Power Virtual Agentsとは?できることや活用例・運用ポイントを解説

Power Virtual Agentsとは?できることや活用例・運用ポイントを解説

企業のデジタル化が進むなかで、顧客対応の自動化やチャットボットの活用が増えています。 Power Virtual Agentsは、Microsoftが提供するAIチャットボット作成サービスです。Virtual Agentsを活用すれば、顧客サポートや予約管理などの効率化が期待できます。本記事では、Power Virtual Agentsのできることや運用ポイントを解説します。

Power Virtual Agentsとは

49-2

Power Virtual Agentsは、Power Platformというローコード開発サービスの一つです。

Power Virtual Agentsを活用すれば、AIチャットボットを作成できます。
チャットボットとは、質問に対してテキストや音声で自動的に応答してくれるシステムです。人が対応していた問い合わせ業務を自動化することで、従業員の負担減少や顧客満足度の向上につなげられます。また、Power Virtual Agentsで作成したチャットボットは、Microsoft Teamsなどのプラットフォームに統合して利用できます。

※Power Virtual Agentsは2024年7月現在、統合されMicrosoft Copilot Studioの一部として提供されています。

 

Power Platformについては、下記の記事で詳しく解説しています。

Power Virtual Agentsができること

Power Virtual Agentsができることは、下記の通りです。

  • チャットボットの作成
  • フィードバックの収集
  • 業務プロセスの自動化

チャットボットの作成

Power Virtual Agentsを利用すると、よくある質問(FAQ)などに対する自動応答チャットボットを簡単に作成できます。
例えば、製品情報や営業時間、サポート手順など、顧客からの一般的な問い合わせに自動で回答するチャットボットを作成できます。

回答内容は複数のトピックに分けて用意し、顧客の質問内容に合わせて適切な回答を表示できます。FAQ対応のチャットボットを活用することで、顧客の問い合わせに迅速に対応でき、顧客満足度の向上と業務負荷の軽減を同時に実現できるでしょう。

フィードバックの収集

Power Virtual Agentsを活用すれば、顧客からのフィードバックを効率的に収集できます。

例えば、商品の購入後やサービスの利用後に、チャットボットから顧客にアンケートの協力を求めるメッセージを送信します。顧客は、チャットボット上で簡単な質問に答えるだけで、自分の意見を伝えられます。収集したデータはリアルタイムで分析され、傾向や課題が可視化されます。これにより、顧客の声を製品やサービスの改善に素早く反映できるでしょう。

業務プロセスの自動化

Power Virtual Agentsを活用し、社内の定型的な作業をチャットボットに任せることで、業務の効率化と人的ミスの削減が期待できます。
例えば、経費精算の申請や承認プロセスにチャットボットを活用することで、従業員は必要事項を入力するだけで精算申請ができるようになります。申請内容に不備がある場合は、チャットボットが自動でチェックし、従業員にアラートを送信します。上長の承認もチャットボット上で行えるため、ペーパーレス化と処理スピードの向上が実現するでしょう。

Power Virtual Agentsの2つのバージョンと料金

Power Virtual Agentsの2つのバージョンと価格を解説します。

  • Power Virtual Agents for Teams
  • Power Virtual Agents

出典:Power Virtual Agents:料金プラン

Power Virtual Agents for Teams

Power Virtual Agents for Teamsは、Microsoft Teamsユーザー向けの特別版で、Teams内でチャットボットを作成・管理できます。作成したボットはTeamsのチャンネルや個人チャットで利用可能です。

基本的なチャットボット作成や対話フロー設計、FAQ対応など、Power Virtual Agentsの主要機能が使用できます。

また、ボットの利用状況を簡単に分析できる機能も備わっています。Microsoft 365のTeamsライセンスを所持していれば、追加料金なしで利用可能です。

日頃からTeamsを使用しているビジネスユーザーであれば、低コストでPower Virtual Agentsを利用できます。

Power Virtual Agents

Power Virtual Agentsは、より高度な機能を搭載したAIチャットボットを作成できるバージョンです。Power AutomateやPower Apps、Dynamics 365などのMicrosoft製品と連携できるため、カスタマイズの幅も拡張できます。

また、ボットの詳細な分析レポートが提供されるため、継続的な改善に役立てられます。

月額29,985円で最大25,000メッセージまで利用でき、追加料金を支払えばメッセージ数を増やすことも可能です。

自社のニーズを考慮し、高機能で拡張性の高いボットが必要な場合は、Power Virtual Agentsがおすすめです。

Power Virtual Agentsの活用例

49-3

Power Virtual Agentsの活用例は、下記の通りです。

  • 顧客サポート
  • 予約管理
  • アンケートとフィードバック

顧客サポート

Power Virtual Agentsを顧客サポートに活用すると、製品やサービスに関する質問に対して24時間365日自動で応答することが可能です。製品の機能や価格、サービスの利用方法など、よくある質問に対して事前に回答を設定しておけば、ボットが的確に回答してくれます。また、トラブル発生時には一般的な解決策を提案し、必要に応じて具体的な手順やサポートの案内もできます。

