ブログ記事|システム開発のIC

WAF(ワフ)とは?必要性や機能・導入が必要なケースをご紹介

作成者: Admin|Jan 28, 2025 12:00:00 AM

Webアプリケーションを運営する企業にとって、サイバー攻撃からの防御は欠かせません。特に、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といった攻撃は、個人情報の漏えいやサイトの改ざんを引き起こすリスクがあります。こうした脅威からWebアプリケーションを守るために有効なのが「WAF(Web Application Firewall)」です。

WAFは、ネットワークレベルでは防ぎきれない不正リクエストを検知・遮断し、Webアプリケーションを保護するためのセキュリティ対策です。本記事では、WAFの基本的な仕組みや必要性、主な機能について詳しく解説するとともに、どのような企業に導入が推奨されるのかを紹介します。Webセキュリティの強化を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

 


WAFとは

WAF(Web Application Firewall)とは、Webアプリケーションを保護するためのセキュリティ対策の一つです。通常のファイアウォールがネットワークレベルでの通信を制御するのに対し、WAFはWebアプリケーションのレイヤーで不正なリクエストを検出し、攻撃を防ぐ役割を果たします。

近年、企業のWebサービスが増加するにつれて、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といった攻撃のリスクも高まっています。WAFを導入することで、こうした脆弱性を突いた攻撃を防ぎ、Webサイトの安全性を向上させることができます。

 

WAFの必要性

WAFの導入は、Webアプリケーションを狙ったサイバー攻撃の増加に対応するために不可欠です。特に以下のような理由から、企業や組織にとって重要なセキュリティ対策の一つとなっています。

まず、Webアプリケーションはインターネットに公開されているため、不正アクセスや情報漏えいのリスクが常に存在します。WAFを導入することで、攻撃者が悪意のあるリクエストを送信した際に、それを検知・遮断し、被害を未然に防ぐことができます。

次に、法規制やガイドラインの遵守が求められるケースでもWAFは役立ちます。例えば、個人情報を取り扱う企業は、適切なセキュリティ対策を講じることが求められており、WAFの導入はその一環として有効です。さらに、DDoS攻撃などの大規模な攻撃を受けた場合でも、WAFがトラフィックを制御することで、Webサービスの継続的な運用を支援します。

このように、WAFはWebアプリケーションを狙った脅威からシステムを守るだけでなく、事業継続性やコンプライアンスの観点からも重要な役割を果たします。

 

WAFの基本的な機能

WAFはWebアプリケーションのセキュリティを強化するために、さまざまな機能を備えています。単に外部からの攻撃を遮断するだけでなく、トラフィックの監視やカスタマイズ可能なルールの適用、最新の脅威情報の反映など、多角的な防御を実現します。以下に、WAFの主な機能について詳しく解説します。

ウェブアプリケーションへの多角的な防御

WAFは、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング(XSS)、リモートファイルインクルージョン(RFI)など、Webアプリケーションを狙った多様な攻撃からシステムを保護します。一般的なネットワークファイアウォールやIPS/IDS(侵入防止・検知システム)では防ぎきれない、アプリケーションレイヤーの脅威に対して有効に機能します。また、OWASP(Open Web Application Security Project)が公開する「OWASP Top 10」のような、代表的なWebアプリケーションの脆弱性に対応した防御策を提供します。

トラフィックの監視とログの記録

WAFはWebサーバーへのトラフィックを常時監視し、攻撃の兆候を検知します。不審なリクエストが送られてきた場合、それをブロックするだけでなく、詳細なログを記録することで、セキュリティ管理者が後から分析できるようにします。特定のIPアドレスやユーザーエージェントからの異常なアクセスを検出し、自動的に遮断する機能も搭載されており、DDoS攻撃などの大規模な攻撃への対応にも貢献します。

柔軟なルール設定とフィルタリング

WAFでは、企業のポリシーや運用環境に応じたカスタマイズ可能なルール設定が可能です。たとえば、特定の国や地域からのアクセスをブロックしたり、異常なリクエストパターンを事前に定義して遮断したりすることができます。また、ブラックリストやホワイトリストの管理によって、安全な通信と危険な通信を適切に分類し、業務への影響を最小限に抑えながらセキュリティを確保します。

