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レガシーシステムとは?放置リスクや今すぐ始められる対策をわかりやすく解説|システム開発のIC

作成者: Admin|Jan 13, 2026 12:00:00 AM

自社の業務を長年支えてきたシステムが、「何となく使いにくい」「改修に時間とコストがかかる」と感じられるようになっていませんか。その状態は、単なる古さではなく「レガシーシステム化」が進んでいるサインかもしれません。

レガシーシステムは、放置するほど業務効率やセキュリティ、DX推進に悪影響を及ぼします。

 

本記事では、「レガシーシステムとは何か?」という基本から、放置リスク、脱却が求められる理由、そして現実的な刷新の進め方までをわかりやすく解説します。

 

 

目次

レガシーシステムとは何か

レガシーシステムとは、長年にわたり企業の業務を支えてきた一方で、技術的に古くなり、現在の業務やIT環境に適合しにくくなったシステムを指します。

単に「古いシステム」という意味ではなく、

  • 開発言語や基盤が時代遅れで保守できる人材が少ない

  • 他のシステムと連携しにくい

  • 改修に時間とコストがかかる

といった課題を抱えていると「レガシーシステム」となります。

業務の根幹を担っているケースが多く、簡単に止められないことから、問題があっても使い続けられてしまい、結果としてDXや業務改革の足かせになることが少なくありません。

レガシーシステムと基幹システムの違い

基幹システムとは、販売・在庫・会計・人事など、企業の中核業務を支える重要なシステムの総称です。一方で、レガシーシステムは「役割」ではなく「状態」を表す言葉です。つまり、基幹システムであっても、技術が古く、保守や拡張が困難になっていればレガシーシステムに該当します。

多くの企業では、基幹システムが長年改修を重ねながら使われ続けた結果、仕様が複雑化し、ブラックボックス化しているケースが見られます。この状態になると、新しい業務やサービスに対応するためのシステム変更が難しくなり、経営や現場のスピード感にITが追いつかなくなるという問題が生じます。

レガシーシステムと老朽化したITシステムの違い

老朽化したITシステムは、ハードウェアやソフトウェアの寿命が近づき、性能や安定性が低下している状態を指すことが一般的です。これに対してレガシーシステムは、単なる年数の問題ではなく、業務や経営戦略に適応できなくなっていることが本質的な課題です。

たとえば、まだ動いてはいるものの、他システムとデータ連携できない、仕様を理解できる担当者が限られている、クラウド化や自動化ができないといった状況は、老朽化以上に深刻なリスクを含みます。見た目は稼働していても、企業の成長や変化を妨げている状態こそがレガシーシステムの特徴といえるでしょう。

レガシーシステムはなぜ生まれる?

レガシーシステムが生まれる最大の要因は、「止められない業務システムを、その場しのぎで改修し続けてきた結果」にあります。事業の成長や業務変更に合わせて機能を追加するたびに、全体設計を見直さず部分的な改修を重ねることで、システムは徐々に複雑化していきます。

さらに、当初の設計を知る担当者が異動・退職し、仕様を理解できる人が限られることで属人化が進み、内部構造がブラックボックス化します。加えて、古い開発言語やアーキテクチャを前提としたまま拡張を続けることで、新しい技術やクラウド環境と適合しない状態になり、結果として「動いているが変えられない」レガシーシステムが出来上がってしまうのです。

レガシーシステムが問題視される理由

レガシーシステムは「今は動いている」ため見過ごされがちですが、企業経営やIT戦略の観点では大きなリスクを抱えています。業務の根幹を担っていることが多く、止められないがゆえに抜本的な見直しが後回しにされ、その間にコスト・リスク・機会損失が積み重なっていきます。

レガシーシステムが問題視される理由をまとめると、以下の3点となります。

  • システムの改修・保守に高いコストがかかる

  • 障害・トラブル発生時のリスクが大きい

  • DX推進や新規事業の足かせになる

それぞれ、詳しく紹介します。

システムの改修・保守に高いコストがかかる

レガシーシステムは、古い技術や独自仕様で作られていることが多く、対応できるエンジニアが限られます。そのため、軽微な仕様変更や不具合修正でも専門性の高い人材を確保する必要があり、外注費や人件費が高騰しやすくなります。

