IISとは、Windows用のWebサーバーソフトのことです。マウスで操作でき、拡張機能が充実していて使いやすいのが特徴です。本記事では、IISとは何かについて、ほかのWebサーバーソフトと比較しながらIISのメリットや機能を紹介します。基本的な設定方法も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
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IIS(Internet Information Services)とは、Microsoft社が提供するWindows用のWebサーバーソフトのことです。無料で利用でき、Windowsにインストールすることで使用できます。Webサーバーソフトは、クライアントの要求に対し、必要なデータの表示や処理などを行うものです。Webサーバーソフトには以下で紹介するようにさまざまな種類があり、なかでもIISは抜群の操作性や、Windows製品との親和性の高さを誇ります。
そもそもWebサーバーソフトとは、Webサーバーを構成するソフトウェアのことで、利用者の要求に応じて必要なデータ通信を行うプログラムです。代表的なWebサーバーソフトには、IISを含めて以下のような種類があります。
いずれも無料で使用できるものです。それぞれ用途や利用できる言語、操作方法、難易度などが異なるため、まずは各Webサーバーソフトの特徴を押さえましょう。
前述のとおり、IIS(Internet Information Services)は、Microsoft社が提供するWindows用のWebサーバーソフトです。利用できる言語はASPやNETなどで、信頼性が高いといった特徴があります。また、マウスで視覚的に操作できるのもポイントです。難易度が高くなく、誰にでも使いやすいWebサーバーソフトといえます。
Apache(アパッチ)は、Linux用のWebサーバーソフトです。利用できる代表的な言語はPHPで、コマンド入力で操作します。世界中で幅広く使用されており、レンタルサーバーのプランにあらかじめ組み込まれている場合が多いです。難易度としてはやや難しいものですが利用者が多く、Linux以外にもWindowsや複数のサーバーOS上で利用できます。
NGINX(エンジンエックス)は、Linux用のWebサーバーソフトです。利用できる代表的な言語はApacheと同様にPHPで、最近ではApacheよりも高いシェアを誇っています。処理性能の高さがポイントで、並行処理を行いながらメモリの消費も抑制できるのが特徴です。高速処理を実現しながら、Webサーバーにかかる負担を軽減できる点が、近年需要を高めている理由でしょう。
ほかのWebサーバーソフトと比較して、IISには以下のようなメリットがあります。
セキュリティ設定がわかりやすく、安心して使える
拡張機能が充実している
特に操作性が高く、セキュリティの設定がわかりやすいため、誰にでも使いやすい点がIISの魅力です。また、日本語の公式マニュアルが充実している点もメリットといえるでしょう。ここでは、IISのメリットについて詳しく解説します。
IISは、多くの方が使い慣れているWindowsのOS上で利用できるため、操作しやすいWebサーバーソフトといえます。Windows OSやSQL ServerといったMicrosoft製品と親和性が高いのもポイントです。
また、ApacheやNGINXは、命令文を入力して操作するCUI(キャラクタ・ユーザ・インターフェース)であるため、コマンドを覚える必要があります。一方、IISはグラフィックを多用した情報表示が特徴のGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)であり、直感的な操作が可能です。コマンドを覚える必要がなく、マウスで視覚的に操作できます。このように、操作性の高さが大きなメリットなのです。
IISは、セキュリティの設定がわかりやすいため、安心して使用できます。Webサーバーサービスを使ううえでは、アクセス制御やIIS認証、SSLやログ採取の設定などを行わなければなりません。さらにサーバー証明書のインストールも必要で、これらの設定がわかりやすいのがメリットです。また、日本語の公式マニュアルが多いため、英語が得意ではない方でも安心して使えます。さらに、サポート体制が充実しているのが魅力です。
IISは、拡張機能や開発環境が充実しています。Windows系の開発環境と親和性が高いため、ASP.NETや.Net Frameworkなどと併用することで、機能の拡張が可能です。