暗号化通信とAPI保護

WAFは、TLS/SSLによる暗号化通信をサポートし、安全なデータの送受信を確保します。特に、APIを利用するWebサービスが増えている中で、WAFはAPIリクエストの検査やアクセス制御を行うことで、API経由での不正アクセスやデータ漏えいを防ぎます。APIゲートウェイと連携することで、企業のクラウド環境におけるセキュリティ強化にも貢献します。

セキュリティパッチと脅威インテリジェンスの更新

WAFは、最新の脅威情報をもとに自動でセキュリティルールを更新し、新たな攻撃手法にも対応します。一般的なWebアプリケーションでは、脆弱性が発見されるたびにパッチを適用する必要がありますが、WAFが適切に機能すれば、脆弱性が悪用される前に攻撃を防ぐことが可能になります。また、脅威インテリジェンスと連携することで、リアルタイムでの防御対策を強化し、企業のセキュリティリスクを最小限に抑えることができます。

 

このように、WAFは多層的な防御機能を備えており、Webアプリケーションを安全に運用するために欠かせないセキュリティ対策の一つとなっています。

 

WAFの種類

WAFには、導入形態や運用方法の違いに応じていくつかの種類があります。企業のセキュリティ要件やシステム環境に適したWAFを選択することが重要です。代表的なWAFの種類として、「ホスト型WAF(ソフトウエア型WAF)」「ゲートウェイ型WAF(ネットワーク型WAF)」「サービス型WAF」があります。それぞれの特徴を解説します。

ホスト型WAF(ソフトウエア型WAF)

ホスト型WAFは、Webサーバーやアプリケーションサーバーに直接インストールして利用するWAFの一種です。ソフトウエア型とも呼ばれ、システム内部で動作するため、細かなセキュリティルールの設定が可能です。

ホスト型WAFには、以下のような特徴があります。

  • Webサーバー上で動作するため、導入コストを抑えやすい
  • ルールのカスタマイズが柔軟にできる
  • サーバーの負荷が増加する可能性がある
  • サーバー環境に依存するため、適用できるシステムが限定される

ホスト型WAFは、カスタマイズ性を重視する企業や、自社のセキュリティポリシーに合わせて細かく設定したい場合に適しています。しかし、サーバーにかかる負荷が増加するため、適切なリソース管理が必要です。

 

ゲートウェイ型WAF(ネットワーク型WAF)

ゲートウェイ型WAFは、ネットワークの境界で動作し、Webサーバーとインターネットの間に設置されるハードウエア型のWAFです。トラフィックを監視・制御することで、不正なリクエストを防ぐ仕組みです。

ゲートウェイ型WAFは、以下のような特徴があります。

  • ネットワークレベルで一括管理が可能
  • 高いパフォーマンスと安定性を備える
  • 物理的な機器が必要で、導入コストが高め
  • 設定・運用には専門的な知識が必要

ゲートウェイ型WAFは、大規模なWebサイトや多数のWebアプリケーションを運用する企業に適しています。ネットワーク全体のセキュリティを強化し、攻撃を未然に防ぐことが可能です。ただし、導入・運用コストが高くなるため、中小規模の企業では負担となる場合があります。

 

サービス型WAF

サービス型WAFは、クラウド上で提供されるWAFで、SaaS(Software as a Service)として利用できる形態です。専用のハードウエアやソフトウエアの導入が不要で、手軽にセキュリティ対策を強化できます。

サービス型WAFの特徴は以下の通りです。

  • 導入が簡単で、即座に利用開始できる
  • ハードウエアやソフトウエアの管理が不要
  • ベンダー側で最新の脅威情報に対応可能

トラフィック量に応じた課金制のため、ランニングコストが発生

サービス型WAFは、専門知識がなくても導入しやすいため、Webセキュリティ対策を手軽に強化したい企業に向いています。また、定期的なアップデートがベンダー側で行われるため、新しい攻撃手法にも迅速に対応できます。ただし、通信のレイテンシ(遅延)が発生する可能性がある点には注意が必要です。

 

WAFと他セキュリティ対策との違い

WAFはWebアプリケーション層を保護するセキュリティ対策ですが、ファイアウォール(FW)や侵入防止システム(IPS)といった他のセキュリティソリューションと混同されることがあります。それぞれの役割や保護範囲には明確な違いがあり、適切な対策を組み合わせることで、より強固なセキュリティを実現できます。

WAFとFWの違い

ファイアウォール(FW)は、ネットワーク層で通信の許可・遮断を管理するセキュリティシステムです。主に、特定のIPアドレスやポート番号に基づいて、許可されたトラフィックのみを通過させる役割を担います。

