
DAS・NAS・SANの違いは?メリット・デメリットをわかりやすく解説
企業のデータ管理に欠かせないストレージシステムには、DAS(Direct Attached Storage)、NAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)の3つの方式があります。それぞれ接続方法や用途が異なり、どのストレージを選択するかによって、業務の効率やデータの管理方法が大きく変わります。
本記事では、DAS・NAS・SANの違いをわかりやすく解説し、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。さらに、どのような企業にどのストレージが適しているのかを具体的に解説し、適切なストレージ環境の構築に役立つ情報をお届けします。
目次
- 1. DAS・NAS・SANの違い
- 2. DASとは?
- 3. DASの導入がおすすめのオフィス
- 3.1. 小規模でシンプルなデータ管理を求めるオフィス
- 3.2. 直接接続による高いパフォーマンスが必要なオフィス
- 3.3. コストを抑えたいオフィス
- 4. NASとは?
- 5. NASの導入がおすすめのオフィス
- 5.1. データ共有を効率化したいオフィス
- 5.2. リモートアクセスが必要なオフィス
- 5.3. 複数ユーザーによるアクセスを想定しているオフィス
- 6. SANとは?
- 7. SANの導入がおすすめのオフィスとは
- 7.1. 大規模で高いストレージ性能を求めるオフィス
- 7.2. 仮想化環境を運用しているオフィス
- 7.3. 高度なデータ管理が必要なオフィス
- 8. DAS・NAS・SANの導入ならICにお任せください
- 9. まとめ
DAS・NAS・SANの違い
DAS(Direct Attached Storage)、NAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)は、いずれもデータを保存・管理するためのストレージシステムですが、その構造や使用用途が異なります。それぞれの違いは以下の表の通りです。
DAS |
NAS |
SAN |
|
接続方法 |
サーバーやPCに直接接続 |
ネットワークを通じて接続 |
専用ネットワークを通じて接続 |
用途 |
小規模環境や特定のタスク向け |
中小規模のファイル共有やバックアップ向け |
大規模なデータセンターや仮想化環境向け |
拡張性 |
低い |
中程度 |
高い |
遠隔アクセス |
不可 |
可能 |
可能 |
DASは直接サーバーやコンピュータに接続するストレージ、NASはネットワークを通じてアクセスするファイルベースのストレージ、そしてSANは専用ネットワークを使用したブロックベースのストレージです。
それぞれの特性を理解することで、ビジネスのニーズに適したストレージを選択できます。
DASとは?
DAS(Direct Attached Storage)は、サーバーやPCに直接接続されるストレージシステムを指します。USB接続の外付けハードディスクや内部のHDD、SSDが代表的な例です。ネットワークを介さずにデータを管理するため、セットアップが簡単で、コストパフォーマンスに優れている点が特徴です。
DASのメリット
DASのメリットは、以下の3点です。
- シンプルな構成で導入が容易
- 遅延が発生しづらい
- コストが比較的低い
DASはサーバーやPCに直接接続するストレージであり、ネットワークの設定や専用の管理ソフトウェアが不要です。USBやSATA、SASなどのインターフェースを使用して簡単に接続できるため、特別なIT知識がなくても導入しやすいのが特徴です。特に、小規模な環境や個人利用のストレージとして適しています。
DASは直接デバイスに接続されるため、データの送受信にネットワークを介する必要がありません。そのため、ネットワーク遅延の影響を受けることなく、高速なデータアクセスが可能です。特に、大容量のデータ処理やリアルタイムの作業が求められる環境(映像編集やCAD作業など)において、高いパフォーマンスを発揮します。
また、DASはネットワーク機器や専用の管理ソフトウェアを必要としないため、初期導入費用が低く抑えられます。さらに、追加のライセンス料や複雑な保守管理が不要であり、運用コストの面でもメリットがあります。そのため、小規模な企業や個人ユーザーにとって、手軽に利用できるストレージソリューションとして適しています。
DASのデメリット
DASのデメリットは、以下の3点です。
- 拡張性に制限がある
