サーバー仮想化とは?物理サーバーとの違いやメリットについて解説!

サーバー仮想化とは?物理サーバーとの違いやメリットについて解説!


サーバー仮想化とは、1つの物理サーバーを複数の仮想サーバーに分け、それぞれ運用できるようにすることです。コスト削減や運用負担の軽減などのメリットが期待できます。今回は、サーバーの仮想化を検討している方に向けて、仮想化の方法やメリット、導入が効果的なケースなどについて解説します。

 

目次[非表示]

  1. 1.サーバー仮想化とは
  2. 2.物理サーバーとの違い
  3. 3.サーバー仮想化をする方法
    1. 3.1.ホストOS型
    2. 3.2.ハイパーバイザー型
  4. 4.サーバー仮想化のメリット
    1. 4.1.設置スペースを削減できる
    2. 4.2.コスト削減ができる
    3. 4.3.BCP(災害対策)ができる
    4. 4.4.運用効率が向上する
    5. 4.5.旧OSのサポートができる
  5. 5.サーバー仮想化のデメリット
    1. 5.1.専門知識が必要
    2. 5.2.小規模だと割高になる
    3. 5.3.障害発生時の影響範囲が広くなってしまう可能性がある
  6. 6.サーバー仮想化を使えるケース
    1. 6.1複数台のサーバーを運用しているケース
    2. 6.2サーバーの更新・導入を時短したいケース
    3. 6.3古いサーバーのシステムをそのまま使用したいケース
  7. 7.まとめ

 

サーバー仮想化とは

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サーバー仮想化とは、1台の物理サーバーを複数の仮想サーバーに分け、それぞれの仮想サーバーを独立したコンピュータのように使えるようにすることです。実際のサーバーは1台ですが、それぞれの仮想サーバーでOSやアプリケーションを実行させられるため、ユーザーからは複数のサーバーを運用しているように見えます。

サーバーを追加したい場合も、ハードウェアを新たに導入する必要がありません。そのほかにも多くのメリットがあり、多くの企業に活用されています。

 

 

物理サーバーとの違い

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物理サーバーと仮想サーバーの違いは、物理的なハードウェア環境があるかどうかです。

物理サーバーは、実際に存在する独立したサーバーであり、CPUやメモリといったハードウェア環境を持ちます。1台につき、1つの環境しか構築できません。

一方で仮想サーバーは、物理サーバーを複数の環境に分割したものです。物理サーバーのリソースが割り当てられており、物理的なハードウェア環境を持つわけではありません。

 

 

サーバー仮想化をする方法

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サーバーを仮想化する方法には、以下の2つがあります。

  • ホストOS型

  • ハイパーバイザー型 

主流なのはハイパーバイザー型ですが、個人利用や教育目的では、手軽なホストOS型が採用されることが多いです。

それぞれにメリットとデメリットがあるため、自社に適した方法を採用しましょう。

ここでは、サーバー仮想化の2つの方法について、メリットやデメリットとともに解説します。

 

ホストOS型

ホストOS型とは、ホストとなるOS上に仮想化するためのソフトウェアをインストールし、その上で仮想マシンを使ってゲストOSを運用する方法です。ホストOSをWindowsにしてゲストOSとしてMacを運用する、という使い方ができます。

ホストOS型で使われる仮想化アプリケーションの種類は、以下のとおりです。

  • VMware Player
  • VMware Workstation
  • VMware Fusion
  • Oracle VirtualBox

ホストOS型には、サーバー仮想化を手軽に実現できるというメリットがあります。一方、ハードウェアにアクセスする際にホストOSを経由する必要があり、ハイパーバイザー型
に比べると処理速度が遅いのが難点です。

 

ハイパーバイザー型

ハイパーバイザー型は、ハイパーバイザーという仮想化ソフトウェアを用いる方法です。ホストOSが不要で、物理サーバーにハイパーバイザーをインストールすることによって複数のゲストOSを運用できます。

ハイパーバイザー型で使われる仮想化アプリケーションの種類は、以下のとおりです。

  • VMware vSphere
  • Xen
  • KVM
  • Hyper-V

ハイパーバイザー型は、ホストOSを必要としないため、処理速度を向上させられるのが特長です。しかしながらハイパーバイザーをインストールする必要があり、既存のOSを利用できるわけでもないため、手軽な方法とはいえません。

 

 

サーバー仮想化のメリット

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サーバー仮想化には、以下のようにさまざまなメリットがあり、多くの企業に活用されています。サーバーの運用や保守管理にかかるコストに悩んでいる企業や、運用効率に課題を抱えている企業には、サーバー仮想化の導入がおすすめです。

以下では、サーバー仮想化の5つのメリットを解説します。

  •  設置スペースを削減できる
  • コスト削減ができる
  • BCP(災害対策)ができる
  • 運用効率が向上する
  • 旧OSのサポートができる

 

設置スペースを削減できる

サーバー仮想化によって、サーバーを何台も設置する必要がなくなり、設置スペースを削減できます。

物理サーバーを設置するためには、ラックや電源を用意しなければなりません。台数が増えれば、サーバールームを増設する必要も出てくるでしょう。

サーバーを仮想化することで物理サーバーの台数を減らせるため、広い設置スペースを用意する必要がなくなります。

 

コスト削減ができる

物理サーバーの台数が減ることで、ハードウェアの保守費用やサポート費、電力や管理リソースなどのコストを削減できるのもメリットです。

これまでデータセンターの共同スペースにサーバを設置していた場合は、コロケーションにかかっていた多額のコストも不要となり、大幅なコスト削減につながります。

サーバーの購入台数も減らせるため、投資コストの削減も可能です。

 