 

 

WAF

FW(ファイアウォール)

保護範囲

Webアプリケーション層

ネットワーク層

防御対象

SQLインジェクション、XSS、CSRFなど

DDoS攻撃、不正アクセス、IPフィルタリング

主な用途

Webアプリケーションの保護

ネットワークトラフィックの制御

 

ファイアウォールは、不審なIPアドレスや特定のポートへのアクセスを制限できますが、HTTPやHTTPSなどの通信内容までは解析しません。

そのため、アプリケーション層の脆弱性を狙った攻撃には対応できません。一方、WAFはWebアプリケーションに特化し、リクエストの内容を詳細に解析することで、不正なアクセスを遮断できます。

WAFとIPSの違い

侵入防止システム(IPS)は、ネットワーク上を流れる通信パケットをリアルタイムで監視し、攻撃の兆候を検出して遮断するシステムです。IPSは、シグネチャ(既知の攻撃パターン)に基づいて不正なトラフィックをブロックし、ネットワーク全体のセキュリティを強化します。

 

 

WAF

IPS

保護範囲

Webアプリケーション層

ネットワーク層

防御対象

SQLインジェクション、XSS、CSRFなど

マルウェア、DDoS、ゼロデイ攻撃

主な用途

Webアプリケーションの保護

ネットワーク全体の侵入防止

 

IPSはネットワークを流れる通信をスキャンし、不審なパケットを遮断します。しかし、HTTPリクエストの詳細な解析は行わないため、WAFが対応するようなWebアプリケーションの脆弱性を突いた攻撃には不十分な場合があります。一方、WAFはHTTPリクエストの内容を詳細に解析し、アプリケーションの脆弱性を悪用する攻撃を防ぐのに特化しています。

WAFを導入したほうが良いケース

WAFは、特にサイバー攻撃のリスクが高いサイトでは導入が強く推奨されます。以下のようなケースでは、WAFを導入することでセキュリティを強化し、情報漏えいやサービスの停止を防ぐことが可能です。

ECサイト等を運営している

ECサイトは、商品の販売や決済機能を提供しているため、攻撃者の標的になりやすいサイトの一つです。特に、以下のようなリスクがあるため、WAFの導入が重要になります。

 

  • クレジットカード情報や顧客の個人情報を狙った不正アクセス
  • SQLインジェクションによるデータベースの改ざん・漏えい
  • ボットによる不正購入や在庫情報の不正取得

ECサイトでは、一般的なファイアウォールだけでは防ぎきれないWebアプリケーションの脆弱性を突かれる可能性があります。WAFを導入することで、悪意のあるリクエストをブロックし、サイトの信頼性を維持することができます。

 

会員制Webサイトなど個人情報を取り扱っている

会員制サイトや企業のイントラネットなど、個人情報を取り扱うWebサービスでは、情報漏えいのリスクが特に高いため、WAFの導入が推奨されます。

 

  • ユーザーのログイン情報を狙ったブルートフォース攻撃
  • フィッシングサイトへの誘導を目的としたクロスサイトスクリプティング(XSS)
  • 不正ログインによる個人情報の抜き取り

こうした攻撃は、標準的なセキュリティ対策だけでは防ぎきれないことも多く、WAFを活用することで、攻撃を検知・遮断することが可能です。特に、個人情報を守ることが法的に求められる企業では、WAFの導入がコンプライアンスの観点からも重要になります。

 

Web経由で他社へサービスを提供している

APIを利用したSaaS(Software as a Service)など、Web経由で他社にサービスを提供している場合、WAFの導入は不可欠です。

 

  • APIエンドポイントを狙ったDDoS攻撃
  • 権限のないユーザーによる不正なデータ操作
  • サプライチェーン攻撃によるシステム全体のセキュリティリスク

Webを経由してサービスを提供する企業は、単なるWebページの閲覧とは異なり、データの送受信や他のシステムとの連携が発生します。そのため、WAFを活用して通信を監視し、不正なリクエストをブロックすることで、安定したサービス提供を実現できます。

 

WAFによるセキュリティ対策をする際のポイント

WAFを導入するだけでは十分なセキュリティ対策とはいえません。適切な設定や運用を行うことで、より効果的にWebアプリケーションを保護できます。ここでは、WAFを活用する際に押さえておきたいポイントを紹介します。