- 管理に手間がかかることもある
- 遠隔アクセスが難しい
DASは、サーバーやPCに直接接続されるストレージであるため、接続できるデバイスの数に限りがあります。特に、複数のサーバーやユーザーが同時にデータを利用する必要がある場合、DASでは対応しきれないことが多く、拡張性に制限がある点が課題となります。
また、DASは単一のサーバーやPCに依存するため、そのデバイスが故障するとストレージ全体が使用できなくなるリスクがあります。さらに、複数のDASを運用する場合、それぞれ個別に管理しなければならず、運用負荷が高くなることもあります。特に、企業で大規模なデータを扱う場合、DASのみでの管理は煩雑になりがちです。
加えて、DASはネットワークを介さずに直接接続するストレージであるため、離れた場所からのアクセスが難しいというデメリットもあります。リモートワークや複数拠点間でのデータ共有を前提とする環境では不向きであり、より柔軟なデータ共有を求める場合はNASやSANの導入を検討する必要があります。
DASの導入がおすすめのオフィス
DASは、特定の環境において非常に有効なストレージソリューションです。特に、小規模なオフィスや特定の用途に特化した環境では、そのシンプルさやコストメリットを最大限に活かすことができます。以下のようなオフィスに適しています。
小規模でシンプルなデータ管理を求めるオフィス
DASは、ネットワーク設定や複雑な管理を必要としないため、シンプルなデータ管理を求める小規模なオフィスに適しています。例えば、従業員数が少なく、特定のPCやサーバーだけでデータを管理する場合、DASを導入することで余計なシステム構築の手間を省くことができます。個人事業主やスタートアップ企業のように、最小限のITインフラで運用したい場合にも適しています。
直接接続による高いパフォーマンスが必要なオフィス
DASはネットワークを介さず、PCやサーバーに直接接続されるため、データ転送の遅延がほとんど発生しません。そのため、高速なデータ処理が求められる環境に最適です。例えば、動画編集やCADデータの処理を行うデザイン系のオフィスでは、大容量データを頻繁にやり取りするため、DASを活用することで快適な作業環境を実現できます。
コストを抑えたいオフィス
DASは、NASやSANと比較すると導入コストが低く、特別なネットワーク機器や管理ツールが不要なため、コストを抑えたい企業にとって魅力的な選択肢となります。中小企業やコスト重視のオフィスでは、最小限の設備投資でストレージ環境を整えられるDASを導入することで、予算を他の業務に充てることができます。
NASとは?
NAS(Network Attached Storage)は、ネットワークを介して複数のデバイスからアクセスできるストレージシステムです。DASのように特定のPCやサーバーに直接接続するのではなく、LAN(ローカルエリアネットワーク)に接続することで、複数のユーザーがデータを共有できます。ファイルサーバーとしての機能を持ち、企業や家庭でのデータ共有やバックアップに広く利用されています。
NASは、専用のOSを搭載しており、アクセス制御や自動バックアップ、リモートアクセスなどの機能を備えています。特に、社内でのファイル共有やデータの一元管理を求める企業にとって、手軽に導入できるストレージソリューションとして人気があります。
NASについて詳しくは、以下の記事で詳しく解説しています。
NASとは?できることや導入方法、選び方を徹底解説
NASのメリット
NASのメリットは、以下の3点です。
- 複数のデバイスでデータを共有できる
- データのバックアップや冗長性を確保できる
- 遠隔アクセスが可能
NASはネットワーク経由でアクセスできるため、オフィス内の複数のPCやリモートワーク中の端末からも同じデータを共有・編集できます。特に、チームでの共同作業が必要な業務では、NASを利用することでスムーズなデータのやり取りが可能になります。
多くのNASはRAID(複数のHDDを組み合わせてデータの冗長性を確保する技術)を搭載しており、HDDが故障した場合でもデータを保護できます。自動バックアップ機能を持つNASも多く、定期的なデータ保全が可能です。
また、インターネットを経由して外部からNASにアクセスできる機能を持つ製品もあり、出先や自宅からでも業務データにアクセスできます。これにより、クラウドストレージのような使い方も可能となり、リモートワーク環境の強化につながります。
NASのデメリット
NASのデメリットは、以下の3点です。
- ネットワークの影響を受ける
- DASよりもコストがかかる
- 管理が必要