顧客サポートにPower Virtual Agentsを取り入れれば、顧客の質問にいつでも迅速かつ的確に答えることが可能です。

予約管理

Power Virtual Agentsを活用して予約管理のプロセスを自動化できます。
ボットが予約の手順を案内し、顧客との対話を通じて予約を受け付けます。
具体的には、レストランの予約、医療施設の診察予約、イベントのチケット予約など、さまざまな場面で活用可能です。予約の確認や変更についても、チャットボットが対話形式で対応できます。これにより、受付業務の自動化と顧客サービスの向上を両立できるでしょう。

アンケートとフィードバック

Power Virtual Agentsを活用すれば、顧客満足度調査やフィードバック収集のためのアンケートボットを作成できます。
例えば、商品の購入後やサービスの利用後に、チャットボットから顧客にアンケートへの協力を求めるメッセージを自動送信します。顧客は、チャットボット上で簡単な質問に答えるだけで、自分の意見を気軽に伝えられます。
アンケートの内容は、目的に応じて柔軟にカスタマイズ可能です。満足度を5段階で評価してもらったり、具体的な改善案を自由回答で入力してもらったりと、必要な情報を効果的に収集できます。また、Power Virtual Agentsでは、顧客からの意見や提案をチャットボットが適切な部門に自動転送する仕組みを作ることも可能です。
例えば、製品の不具合に関する指摘は開発部門に、サービスの改善案は企画部門に送信されるよう設定しておけば、各部門が迅速にフィードバックを把握し、改善活動に役立てられるでしょう。

Power Virtual Agentsの運用ポイント

Power Virtual Agentsの運用ポイントは、下記の通りです。

  • 明確な目的設定
  • シンプルなデザイン設計
  • 人間がサポートできる体制を整える
  • 常に改善を意識する
  • 効果的な運用を目指すなら外注を検討する

明確な目的設定

Power Virtual Agentsを導入する際は、チャットボットのターゲットユーザーを明確にし、そのニーズに合わせた機能設計が重要です。具体的には、問い合わせ対応や情報提供、フィードバックの収集、予約管理などが挙げられます。

ユーザーが求める機能を明確に設定し実装することで、チャットボットの利用価値が高まります。

シンプルなデザイン設計

Power Virtual Agentsでチャットボットを作成する際は、シンプルで直感的に使いやすいデザインを心がけましょう。ユーザーにとって理解しやすく、ストレスなく操作できるUIが理想的です。
下記の点を意識してデザインすることが重要です。

  • 文章は簡潔にまとめ、重要なポイントは強調するなどの工夫する
  • 問い合わせの種類に応じて、質問の順序や選択肢を論理的に設計する
  • ユーザーの手間を最小限に抑えるため、不要なステップは思い切って省略する

上記を意識し、ユーザー視点に立ったシンプルなデザイン設計を心がけましょう。

人間がサポートできる体制を整える

Power Virtual Agentsで作成したチャットボットは多くの質問や課題に対応できますが、すべての質問に的確に回答するのは難しい場合があります。そのため、チャットボットだけに頼らず、人間のサポートを用意することが重要です。

チャットボットが対応できない場合を考慮し、自動的にオペレーターに引き継ぐ仕組みやユーザーが担当者に問い合わせできる窓口を設けるようにしましょう。

常に改善を意識する

Power Virtual Agentsで生成されるデータを定期的に分析し、ユーザーの使用パターンや問題点を把握することも大切なポイントです。

分析結果をもとにチャットボットの設定や応答内容を継続的に改善していくことで、ユーザーのニーズに合わせて調整でき、より質の高い対話を提供できます。

定期的な改善サイクルを確立し、ユーザーの声に耳を傾けながら活用していけば、顧客満足度の向上につながるでしょう。

効果的な運用を目指すなら外注を検討する

Power Virtual Agentsを効果的に運用するには、専門的な知識とスキルが必要です。自社内にITに精通している社員がいなかったり、リソースが足りていなかったりすると、導入や目的達成に時間がかかってしまうでしょう。

そのような場合は、システム開発会社への依頼がおすすめです。システム開発会社であれば、導入から運用まで丁寧にサポートしてくれます。自社でPower Virtual Agentsを導入できる環境が整っていない場合は、外注の利用を検討しましょう。

システム開発はICにお任せください

スクリーンショット 2024-05-09 105324-1

引用元:システム開発のIC

株式会社ICは、ITソリューション事業で40年以上の実績を誇っている企業です。Power Virtual Agentsをはじめとするローコード開発に精通しているエンジニアが豊富に在籍しており、お客様が抱える課題をワンストップで解決へと導きます。

また、運用体制や業務フローの見直しも定期的に実施しているため、開発や導入後の改善や調整もサポートいたします。

 

Power Virtual Agentsの導入を検討している企業様は、ぜひICにご相談ください。
システム開発のIC

まとめ

本記事では、Power Virtual Agentsのできることや活用事例、運用ポイントなどを解説しました。Power Virtual Agentsは、Microsoftが提供するPower Platformの一つであり、チャットボットを作成できるサービスです。Power Virtual Agentsは、FAQ対応、フィードバック収集、業務自動化など幅広い用途に活用できます。運用時には、目的を明確にし、シンプルで自然な対話設計を心がけることが重要です。

Power Virtual Agentsの導入を検討されている場合は、システム開発のICをご検討ください。

※2024年7月時点の仕様です。現在は異なっている可能性があります。