受託開発と自社開発の違いとは?メリット・デメリットや受託開発を依頼する流れを紹介

受託開発と自社開発の違いとは?メリット・デメリットや受託開発を依頼する流れを紹介

システム開発を検討しているご担当者の中には、開発の外注を検討している方もいるのではないでしょうか。システム開発は、大きく受託開発と自社開発の2つに分かれます。両者は似ているようで全く異なる開発です。

この記事では、受託開発と自社開発の違い、それぞれのメリットデメリット、受託開発を依頼する場合の流れまで詳しく解説します。

 

受託開発と自社開発の違いとは?

受託開発と自社開発は似ているようで全く異なります。ここでは、それぞれの目的の違いなどを詳しく解説していきます。

受託開発

受託開発とは、システム開発会社がクライアントから依頼を受けて、ソフトウェアやシステムの開発を行うことです。受託開発においては、企業は自社のニーズではなく、クライアントの要求を満たすためのソリューションを提供するという点が特徴です。開発プロセスは、システム開発会社が管理しクライアントの要件や期限に従ってプロジェクトを実行します。

受託開発の詳しい内容については、以下の記事で詳しく解説しています。

自社開発

自社開発は、自社のビジネスニーズや戦略に基づいてソフトウェアやシステムを開発します。自社の要件に合わせて自由に開発を進めていけるところが、自社開発の特徴です。また、企画段階や完成後の運用に関して他部署の人たちとの関わりも多く発生します。開発プロセスは、自社内の開発チームや部門によって管理され、完成後の運用・保守まで自社内で完結します。

受託開発のメリット

受託開発のメリット

ここからは、受託開発のメリットについてご紹介します。

受託開発のメリットは、以下の4つです。

  • 豊富なスキルと経験
  • 開発プロセスが効率化されている
  • 自社にIT部門がなくても開発できる
  • 追加開発もやりやすい

豊富なスキルと経験

受託開発を手掛けるシステム開発会社には、たくさんの企業のシステム開発を受注してきた実績があります。そのため、過去の経験やノウハウを活かしながら新しく開発を行うシステムにも柔軟に対応できるメリットがあります。様々なシステムや業界に精通しているスキルとノウハウがあるため、何らかの問題やトラブルが生じた場合にも迅速に解決することが可能です。システム開発会社によって得意分野があるため、開発を依頼する場合は、自社の依頼に近い実績が豊富かどうか確認しましょう。

開発プロセスが効率化されている

システム開発会社は、納期までにクライアントのシステムを作り上げるプロです。そのため、プロジェクト管理や開発プロセスが最適化されています。様々な開発手法やツール、最適な人材配置により、高品質な開発が行えます。様々なシステム開発の経験を経て最適化された開発プロセスなので安心して開発を任せることができます。

自社にIT部門がなくてもシステム開発できる

受託開発を依頼すれば、自社にIT部門がなくてもシステム開発ができます。自社に人的リソースや、開発環境が不十分であってもシステム開発ができるので安心です。完成後のイメージや、どのようなシステムを作りたいのか打ち合わせを重ねることで、システム開発の担当者が要件定義として形にしてくれます。

追加開発もやりやすい

受託開発に依頼すれば、既に稼働しているシステムに必要な機能を追加したいなどの追加開発も可能です。

システムの稼働後に新しい機能を追加したい、ユーザーの要望に合わせて改修を行うことは多々発生します。受託開発の場合、開発の方向性を柔軟に変更でき、追加開発がやりやすいのが特徴です。新規開発と同じようにユーザー目線に立って、どのような機能を追加したらいいのか、どのように改修すればもっとユーザーが使いやすいかなどアドバイスをくれるのも魅力です。

