は、スマートフォンからいつでも情報にアクセスでき、承認作業やスケジュール管理の効率が大幅に向上。教育動画の共有やリモート会議も可能となり、現場の業務改善やコスト削減につながっています。スシローにとってGoogle Workspaceは、日々の業務を支えるだけでなく、進化を後押しする重要な基盤となっています。

参考:株式会社あきんどスシロー: 導入事例 - Google Workspace

株式会社ファミリーマート

ファミリーマートは2017年、全社的な働き方改革の一環としてGoogle Workspaceを導入しました。約8,000名の社員を対象に、全国の若手社員を中心に600名の「アンバサダー」を配置し、FAQやTIPSをまとめた専用サイトを活用しながら現場への定着を推進しました。

導入後はドキュメントやスプレッドシートでの共同編集により資料作成の効率が大幅に向上。テレビ会議の利用も急増し、業務全体で約35%の負担削減を実現しています。また、災害発生時には社内コミュニティを通じてリアルタイムで情報を共有できる体制が整い、現場の機動力が飛躍的に向上しました。

Google Workspaceは、単なる業務効率化にとどまらず、社員一人ひとりが主体的に動けるカルチャーを育む基盤として、ファミリーマートの働き方を大きく変革しています。

参考:株式会社ファミリーマート: 導入事例 - Google Workspace

株式会社マイナビ

マイナビでは、従来の自営サーバーによるメールシステムが限界に達し、度重なる障害や容量不足に悩まされていました。サーバーを増強しても数年で再び限界を迎える「負のスパイラル」から脱却するため、2012年にGoogle Workspaceへの全面移行を決断します。

クラウド化により、アカウント追加や容量拡張が容易になり、災害対策としてのBCP面でも効果を発揮しました。さらに、GmailやGoogleグループの活用でコストを抑えつつ、セキュリティと利便性のバランスを両立。ユーザーはこれまで通りの操作感で利用できたため、スムーズな移行が実現しました。

結果として「メールが止まる不安」から解放され、外出先からの検索・共有も容易になり、業務効率と安心感が大きく向上。マイナビにとってGoogle Workspaceは、安定した基盤と進化を支える仕組みとして不可欠な存在となっています。

参考:株式会社マイナビ: 導入事例 - Google Workspace

Google Workspace導入のステップ

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Google Workspaceを効果的に導入するためには、いきなり全社展開するのではなく、段階的に進めることが重要です。ここでは、導入を成功させるための基本的なステップを整理します。

課題を明確にする

まずは現状の業務フローを振り返り、どこに非効率があるのかを把握することが出発点です。たとえば「メールのやり取りに時間がかかる」「情報が分散して必要な資料が探せない」「リモート環境で承認作業が滞る」など、解決したい課題を明確にすることで導入の方向性が定まります。

目標を設定する

課題を整理したら、それを解決するための具体的な目標を設定します。単に「業務効率を上げる」ではなく、「会議資料の作成時間を半減させる」「承認フローを即日対応にする」など、数値や期限を伴う目標を掲げることで、導入効果を測定しやすくなります。

スモールスタートさせる

全社で一度に導入するのではなく、まずは一部の部署やプロジェクトで試験的に運用するのが効果的です。パイロット導入を行うことで、現場での使い勝手や問題点を洗い出せるため、全社展開時にスムーズな移行が可能になります。

活用法を共有する

導入後は社員が使いこなせるようにすることが成功の鍵です。社内ポータルやFAQサイトを整備したり、アンバサダー(推進担当者)を配置したりすることで、現場レベルでの浸透が進みます。定期的に勉強会やワークショップを実施し、活用事例を共有することで利用定着が加速します。

現場で役立つGoogle Workspace活用法

Google Workspaceは単なるメールやカレンダーのツールにとどまらず、日々の業務を効率化するさまざまな使い方があります。ここでは、現場で特に活用度の高い具体例をご紹介します。

