プロジェクト成功の裏側にある「真の要件定義」と「お客様との対話」

プロジェクト成功の裏側にある「真の要件定義」と「お客様との対話」

大手金融機関におけるAML(アンチマネーロンダリング)システムの刷新プロジェクトにおいて、既存SASシステムから最新パッケージ「SAS Viya」への移行を支援しました。
停滞していた要件定義をリードし、お客様との密接な対話を重ねながら「真の要件」を明確化。設計以降の工程を円滑に進め、信頼関係の構築と業務理解を強みに、システム刷新を推進しました。

この記事に含まれる内容
  1. #技術者インタビュー
  2. #SAS
  3. #システム刷新

    #システム開発

プロジェクト概要

  • 業種        : 金融業
  • 対象領域      : IT部門
  • ソリューション   : システム刷新、プロジェクトマネジメント
  • 活用したプロダクト: SAP
  • 実施期間      : 2022年11月~
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課 題

既存AMLシステムのサポート終了に伴い、新パッケージへの移行が必要となったが、要件定義の停滞によりプロジェクトが進まず、膨大なデータ移行も課題となっていた。

解 決 策

新SASパッケージの仕様を徹底的に理解し、お客様との直接対話を重ねることで「真の要件」を引き出し、会議体で方向性を具体化しながらプロジェクトを推進。

効 果

停滞していた要件定義が進展し、設計フェーズの合意形成が円滑化。お客様からの高評価と強固な信頼を獲得し、システム刷新プロジェクトが円滑に進行。

Interview (1)

金融業における、既存システムの刷新業務を行ったK氏に詳しいお話を伺いました。


プロジェクトの背景

案件を成功させるための人材として大規模なプロジェクトに抜擢

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プロジェクト概要

​​本プロジェクトは、大手金融機関におけるAML(アンチマネーロンダリング)業務で利用されている既存システムの刷新です。AML業務は、不正な資金洗浄を防ぐため、顧客の不自然な入出金パターンを検知し、報告する重要な仕組みです。

既存のAMLシステムは、SASパッケージを利用していましたが、開発元によるサポート終了や大規模なアップデートに伴い、新たなSASパッケージ(「SAS Viya」と呼ばれる最新版)への移行が必要となりました。これは、継続的なシステム進化の一環として行われるものです

プロジェクトの流れ

​​プロジェクトの期間は長期にわたり、2022年11月の要件定義から始まり、2026年6月の本番運用開始を予定しています。現在(2025年8月インタビュー時点)はシステムテストの最終段階にあり、億を超える膨大な量の取引データの移行作業が継続して行われています。このデータ移行はシステム開発の完了後も約1年間続く見込みであり、プロジェクト全体の規模の大きさを象徴しています。

ICでは、この大規模プロジェクトを成功させるための、具体的な状況を推進できる人材として参画を依頼されました。これは、ICが以前関わった開発プロジェクトで高く評価された実績によるものです

プロジェクトのポイント

お客様との関係性構築と深いシステム理解で円滑なプロジェクト進行を

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このプロジェクトにおける大きな挑戦と、それを乗り越えるための重要なポイントは以下の通りです。

• 停滞した要件定義の主導を任される:プロジェクト開始当初、要件定義は本来、他の部隊が担当する予定でした。しかし、その進捗が滞り、プロジェクト全体が動き出せずにいました。このような状況の中、我々の部隊が要件定義を主導する形でプロジェクトを前に進めることになりました。

• 新パッケージ仕様の徹底的な理解:要件定義をリードする上で最も大変だったのは、導入する新しいSASパッケージの仕様を徹底的に検証し、理解することでした。新旧のパッケージは単なるバージョンアップではなく、「全く違う」と言えるほど大幅に変化しており、約3ヵ月間をかけて集中的に新パッケージ仕様を学び込みました。深い知識が、お客様との具体的な要件調整に不可欠だと考えたからです。

• お客様との密接な関係性構築と直接対話: 停滞していた要件定義を動かすため、新パッケージの知識を活かして、お客様の業務を最も理解している担当者を巻き込み、毎週会議を設定しました。これにより、お客様の「真の要件」を直接ヒアリングし、具体的な業務として何を達成したいのかを把握することができました。

• 対話を通じたシステム設計の具体化:通常、システム開発ではお客様との対話は要件定義フェーズのみで限定的になりがちですが、本プロジェクトでは継続的なコミュニケーションルートを確保しました。お客様から直接要望を聞き、その場で新パッケージで実現可能なことを示したり、画面イメージを共有したりすることで、お客様が「これだ!」と納得できる具体的なシステム像を明確にしていきました。プロジェクトマネージャーからも信頼を受け、主要な会議体でメインスピーカーとして会議をリードする役割にも抜擢されました。

プロジェクトの効果

お客様のニーズを汲み取り、具体的なシステム構築の方向性が明確化

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チームの努力は、プロジェクトに以下のような効果をもたらしました。

• 「真の要件定義」の実現:停滞していた要件定義が動き出し、お客様より「真の要件定義が始まりましたね!」と嬉しい言葉をいただき、システムの具体的な姿が明確になりました。これは、単に与えられた要件をこなすのではなく、お客様の業務に寄り添い、本当に必要とされている機能を掘り起こした結果です。

• 設計フェーズの円滑化:要件定義の段階でお客様との具体的な対話と合意形成がしっかり行われたことで、その後の基本設計から詳細設計のフェーズが非常にスムーズに進みました。お客様の期待と実際のシステム機能の間にずれが生じにくく、手戻りが大幅に削減されました。

• プロジェクト全体の推進力向上:強固な信頼関係とコミュニケーションラインが構築されたことで、プロジェクトは大きな推進力を得ました。これにより、システム構築が円滑に進み、当初の課題が解決へと向かいました。

このプロジェクトを通して

お客様の生の声を聞きながらシステムを構築していくプロセスに大きな「楽しさ」と「やりがい」を感じています。単に指示されたことをこなすのではなく、「気持ちのこもった仕事」をすること、つまりユーザーが本当に使いやすいシステムを追求することが、システム開発の成功とチームのモチベーションにとって重要であると考えています。

 

※記載されている会社名、製品名およびサービス名は、各社の登録商標または商標です。

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