大手建設機械企業におけるジョブ実行業務の自動化

大手建設機械企業におけるジョブ実行業務の自動化

大手建設機械企業におけるジョブ実行業務の自動化プロジェクト。

大手建設機械企業では、基幹システムを刷新するタイミングに合わせてジョブ管理基盤を導入しましたが、再実行依頼などが重なると対応が難しい状況が度々発生。順次、他の既存システムも基盤に乗せていく予定でしたが、現状のままでは継続対応は難しいと考え、オペレーターが担う単純作業の自動化を進めることとなりました。

この記事に含まれる内容
  1. #技術者インタビュー
  2. #BizRobo!
  3. #工数削減
  4. #業務改善

プロジェクト概要

  • 業種        : 機械・プラント
  • 対象領域      : 事務(バックオフィス)、品質管理、IT部門
  • ソリューション   : RPA、 ITインフラ運用・保守
  • 活用したプロダクト : BizRobo!
  • 実施期間      : 1年以上
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課 題

複数システムで発生する膨大なジョブの対応と、増大するオペレーターの作業量とコストの抑制。

解 決 策

RPA導入によりオペレーターの単純作業を自動化。ワークフロー承認をトリガーにすることで責任者を明確化し、お客様が気にかけていた懸念点も解消。

効 果

オペレーターの作業量とコストの大幅削減に成功し、将来的なコスト増加も未然に防止。

Interview (1)

大手建設機械企業におけるジョブ実行業務の自動化プロジェクトを行ったS氏に詳しいお話を伺いました。


プロジェクト背景

ジョブ実行業務の逼迫とコスト増加の危機

大手建設機械企業では基幹システムの刷新に伴い、ジョブを適正に管理するためのジョブ管理基盤を導入しました。その後、ジョブの実行や監視等はオペレーターが担当していましたが、ジョブの再実行依頼などが重なると対応しきれないケースが多々発生していました。

詳しいプロジェクト内容

お客様企業内では、1日あたり1システムで約1万件のジョブが発生しており、複数システムともなると数万件のジョブを捌かなくてはならない状況でした。そのうちエラー件数は依頼が来た分だけでも3,000件程、ジョブ管理基盤を開始・刷新してしばらく経っても1日600~800件程発生していました。

基幹システム刷新時に導入したジョブ管理基盤を他のシステムにも随時採用する予定でしたが、現状では1つのシステムだけでも、ジョブ実行を行うオペレーターの対応がひっ迫していました。加えて、外部委託している企業との契約上、オペレーターの作業量に比例して支払コストが増加するため、これ以上、作業が増加することはコスト的に困難でした。

このような状況から、今後他の既存システムをジョブ管理基盤に載せていく場合、現状の対応では大幅なコスト増は避けられないと考え、オペレーターが行う単純作業を自動化することにしました。

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プロジェクトのポイント

RPA導入でジョブ実行業務を自動化し、効率化を実現

お客様企業のジョブ管理基盤を中心とするジョブ管理業務は、3チームに分かれており、その中のオペレーターチームの単純作業を自動化することが目的でした。

ジョブ実行の責任が不明確になる課題

ジョブ管理基盤を中心とするジョブ管理業務は、下記3チームによって実施されています。

・ジョブを使ってプログラムを行う開発チーム
・ジョブ領域を管理・取りまとめを行うチーム
・ジョブを実行するオペレーターのチーム

今回の自動化の対象は、オペレーターが行うジョブ実行業務全般でした。
具体的には、ジョブの実行・保留・登録解除など、これまでオペレーターが手順通りに行っていた単純作業をRPAが行えるようにしました。

ICの提案でRPA使用への不安も解消

ジョブ実行業務を自動化するにあたり、最も時間をかけたのはお客様と相談しながらRPAの使用ルールを定めていくフェーズでした。例えば、どのように依頼をかけるか、誰が処理するのか、RPAに対応出来ない例外はないか等を、慎重に定義していきました。
中でも特にお客様が気にかけていたことは、「各個人の依頼に対し、誰が責任を持つのか」という点でした。
ジョブを自動化すると、誰がジョブを実行し、承認したのかが不明確になるという課題がありました。

そこでICが提案したのが、RPAのトリガーを「ワークフローの作成・承認」に設定することです。まず、お客様企業内で使用されていた既存のワークフローシステムを使用し、ジョブ管理専用の承認フローを作成しました。
RPAは、ワークフローが作成された時点で起動します。次に申請内容をパラメーターに起こし、承認者名と共に記録を残します。
その後、指定された承認者が承認したことをきっかけにジョブが実行されます。
この方式により、ジョブ実行を自動化しても、承認者=責任者を明確にした状態で申請内容を残せるようになりました。この「新たにワークフローを作成する」という発想により、お客様のRPA使用への不安も解消され、無事に自動化を進めることが出来ました。

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プロジェクトの効果

ジョブ実行業務の自動化で大幅なコスト削減を達成

RPA導入後、これまで毎日フル稼働していたオペレーターは、例外対応を週1.2件ほど行うのみとなり、大幅な工数削減とコスト削減が実現しました。同時に、今後予想されていたオペレーターの作業量増加による支払コスト増を未然に防ぐこともできました。これらは、お客様に非常にお喜びいただけました。 

今後について

企業システムにおいて、ジョブの安定稼働は必要不可欠です。ジョブ管理システムを導入するだけでなく、RPAの活用により更なるコスト削減が可能となります。ジョブ管理における作業コストにお悩みの方は、ぜひ一度ICにお問い合わせください。

 

今回インタビューしたS氏について

学生時代は情報社会への転換期だったこともあり、「これからはITが社会で重要な存在になる」と思ったS氏は技術者の道に。IC入社後は、オペレーター業務で24時間体制の監視業務などを行い、幅広いシステムで経験を積みました。近年、物理から仮想、クラウドと技術がハイスピードで変化し大変ですが、変化を楽しみつつ、ITインフラ業務を続けていきたいそう。

 

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※記載されている会社名、製品名およびサービス名は、各社の登録商標または商標です。

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