NASはLANを通じてデータの送受信を行うため、ネットワークの速度や負荷によってパフォーマンスが低下することがあります。特に、大容量のデータを頻繁にやり取りする環境では、ネットワークの帯域を圧迫し、速度低下が発生する可能性があります。
NASには専用のハードウェアや管理ソフトウェアが必要なため、DASと比較すると導入コストが高くなります。また、複数のHDDを搭載する場合は、それに応じたコストも増加します。小規模なオフィスや個人利用の場合、コスト面での負担がネックになることがあります。
NASは独自のOSを搭載しており、定期的なファームウェアの更新やアクセス権の管理など、一定の運用管理が必要になります。特に外部アクセスを許可する場合、適切なセキュリティ対策を講じないと、データの漏えいや不正アクセスのリスクが高まります。
NASの導入がおすすめのオフィス
NASは、ネットワークを活用してデータを効率的に共有・管理することが可能なストレージソリューションです。特に、以下のような環境やニーズを持つオフィスに適しています。
データ共有を効率化したいオフィス
NASは、ネットワークを通じて複数のデバイス間でデータを共有できるため、チームでの共同作業を行うオフィスに最適です。例えば、プロジェクト単位でファイルを管理する場合、NASを導入することで、すべてのメンバーが必要なデータに迅速にアクセスできます。また、バージョン管理機能を持つNASを利用すれば、編集履歴の確認や誤った変更の復元も可能です。
リモートアクセスが必要なオフィス
リモートワークが浸透している現代のオフィスでは、外部からデータにアクセスできる環境が求められています。NASは、インターネットを経由して外出先や自宅からでもデータを利用できるため、リモートワークを導入している企業に最適です。例えば、クラウドストレージのような使い方をすることで、オフィス内外を問わずスムーズな業務遂行が可能になります。
複数ユーザーによるアクセスを想定しているオフィス
NASは複数ユーザーによる同時アクセスを前提とした設計になっているため、部署間でデータを共有したり、複数のプロジェクトを並行して進める環境に適しています。また、ユーザー権限を細かく設定できるため、特定の部署やメンバーのみにアクセスを制限することも可能です。これにより、データのセキュリティを保ちながら柔軟な運用が実現します。
SANとは?
SAN(Storage Area Network)は、ストレージ専用のネットワークを構築し、複数のサーバーがブロック単位でストレージを共有できるシステムです。DASやNASと異なり、高速で安定したデータ転送が可能で、大規模な企業やデータセンター、仮想化環境などに導入されることが一般的です。SANは通常、光ファイバーやiSCSI(Internet Small Computer System Interface)を使用して接続され、ネットワーク全体のストレージリソースを統合して効率的に管理できます。
SANのメリット
SANのメリットは、以下の3点です。
- 高いパフォーマンスと低遅延
- 大規模なストレージの統合管理が可能
- 高い可用性と拡張性
SANはストレージ専用の高速ネットワークを使用するため、一般的なLANを使用するNASと比べてデータ転送速度が大幅に向上します。特に、光ファイバー接続を利用したSANでは、大容量データの転送やデータベースの処理をスムーズに行うことができます。また、ネットワークの混雑による遅延が少なく、リアルタイムでの処理が求められるシステムに適しています。
SANは複数のストレージを統合して管理できるため、企業全体でのデータ運用がしやすくなります。例えば、異なるサーバーが同じストレージプールを共有できるため、ストレージリソースを効率的に活用できます。これにより、データの一元管理が可能となり、管理の手間を大幅に削減できます。
SANは冗長構成を組むことが可能で、ストレージ機器の障害時にもシステム全体のダウンタイムを最小限に抑えられます。また、ストレージ容量を容易に拡張できるため、企業の成長に応じた柔軟な対応が可能です。特に、仮想化環境やクラウド基盤を活用する企業にとって、SANの拡張性は大きなメリットとなります。
SANのデメリット
SANのデメリットは、以下の3点です。
- 導入・運用コストが高い
- 管理が複雑で専門知識が必要
- 小規模環境ではオーバースペックになりやすい
SANの構築には、専用のハードウェア(ファイバーチャネルスイッチやストレージアレイなど)や高速なネットワークインフラが必要となるため、DASやNASと比較すると導入コストが高額になります。また、運用にかかるコストも大きく、企業がSANを導入する際には、費用対効果を十分に検討する必要があります。