受託開発のデメリット

ここからは、受託開発のデメリットをご紹介します。

受託開発のデメリットは、下記の4つです。

  • コミュニケーション
  • 要求が通らない可能性がある
  • セキュリティリスク
  • 運用・保守の費用がかかる

コミュニケーション

受託開発のデメリットとして、コミュニケーションが上手くいかない可能性があります。

要件の認識、成果物・進捗管理の報告などのコミュニケーションが円滑に行われなければ、納期に影響する可能性があります。実績豊富な受託開発会社でも、認識の違いが発生することはゼロではありません。そのため、認識の相違がないように決め事はエビデンスに残す、こまめな報告を徹底する、やりとりする担当窓口を限定するなど円滑なコミュニケーション体制を整えることとこが重要です。

要求が通らない可能性がある

受託開発には、開発の修正や追加といった要求が通りづらいというデメリットもあります。システム開発が終わり、テスト段階に入っていると追加の開発や要求が通らないことがあります。また、要求を受け入れてもらえた場合でも、追加のコストが発生し負担が増えてしまうことも少なくありません。要件定義の段階で受託開発会社にすべてを委ねるのではなく、発注者側も要件定義やレビューに積極的に関わり、無理な変更や追加を減らせるように工夫が必要です。

セキュリティリスク

受託開発会社に依頼するデメリットとして、セキュリティリスクも考えられます。システム開発では、開発に必要な機密事項などを受託開発会社に渡して開発を行います。そのため、受託開発会社側で、情報漏洩や紛失のリスクがあります。もちろん、受託開発会社もクライアントの重要な情報を扱うためセキュリティ対策をしています。しかし、ヒューマンエラーなどが原因で情報事故が発生してしまう可能性はあります。そのため、情報の取り扱いについて双方で取り決めを行い、セキュリティリスクを最小限に抑えることが大切です。

運用・保守の費用がかかる

開発後の運用・保守にも費用がかかるという点にも注意が必要です。システムの完成後に自社で運用・保守を行わず、管理業務を依頼する場合は別途費用がかかります。運用・保守はシステムが稼働する限り発生するため、継続的な費用がかかることを年頭に置いておきましょう。もちろん、運用・保守を自社で行うことも可能です。しかし、なにかトラブルが発生した場合など開発を手がけた受託開発会社の方が仕様を理解しているため解決が早くなる可能性があります。長期的な視点に立って、運用・保守をどのように行っていくのか検討が必要です。

自社開発のメリット

ここからは、自社開発のメリットをご紹介します。

自社開発のメリットは、以下の通りです。

  • スキルと経験が社内に蓄積できる
  • 自社オリジナルのシステム開発ができる
  • 自社内で改善・サポートが行える

スキルと経験が社内に蓄積できる

自社開発のメリットのひとつが、スキルと経験が社内に蓄積できるという点です。システムを企画する段階から社員が参加できるため、様々な経験を通して実践的なスキルを磨くことができます。若手社員であってもシステム開発の上流工程から携われる機会があるため、社員のスキルアップ・モチベーションアップにつながります。若いころから上流工程を経験できれば、企業全体のスキル向上にもつながるでしょう。

自社オリジナルのシステム開発ができる

自社開発では、自社の経営計画に沿って、適したシステムを企画し開発ができるため自社オリジナルのシステムが完成します。サービスの目的、開発手法、運用方法まで全てオリジナルなので唯一無二の開発が可能です。自社の裁量次第で、最新のツールやシステムを使って開発を行うなど柔軟に対応できる点も魅力の1つです。

自社内で改善・サポートが行える

自社開発では、機能追加・修正・セキュリティ強化などを自社内で素早く実行できることもメリットの1つです。システムは開発して終わりではありません。開発が完了してからも、業務内容の変更やユーザーの要望に応じて、機能追加や修正が必要になることもあります。そういった場合でも、自社開発であれば素早い対応が可能です。