これらの拡張機能はデフォルトでは無効に設定されています。管理者権限を持つユーザーが明示的に許可することではじめて使用できるため、システムの安全性が高いのもメリットです。
IISには多くの機能が統合されており、Linux用のWebサーバーソフトと比較して対応範囲が広いのが特徴です。IISの機能には、大きく以下の3つがあります。
動的Webページ生成機能
特に、IISならではの機能として、ASP.NETによって動的Webページの生成や高機能なWebアプリの開発が可能です。ここでは、各機能について詳しく解説します。
Webサーバーの基本機能とは、クライアントからの要求に対応し、Webサーバーに保存されたHTMLや画像データなどを送信することです。クライアントがサーバーに送る要求のことを「リクエスト」、サーバーがクライアントの要求に応じて情報を送り返すことを「レスポンス」と呼びます。また、セキュリティや監視といった機能もWebサーバーの基本機能に含まれるものです。
FTPとは、「ファイル転送プロトコル」とも呼ばれ、Webサーバーとのファイルの送受信を実現するプロトコルのことです。FTPサーバーは、FTPを用いてデータの送受信を行うコンピューターのことで、接続によりサーバーからデータをダウンロードしたり、コンピューターからサーバーにデータをアップロードできたりします。
IISには、FTPサーバーとしての機能を組み込むことも可能です。そのため、Windows用のFTPサーバーソフトを別途インストールする必要がありません。
IISならではの機能として、ASP.NETを使用できる点が挙げられます。ASP.NETとは、Microsoft社が提供しているWebアプリケーション開発の枠組みのことです。同じくMicrosoft社が提供するVisual Studioと併用することで、HTMLやHTTPなどの知識がそこまでなくても、簡単に動的なWebページや高機能なアプリケーションを生成できます。IISを設定すれば、ASP.NETで作成したファイルを簡単に表示できるようになるのです。
IISを利用するためには、インストールと基本設定が必要です。Windows server 2019もWindows10も、IISがデフォルトでインストールされているわけではありません。利用するために、まずはIISを有効化する必要があります。また、インストールしたならば基本設定を行い、実際に使用できる状態にしましょう。ここでは、インストールと基本設定の方法を解説します。
ここでは、Windows server 2019とWindows10、それぞれにおけるIISのインストール方法について解説します。
<Windows server 2019>
Windows server 2019の場合、IISのインストール方法は以下のとおりです。
このとき、Webサーバー(IIS)の有効化は、管理者権限のあるユーザーのみが行えます。権限がないユーザーはインストールできないため注意が必要です。
<Windows 10>
Windows 10の場合、IISのインストール方法は以下のとおりです。
「プログラム」を選択する。
「Windowsの機能の有効化または無効化」を選択する。
「インターネットインフォメーションサービス」にチェックを入れてOKを押す。
IISのインストール画面に進む。
有効化できているかどうかを確認するためには、EdgeやChromeなどのブラウザを立ち上げ、アドレスバーに「http://localhost」と入力してみましょう。インストールに成功していれば、IISのデフォルト画面が表示されます。
インストールが完了したならば、基本設定を行いましょう。基本設定は以下のように行います。
HTMLやCSS、画像データといった静的コンテンツにWebサーバー経由でアクセスしたい場合は、基本設定画面の「サイトの編集」から「物理パス」を確認します。デフォルトで設定されている「%SystemDrive%\inetpub\wwwroot」というディレクトリ内にコンテンツを配置することで、Webサーバー経由でのアクセスが可能です。
本記事ではIISとは何かについて、Webサーバーソフトの種類やそれぞれの特徴、IISのメリットと機能、さらにIISの基本的な設定方法とあわせて解説しました。
Webサーバーソフトのなかでも、直感的かつ視覚的に操作できるのがIISです。セキュリティ設定もわかりやすく、Windows系の開発環境と相性が良いため、機能を拡張しやすいというメリットもあります。本記事を参考にしてIISについての理解を深め、運用に活かしてください。サーバーについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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