SANは高度なストレージネットワーク技術を利用しているため、導入・運用には専門知識が求められます。ストレージ管理者やネットワークエンジニアが必要になる場合が多く、中小企業やITリソースが限られている企業にとっては、管理の負担が大きくなる可能性があります。
SANは、大規模なデータ処理や仮想化環境に適したストレージソリューションであり、一般的な中小企業や個人事業主の環境では必要以上に高度なシステムとなることがあります。そのため、小規模な環境ではDASやNASと比較して過剰な設備投資となりやすく、適切なストレージソリューションを選択することが重要です。
SANの導入がおすすめのオフィスとは
SANは、大規模なストレージ環境を必要とする企業や、高速なデータ処理が求められる業務に最適なストレージソリューションです。特に、大規模なデータを取り扱う企業や仮想化環境を運用する企業にとって、その高いパフォーマンスと拡張性が大きなメリットとなります。以下のようなオフィス環境において、SANの導入が推奨されます。
大規模で高いストレージ性能を求めるオフィス
SANは、ストレージ専用の高速ネットワークを利用するため、大規模なデータ処理やリアルタイムでのデータアクセスが求められる環境に適しています。特に、データベースを大量に扱う企業や、ビッグデータ解析を行う企業では、SANの高速なデータ転送と低遅延のメリットを活かすことができます。また、ストレージ容量の拡張が容易であるため、データ量が急激に増加する可能性がある企業にとっても、長期的な運用がしやすい選択肢となります。
仮想化環境を運用しているオフィス
仮想化環境では、複数の仮想マシンが一つのストレージリソースを共有するため、高速で安定したストレージネットワークが求められます。SANは、ブロックレベルでストレージを提供するため、仮想マシンのパフォーマンスを最大限に引き出すことが可能です。VMwareやHyper-Vなどの仮想化プラットフォームを利用している企業では、SANを導入することで、仮想マシンの管理が容易になり、リソースの最適化が図れます。
高度なデータ管理が必要なオフィス
企業によっては、データの可用性やセキュリティを確保するために、より高度なストレージ管理が求められます。SANは、RAID構成や冗長化機能を活用することで、高い可用性を実現できます。また、障害時の迅速な復旧や、ストレージの柔軟なリソース配分が可能なため、金融機関や医療機関など、ミッションクリティカルなデータを扱う企業にも適しています。
DAS・NAS・SANの導入ならICにお任せください
引用元:システム開発のIC
DAS・NAS・SANのどのストレージを導入すべきか悩んでいる場合は、ICにご相談ください。企業の業務環境やデータ運用の課題を丁寧にヒアリングし、最適なストレージソリューションをご提案いたします。
ICは、システム開発やITインフラ構築に豊富な実績を持ち、企業のストレージ導入・運用をトータルでサポート可能です。DASのシンプルなストレージ環境の構築から、NASを活用したデータ共有の最適化、SANによる高度なデータ管理まで、幅広いニーズに対応いたします。
また、導入後の運用支援やトラブル対応もお任せください。ストレージの選定・導入だけでなく、運用管理やセキュリティ対策まで含めた総合的なサポートをご提供します。
ストレージ環境の最適化をお考えの方は、ぜひシステム開発のICにお問い合わせください。
まとめ
DAS・NAS・SANは、それぞれ異なる特性を持ち、導入環境や用途によって適したストレージが異なります。
DASは、小規模な環境やシンプルなデータ管理を求めるオフィスに適しており、低コストで導入できる点が魅力です。
NASは、ネットワークを活用して複数のデバイスでデータ共有を行う企業に最適で、リモートアクセスやバックアップ機能も充実しています。
SANは、大規模なデータ処理や仮想化環境、高度なデータ管理を必要とする企業に適しており、高速なデータアクセスと拡張性を備えています。
それぞれのストレージにはメリット・デメリットがあり、適切な選択をすることで業務の効率化やデータ管理の最適化が実現できます。
ストレージ環境の構築や導入に関してお悩みの方は、ICが最適なソリューションをご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。
前の記事

ファイルサーバーとは?NASとの違いや導入方法をご紹介
次の記事

業務プロセスを可視化する方法|改善方法や可視化のメリットを紹介