Google スプレッドシートで日報・進捗管理を効率化

従来の紙やExcelファイルによる日報管理は、集計や共有に手間がかかります。Googleスプレッドシートを使えば、複数人が同時に入力・閲覧できるため、常に最新の進捗状況を確認可能です。フィルタや条件付き書式を使えば、業務の遅れやトラブルを即座に把握でき、管理者の負担も大幅に軽減されます。

Google フォームで社内申請やアンケートを自動化

出張申請や備品申請など、社内手続きは煩雑になりがちです。Googleフォームを活用すれば、入力内容が自動でスプレッドシートに反映され、承認フローとも連携できます。アンケートの集計も瞬時に行えるため、人事や総務などバックオフィス業務の効率化に直結します。

Google Chatとカレンダーでチームの予定と連絡を一元化

メールでは埋もれがちな連絡も、Google Chatを使えば即時性をもって共有できます。さらにGoogleカレンダーと組み合わせれば、会議の予定調整からリマインド通知まで自動化が可能。チーム全体でスケジュールとコミュニケーションを一元管理できるため、抜け漏れや認識のズレを防ぐことができます。

GASでルーティン業務を自動化し、作業負担を軽減

Google Apps Script(GAS)を利用すれば、日常の繰り返し作業を自動化できます。たとえば、スプレッドシートに入力されたデータを自動で整形・集計したり、フォームの回答内容をもとに承認メールを送信したりといった処理が可能です。人の手で行う作業を減らすことで、より付加価値の高い業務に集中できるようになります。

Google Workspaceを最大限活用するためのポイント

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Google Workspaceは便利な機能が揃っていますが、ただ導入するだけでは十分な効果を得られません。最大限に活用するためには、次のポイントを押さえて運用していくことが重要です。

既存の業務フローに合わせた設計を行う

新しいツールを導入するときにありがちな失敗は、現場の業務フローに合わない仕組みを押し付けてしまうことです。Google Workspaceは柔軟性が高いため、既存のワークフローに沿って設計すればスムーズに定着します。たとえば、紙の申請書をそのままGoogleフォームに置き換えるだけでも大きな効果が期待できます。

セキュリティポリシーと運用ルールを明確化する

クラウドサービスを利用する以上、セキュリティ対策は不可欠です。アクセス権限の設定や、社外共有時のルールを明確にすることで、情報漏えいのリスクを防げます。また、ログイン方法やパスワード管理を含むポリシーを社内で徹底し、安心して利用できる基盤を整えることが大切です。

自動化や外部連携で業務効率をさらに高める

Google WorkspaceはGASを活用した自動化や、外部サービスとの連携によって効率をさらに向上できます。たとえば、SlackやCRMとの連携で通知を一元化したり、会計ソフトと連携して経費申請を自動処理したりといった応用が可能です。こうした工夫により、単なるツール利用にとどまらず、業務プロセスそのものを最適化できます。

ICではGoogle Workspace導入から運用改善まで対応します

Google Workspaceを導入しても、活用が現場に定着しなければ十分な成果は得られません。ICでは、企業ごとの業務フローや課題に合わせた設計支援から、導入時の初期設定、現場社員向けのトレーニング、さらには運用改善まで一貫してサポートしています。

豊富な導入実績とノウハウをもとに、単なるツール導入にとどまらず「働き方を変える仕組み」としてGoogle Workspaceを最大限に活用できるよう伴走いたします。

まとめ

Google Workspaceは、コミュニケーションの円滑化や業務効率の向上を実現する強力なプラットフォームです。スシロー、ファミリーマート、マイナビといった企業の事例からも分かるように、活用方法次第で生産性や働き方が大きく変わります。

導入の際は、課題の明確化から小規模導入、そして活用定着に向けた取り組みが不可欠です。自社に合った形でGoogle Workspaceを使いこなせれば、日々の業務改善だけでなく、組織全体の成長につながるでしょう。

ICでは、その実現をサポートする体制を整えています。Google Workspaceの導入や活用を検討している企業は、ぜひ一度ご相談ください。