運輸業における基幹システムの刷新プロジェクト

運輸業における基幹システムの刷新プロジェクト

スマートフォン向けサービスを提供する企業に対し、システムの老朽化対応と機能拡張を目的とした技術支援を実施しました。

サーバOSのサポート終了に備えたインフラ刷新に加え、利便性向上を目指した機能追加も求められる中、基本設計から移行計画、運用設計、セキュリティ強化までを担当。関係各所との調整も含め、プロジェクトの中核を担いました。

この記事に含まれる内容
  1. #技術者インタビュー
  2. #インフラ刷新
  3. #セキュリティ強化
  4. #システム老朽化対応

プロジェクト概要

  • 業種        : 運輸業
  • 対象領域      : IT部門
  • ソリューション   : 基幹システム刷新、非機能要件の最適化
  • 活用したプロダクト: Microsoft Windows、Active Directory
  • 実施期間      : 2023年3月~2026年9月(予定)
interview18
課 題

サーバOSのサポート期限切れに伴う老朽システムのリプレイスと、利用者増加を見据えた機能拡充の必要性。

解 決 策

インフラ領域における基本設計から運用設計、保守、移行計画までをICチームが一貫して対応。非機能要件の課題に対しても主体的に提案・改善。

効 果

セキュリティ・保守性を含めた全体的なインフラ品質向上。技術支援だけでなくコミュニケーション面でも価値を提供。

Interview (1)

運輸業における、「サービス基幹システムの刷新」業務を行ったK氏に詳しいお話を伺いました。


プロジェクトの背景

システムの老朽化対応とモバイルサービスの新機能開発

今回ご依頼いただきました企業様では、モバイル向けサービスシステムにおいて稼働中のサーバOSがサポート期限を迎えることから、安定運用を維持するための老朽機器の刷新が急務となっていました。
さらにこのタイミングを活かし、機能拡張や新規施策を盛り込むことで、会員数やサービス利用者のさらなる拡大を目指す方針も掲げられており、システム刷新と並行して将来の成長を支える基盤整備が求められていました。

 

プロジェクト概要

本プロジェクトは、モバイル向けサービスシステム刷新および機能拡張を目的とした大規模開発案件として進行中です。対象となるアプリケーションは、決済機能に対応したスマートフォン上での機能を提供するもので、利便性の高いモバイルサービスとして多くのユーザーに利用されています。プロジェクトは、機能開発とシステム老朽化への対応の2つを軸に進行しています。機能開発では、ユーザーの多様なニーズに対応するためのアプリ改善、たとえばジェンダーレス表示対応や操作性向上など、ユーザーエクスペリエンスの向上を重視した改修が行われます。一方、システムリプレイスでは、サーバ群の保守期限切れに備えた機器更新や、後継ソフトウェアの選定、ライセンスの確認・見積もり、ミドルウェア設計・構築、さらには非機能要件を満たすための試験までを含む包括的な刷新対応を実施しています。

プロジェクトの流れ

2023.03~  要件定義
2023.08~  基本設計
2024.03~  機器調達・インフラ設計
2025.02~  アプリ製造・単体試験
2025.07~  アプリ結合試験

プロジェクトのポイント

包括的な立場でプロジェクトを滞りなく進行

私たちICチームには、主にITインフラにおける基本設計から運用設計、保守設計、移行計画、環境構築、障害対応と幅広い範囲が求められました。
関係各所との調整の牽引をはじめ、開発期間ではハードウェア部門やネットワーク部門へ要件を伝えるなど、部門を越えた包括的な立場でのプロジェクト進行も担いました。

非機能要件と保守性に関する計画の明確化と強化

本プロジェクトにおける大きなポイントは、非機能要件、特にセキュリティや保守性に関する設計の明確化と強化です。
多くのインフラ案件では、非機能領域は定量的な要件や明確な指針が曖昧なまま進行することが少なくありません。
本プロジェクトでも同様の傾向が見受けられましたが、ICは現行システムの設計調査や現場の運用担当者との対話を通じて、課題を明確化。Active Directoryによるグループポリシー設計やFirewallのルール設定など、具体的な改善点を自ら抽出し、システムの信頼性向上に向けた提案を積極的に行いました。
さらに、Microsoft Security Baselineや業界のベストプラクティスを参照しながら、根拠に基づいた設計方針を提示。お客様に対する丁寧な説明を通じて承認を得た上で、最小限の原則やセキュリティゾーンの考慮といったセキュリティ設計を実装しました。
これにより、将来の運用や障害対応時にもブレのない対応が可能となり、インフラ基盤としての品質向上に大きく貢献しました。

システム設計以外でのプロジェクト推進への取り組み

こうした設計上の取り組みに加え、実際のプロジェクト推進においては、関係各所との調整やエンドユーザへの説明対応など、技術以外の面でも多くの課題が伴いました。
特に、予算の折り合いや作業負担の分担、そして取り組みの意義・効果に対する理解を得るには相応の時間と工夫が必要でした。ICでは、単に技術内容を伝えるのではなく、予算内訳や導入技術の背景、想定されるメリット・デメリットなどを丁寧に言語化および資料化し、誠意をもって説明することを徹底。結果としてお客様からの信頼を得ることにもつながりました。
また、こうした取り組みは、単なる一時的な対応に留まらず、ICが“顧客と共に課題を乗り越えるパートナー”になる機会にもなりました。
こうした価値提供を大切にしながら、今後もお客様にとって必要不可欠な存在であり続けることを目指しています。

プロジェクトの効果

インフラ基盤としての品質向上とともに、付加価値の提供でお客様満足度向上に寄与

本プロジェクトでは、今まで見てきたような対応を行い、「以前よりも確実に良いシステムになった」とお客様から高い評価をいただいております。

価値提供がお客様積極的な改善提案と誠意を持った対応で信頼につながる

特に非機能領域については目立ちづらいながらも、システムの安定性や将来的な保守性に直結する重要な要素です。
今回、セキュリティ設計の明確化や現場調整の工夫により、見えない部分での品質向上を実現できたことは大きな成果でした。なかでも、移行設計時に作成した「切替概要書」は、「非常にわかりやすく、私たちのバイブルになりました」とのお言葉をいただき、技術支援だけでなくコミュニケーション面でも価値を提供できたと実感しています。
こうした誠実な取組みの積み重ねが、お客様との信頼構築につながり、ひいては持続可能な関係の礎となります。

ICでは、今後もお客様と共に最適なソリューションを提供してまいります。ITインフラの解決方法に迷っている方は、ぜひ一度株式会社ICにご相談ください。

 

※記載されている会社名、製品名およびサービス名は、各社の登録商標または商標です。

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