自社の環境に合ったルール設定を行う

WAFにはさまざまなセキュリティルールが用意されていますが、すべての企業に最適な設定がそのまま適用できるわけではありません。Webアプリケーションの種類やビジネスの特性に応じて、適切なルールを設定することが重要です。

 

例えば、誤検知を防ぐためのカスタマイズが必要です。デフォルト設定では、必要な通信までブロックされることがあるため、業務に影響が出ないようにルールを調整する必要があります。特にAPIを利用しているサービスでは、正常なリクエストを誤って遮断しないよう注意が必要です。

 

また、業界ごとの脅威を考慮したルール設定も行いましょう。ECサイトであればクレジットカード情報を狙った攻撃を重点的に防ぐ、SaaS企業ならAPIへの不正アクセス対策を強化するなど、自社の環境に応じた対策を行いましょう。

定期的に脅威データを更新する

サイバー攻撃の手法は日々進化しているため、WAFのセキュリティルールや脅威データを定期的に更新することが重要です。

 

例えば、最新の攻撃パターンに対応する必要があります。新たに発見された脆弱性を狙った攻撃が増加するため、ベンダーが提供する脅威インテリジェンス情報を活用し、最新の攻撃に対応できるようにしましょう。

 

また、WAFのソフトウェア自体のパッチ適用も欠かせません。WAF自体に脆弱性が発見されることもあるため、定期的なアップデートを実施し、常に最新の状態を維持することが推奨されます。

 

さらに、自社の環境で発生した脅威を分析することも重要です。企業によって狙われやすい攻撃の種類が異なるため、過去の攻撃データを基に、特にリスクの高い攻撃に対する対策を強化すると効果的です。

 

トラフィックログを活用して改善を繰り返す

WAFは、攻撃を検知・遮断するだけでなく、トラフィックログを記録する機能を備えています。このログを活用することで、より精度の高いセキュリティ対策を行うことが可能になります。

 

例えば、異常なトラフィックを分析することが大切です。不審なアクセスが特定のIPアドレスや地域から頻繁に発生していないか、どのような攻撃が試みられているかを定期的に確認しましょう。

 

また、業務に影響を与えないようルールを調整することも重要です。WAFの設定が厳しすぎると、正規のユーザーのアクセスまで遮断してしまう可能性があります。ログを分析し、必要に応じてフィルタリングルールを見直しましょう。

 

さらに、インシデント発生時の対応を迅速化するためにも、事前にログを分析し、どのような攻撃が発生しやすいかを把握しておくことが有効です。万が一攻撃を受けた際も、迅速に対応できる体制を構築できます。

 

WAFの導入ならICにお任せください


引用元:システム開発のIC

WAFの導入は、Webアプリケーションを狙ったサイバー攻撃から企業のデータやシステムを守るために欠かせません。しかし、適切なWAFを選定し、ルール設定や運用を最適化するには専門的な知識が必要です。ICでは、企業の環境やニーズに合わせたWAFの導入をサポートし、最適なセキュリティ対策を提供します。

 

例えば、ICでは業界ごとの脅威を分析し、最適なWAFの設定を行います。ECサイトや会員制Webサービス、APIを活用したSaaS事業など、さまざまな業界のWebセキュリティに対応可能です。

 

また、WAFの導入後も、脅威データの更新やログ分析を通じて、継続的なセキュリティ対策を支援します。攻撃の傾向を見極め、必要に応じてルールの調整や追加を行うことで、企業のWebアプリケーションを常に安全な状態に保ちます。

 

ICでは、WAFの導入から運用支援までトータルでサポートいたします。自社のWebセキュリティ対策を強化したいとお考えの方は、ぜひシステム開発のICにご相談ください。

 

まとめ

WAFは、Webアプリケーションのセキュリティを強化するために重要な役割を果たします。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)など、一般的なネットワークファイアウォールでは防げない攻撃にも対応できるため、ECサイトや会員制サイト、Webサービスを提供する企業にとって特に有効なセキュリティ対策です。

 

また、WAFを適切に運用するためには、自社の環境に合わせたルール設定や、定期的な脅威データの更新、トラフィックログの分析が欠かせません。適切な設定と継続的な運用を行うことで、より効果的にWebアプリケーションを保護することができます。

 

ICでは、企業の環境に適したWAFの導入をサポートし、専門的な知識がなくても安心してセキュリティ対策を強化できるよう支援いたします。Webセキュリティの強化をお考えの方は、ぜひICにお問い合わせください。