自社開発のデメリット

ここからは、自社開発のデメリットをご紹介します。

自社開発のデメリットは、以下の通りです。

  • コストが回収できるか不透明
  • リソース不足の可能性がある
  • 開発チームのスキルアップが必要

コストが回収できるか不透明

自社開発では、開発にかかる費用はすべて自社で発生します。そのため、コストが回収できるか不透明であるという点がデメリットとして挙げられます。システム開発には、初期投資・運用コストなど大きな費用がかかります。そのため、完成したシステムが軌道に乗らなければ、コストが回収できなくなり経営状況が悪化する可能性もあることを覚えておきましょう。ベンチャー企業で柱となるサービスが失敗した場合などは、倒産になるケースもあります。

リソース不足の可能性

自社内のエンジニアには限りがあります。新たなシステムを開発する場合、既存の社員だけでは対応が難しいというケースも少なくありません。仮に人数は足りていたとしても、開発に必要なスキルを持っているエンジニアが揃っているとは限りません。そのため、エンジニアがシステム開発に必要なスキルを十分に備えているかしっかり把握する必要があります。リソース不足で開発が行えない場合は、一部の開発を受託開発会社にお願いするなど柔軟な対応が必要です。

開発チームのスキルアップが必要

開発チームのスキルアップが難しいという点も、自社開発のデメリットです。IT業界は、流れが早く作ったシステムがあっという間に古くなってしまう可能性があります。自社開発の場合、開発スキルが偏ってしまうことがあり、新しいスキルの定着が難しいです。時代に合ったシステムに更新するには、新しい技術を取り入れていく風土が必要です。社内で勉強会を実施する、新しい技術を取り入れた開発プロジェクトを立ち上げるなど開発チームのスキルアップが求められます。

受託開発を依頼するときの流れ

受託開発を依頼するときの流れ

ここからは、受託開発を依頼するときの流れをご紹介します。

受託開発を依頼するときの流れは、下記の通りです。

  • 打ち合わせ
  • スケジュールの決定
  • 設計・開発
  • 納品

打ち合わせ

受託開発を依頼する場合、どのようなサービスにするのか、どんな開発を行っていくのか念入りに打ち合わせを行います。開発したいサービスに応じて、開発期間や開発手法・使うサービスなどを盛り込んだ見積りをしてもらいましょう。打ち合わせは、開発のゴールや必要な機能などを固めていくための重要な工程です。認識の相違などがないように複数回にわたってしっかり行いましょう。

スケジュールの決定

要件が確定したら、最終的な納品までのスケジュールを細かく決めていきます。基本設計の期限、開発工程の期限、テスト工程の期限など各工程のスケジュールを細かく決めていきましょう。また各工程の中に定期的に成果物を報告する日など、開発を順調に進めていくために重要なスケジュールも決めていきます。

もちろん、開発が始まってからのトラブルや、仕様変更などでスケジュール変更が行われることも多々あります。そういった場合を想定して、スケジュールに余裕を持たせることも大切です。

設計・開発・テスト

スケジュールが決定すれば設計・開発・テストと実際に開発が始まります。クライアントと定期的に進捗管理・成果物のチェックを行いながら進めていきます。クライアントとこまめにコミュニケーションを取り認識のズレがないように進めることが大切です。テストが無事終了すればシステムの完成となります。

納品

システムが完成すれば納品フェーズとなります。成果物の納品方法については、予め決めた通りの方法に則って納品されます。システムの納品後も継続的な運用・保守が必要な場合は、別途契約を結び対応します。必要に応じて、マニュアルや資料の作成を行い、円滑に運用するためのサポートを行います。

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まとめ

受託開発と自社開発には、それぞれにメリット・デメリットがあります。受託開発会社は、クライアントに応じて様々な開発を行ってきた経験とノウハウが魅力です。1つの技術にこだわらず時代の変化、クライアントに応じて開発ができる柔軟性があります。自社開発会社は、自社内で提案から運用まで全てを行える自由度の高さが魅力です。もちろん、サービスを軌道に乗せないといけないリスクはありますが、オリジナルの開発が可能です。システム開発の依頼を検討しているのであれば、クライアントに応じて柔軟な開発ができる受託開発会社に依頼しましょう。

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