BCP(災害対策)ができる

サーバーを仮想化することで、災害によってメインサイトで業務の継続が困難になった場合でも、早期に業務を再開できます。バックアップサイトの仮想化環境に仮想サーバーのシステムやデータをコピーすることで、これまでと同じシステム環境をスムーズに構築できるという仕組みです。

緊急事態が発生しても、すみやかに事業の継続や早期復旧を実現するためには、サービスを仮想化しておきましょう。

 

運用効率が向上する

サーバー仮想化により、物理サーバーの台数を減らせるほか、サーバーリソースを有効活用できるようになるため、運用効率が向上します。

特に、サーバーリソースの有効活用が実現するのは大きな魅力です。部署や部門ごとに物理サーバーを使い分けている場合、リソース過多になる傾向にあります。チーム数が増えれば、それぞれのリソースが大幅に余っているにもかかわらず、物理サーバーの数を増やさなければなりません。

仮想サーバーによって複数台のサーバーを1台に集約できれば、運用効率の向上につながります。

 

旧OSのサポートができる

仮想サーバーを利用することで、旧OSをそのまま利用できるのもメリットです。

通常、旧OSのサポート終了に伴ってOSをアップデートすると、新しいOSに対応していないシステムやアプリケーションは使えなくなります。OSを移行するたびに、新たにシステムやアプリケーションを開発しなおさなければならないのは、大きな手間です。

仮想サーバーならば複数のサーバーを運用できるため、旧OSを稼働し続けられます。OSのサポートが終了した後でも、以前のシステムを継続して利用できるのが魅力です。

 

 

サーバー仮想化のデメリット

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上記のように多くのメリットがあるサーバー仮想化ですが、以下のようにデメリットも存在します。

  • 専門知識が必要
  • 小規模だと割高になる
  • 障害発生時の影響範囲が広くなってしまう可能性がある

 デメリットも理解したうえでで、サーバー仮想化を導入するかどうかを検討することが大切です。以下では、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

 

専門知識が必要

仮想サーバーを導入し、運用するためには専門知識が必要です。物理サーバーの運用とは異なる知識が求められるため、社内では対応しきれないケースも少なくありません。仮想サーバーへの知見が深い人材を新たに獲得する場合は、人材確保のためのコストがかかります。

必要に応じて、外部のIT事業者や人材に委託することも検討しましょう。

 

小規模だと割高になる

もともと小規模な環境で物理サーバーを運用している場合は、サーバーの仮想化によってかえって割高になってしまうことがあります。

サーバー仮想化によるコスト削減メリットを存分に発揮できるのは、多数の物理サーバーを利用している場合です。少ない物理サーバーで運用できている場合は、サーバー仮想化に必要なソフトウェアの導入やストレージ費用によって、割高になる恐れがあります。

 

障害発生時の影響範囲が広くなってしまう可能性がある

サーバー仮想化によって、障害発生時の影響範囲が広くなってしまう可能性がある点は見逃せません。

サーバー仮想化では、ベースとなる1つの物理サーバーの上で複数のゲストOSを動かします。物理サーバーに障害が発生すると、OS全体が利用できなくなり、甚大な影響を受ける可能性が高いです。

障害発生時の影響範囲を事前に予測し、対策しておきましょう。

 

 

サーバー仮想化を使えるケース

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サーバー仮想化にはデメリットもあるため、すべてのケースで導入が適しているとはいえません。導入にあたって、仮想化によるメリットがデメリットを上回るのかどうかを検討する必要があります。

以下では、サーバー仮想化が役立つ次の3つのケースを具体的に見ていきましょう。

  • 複数台のサーバーを運用しているケース

  • サーバーの更新・導入を時短したいケース

  • 古いサーバーのシステムをそのまま使用したいケース

 

複数台のサーバーを運用しているケース

現時点で複数台のサーバーを運用している場合は、サーバー仮想化の導入がおすすめです。サーバー仮想化によってサーバーを統合できるため、物理サーバーの設置スペース削減や、リソースの有効活用といった多くのメリットを享受できます。

サーバー運用にかかっているコストを計算し、仮想サーバー導入後のコストと比較検討しましょう。

 

サーバーの更新・導入を時短したいケース

サーバーの更新や導入にかかる時間を短縮したい場合も、サーバー仮想化が適しています。

サーバーをはじめとするハードウェアを新たに調達する際は、注文してすぐに届くとは限りません。海外から届く場合もあり、納品までには時間がかかります。納品後もセットアップに時間を要するため、すぐに利用できるわけではありません。

仮想サーバーを導入することで、ハードウェアの調達が必要なく、Web上でサーバーの立ち上げやセットアップが完了します。

 

古いサーバーのシステムをそのまま使用したいケース

サーバー仮想化は、旧サーバーに対応したシステムを使い続けたいケースでも役立ちます。サーバーを使い続けると処理能力が低下したり、将来的にハードウェア障害につながったりするリスクが否めません。

サーバー仮想化ならば、古いサーバー上のシステムを新しいハードウェアに移行することで継続して運用できます。システムをそのまま利用しながら処理能力を向上させたり、障害リスクを軽減できたりするのが魅力です。

 

 

まとめ

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サーバー仮想化を活用することで、サーバーの稼働台数を減らせ、コスト削減やサーバー運用の効率化につながります。特に、現在サーバーを複数台稼働させており、運用や保守にかかるコストに悩んでいる企業には、サーバー仮想化がおすすめです。

サーバー仮想化を実現するためには、仮想サーバーへの知識を持った人材確保が欠かせません。ITに詳しい人材不足に悩んでいる方は、ぜひとも当社にお問い合わせください。