「オンプレでの構築経験がクラウドにもいきる」

「オンプレでの構築経験がクラウドにもいきる」

 

AIシステムリプレイスプロジェクトのAzure環境構築の担当者として参画したS氏にお話を伺いました。

 

コンピューター好きからSEに

学生のころからコンピューターが好きだったというS氏はSEという職業に興味を持ち、ICを選んだそうです。以来、新卒入社から10年以上インフラの作業を担当しています。もともとはオンプレミスのサーバー構築を多く対応していましたが、システムのクラウド化案件の需要が増加したことにより、現在は主にAzureに関わる案件対応やインフラ環境の維持・運用を支援する作業を行っています。

 

インフラ基盤の再構築

経年劣化などで交換が必要となったものをAIが見極めてくれるシステムのリプレイスプロジェクト。
S氏はシステム構築を担当しました。このシステムは今回ご依頼されたお客様環境だけではなく、関連会社でも使用されています。そのため、集まるデータ量が膨大で、複雑かつ重要なシステムとなっていました。

さらに、要件定義をすすめる中で、このシステムはリリース後の追加及び修正で歪みが生じてしまうような、柔軟性の低いシステムとなっていることがわかりました。そこで、Azureを使ったインフラ基盤の再構築に関するご依頼をいただきました。

 

主となるスコープは2つ

今回のプロジェクトでは主に以下2つの対応をしました。

 1.AIシステムのAzure環境の整備
 2.お客様にインフラの専門家が少ないため少しでもお客様の業務を補助する運用ツールを提供

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Azure環境整備

1つ目の「Azure環境の整備」を行うにあたって、課題となっていたのはシステムの拡大時にシームレスに拡張できないことでした。
例えば、利用者の増加に応じたWEBサーバやAPサーバの増強が容易にできなかったり、
追加及び修正が行われたことによる、DBのつくりやデータの配置が複雑なつくりとなってしまい、配置する階層にずれが生じてしまうなどがありました。
そこで、今回のAzure環境整備では、変更や拡張のしやすい柔軟性を持たせることを重視しプロジェクトを進めました。

 

システム変更・追加に強いつくりへ

まずは現状把握(構成や各データの調査など)を行い、そのうえで適切な全体構成を設計しました。
Azureには構築する際のベストプラクティスがあります。
しかし、クラウド環境はユーザ側で、ある程度容易に構築できてしまうため、システム全体でみるとツギハギなシステムになり、歪みが発生しがちです。S氏はAzureの知識に長けていたこともあり、凝り固まったものを分解し、構築のベストプラクティスを守った構成へと作りかえました。
また、システムの柔軟性を増やすためにIaaSのサーバーで作っていたサーバーをPaaSで構築しなおしました。PaaSで構築することにより、スケールアウトが容易にできるため、後々のシステム変更・追加に強いつくりとすることができます。

こういった設計提案により、お客様にとって最適なシステム構成を設計・構築することが可能となりました。

 

Azure構築で重要なこと

構築においての考え方は「Azure」でも「オンプレミス」でも大きな差はないと考えています。しかしクラウド(Azure)環境ではハードウェアが存在しません(見えません)が、オンプレミスと同様の理解が必要になります。
そのため、オンプレミスでのサーバエンジニアではあまり意識しないネットワークの知識やアプリケーション側の動きを理解し、Azure特有のアーキテクチャをよく理解しておくことが、Azure環境構築におけるノウハウになります。

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お客様課題を解決・補助

2つ目の対応の「運用ツール」とは、お客様の運用課題を解決・補助をするツールのことです。例えば、今回のお客様の課題として、運用の手間削減、作業の正確性向上を目的としていました。それらを改善する為に、Azureのバックアップ運用を簡易化するツール、アカウント管理運用を容易にするツール、検証用データの抽出と展開を自動化するツールなどの導入支援を行いました。

ツールの導入支援を行うにあたって、お客様環境を運用しやすくすることが一番のテーマです。それを実現するためには、ツールの機能だけではなく保守性に関しても容易にすることが重要でした。
通常、インフラツールはコマンドベースやCLIで構築することが多いのですが、今回のお客様からはGUIベースで開発してほしいとの要望がありました。インフラ担当者がメンテナンスしやすい形で提供する方式とし、アプリケーション開発のようにコーディングするのではなく、併せて、GUIベースでの構築の際にはメンテナンスのしやすさも考慮しました。処理部分はPowerShellとし、UI部分は.Netでつくる工夫をしました。

 

お客様が使いやすいシステムを

ICはインフラ構築のエキスパートとして、ベストプラクティスに則った適切な環境構築を整えつつ、お客様のこうしてほしい、というリクエストに最大限お応えすることを大切にしています。
また、依頼された一部分のみだけを整えるのではなく、全体的なシステムの状況と先々のお客様の環境をトータル的に考え、お客様にとって使いやすいシステムをご提供できるようにしています。長年システムに関わり、ノウハウの蓄積やその理解の深さは、ICの強みです。
この姿勢もあってお客様からは大変感謝していただけたプロジェクトとなり、次のプロジェクトでも是非お願いしたいとのお言葉を頂戴することができました。変わらぬ価値を提供すべく今後も努めて参ります。

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編集後記

システム理解、お客様との要望と機能との調整など、あたりまえで、さも簡単かのように話していたS氏。もし、自分が今すぐ同じことをやってほしいといわれてもできることではないですし、とても難しいことです。日々、当たり前に行っていることでも、それは積み重ねてきたもの、経験があるからだと感じました。

 

※記載されている会社名、製品名およびサービス名は、各社の登録商標または商標です。

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