また、全体構造が複雑化していることで影響範囲の特定に時間がかかり、改修のたびに想定外のトラブルが発生することも珍しくありません。本来であれば成長投資に回すべきIT予算が、「動かし続けるためのコスト」に消えてしまう点は、経営にとって大きな負担となります。

障害・トラブル発生時のリスクが大きい

レガシーシステムは、部品やOS、ミドルウェアのサポート切れが起きているケースも多く、障害発生時に迅速な復旧が難しくなります。

原因の特定に時間がかかる

代替環境が用意できない

復旧作業を担える人材が限られている

といった状況が重なると、業務停止が長期化するリスクが高まります。特に基幹業務と直結している場合、受注・出荷・請求といったプロセスが止まり、顧客や取引先への影響も避けられません。

トラブルの影響範囲が大きくなりやすい点も、レガシーシステムが問題視される理由の一つです。

DX推進や新規事業の足かせになる

DXや新規事業を進めるには、データ連携やシステム拡張を柔軟に行えるIT基盤が不可欠です。しかしレガシーシステムは、外部サービスやクラウドと連携しにくく、新しい仕組みを追加しようとすると大規模な改修が必要になります。その結果、「やりたいことはあるがシステムが対応できない」という状態に陥りやすく、ビジネスのスピードや選択肢が制限されてしまいます。

ITが事業成長を支えるどころか制約条件になってしまうことこそが、レガシーシステムがDX時代において深刻な課題とされる理由です。

レガシーシステムを放置することで起こるリスク

レガシーシステムの問題は、時間の経過とともに自然に解決するものではなく、むしろ放置するほど深刻化していきます。表面的には業務が回っているように見えても、内部ではコスト増大やリスクの蓄積が進み、ある日突然大きなトラブルとして顕在化することも少なくありません。

レガシーシステムを放置してしまうことで発生するリスクについて、以下から詳しく紹介していきます。

業務効率や生産性の低下

レガシーシステムは操作性が悪く、手作業での入力や確認作業が多く残っているケースが少なくありません。たとえば、データの二重入力や帳票の手動作成などが発生し、現場の負担が増えていきます。

また、他のシステムと連携できないことで、データの活用や自動化が進まず、業務のスピードや正確性にも影響が出ます。こうした非効率が積み重なると、同じ人数で処理できる業務量が減り、人件費あたりの生産性が低下していきます。

結果として、ITが業務を支えるどころか、現場の足かせになってしまう状態に陥ります。

セキュリティリスクの増大

レガシーシステムは、古いOSやソフトウェアを使い続けていることが多く、セキュリティ更新が提供されていない場合があります。そのため、既知の脆弱性を突いたサイバー攻撃の標的になりやすくなります。さらに、暗号化やアクセス制御といった現代的なセキュリティ機能を十分に備えていないケースも多く、情報漏えいや不正アクセスのリスクが高まります。

万が一、顧客情報や取引データが流出すれば、企業の信用や事業継続に深刻なダメージを与えかねません。レガシーシステムの放置は、見えないセキュリティ負債を抱え続けることに等しいといえます。

システム担当者の退職による運用不能

レガシーシステムは、長年の改修によって内部構造が複雑化し、仕様を理解している担当者が限られていることが多くあります。このような属人化が進んだ状態で担当者が退職すると、システムの運用や障害対応ができなくなるリスクが一気に高まります。

マニュアルが整備されていない、設計書が最新化されていないといった状況では、後任者が引き継ぐことも困難です。結果として、トラブルが起きても対応できず、業務が停止してしまう可能性もあります。人に依存したシステム運用は、企業にとって非常に不安定な状態だといえるでしょう。

レガシーシステムからの脱却が求められる理由

レガシーシステムは「今の業務を回す」ことはできても、「これからの事業を伸ばす」ための土台にはなりにくい存在です。市場環境や顧客ニーズが急速に変化する中で、システムもそれに合わせて柔軟に進化できることが求められています。

以下から、多くの企業でレガシーシステムからの脱却が求められている理由を整理します。

市場環境やビジネスモデルの変化への対応

デジタル化やサービス化が進む現在、企業にはスピード感のある意思決定と柔軟な業務変更が求められます。しかしレガシーシステムは、仕様変更や機能追加に時間がかかり、新しいビジネスモデルへの対応を妨げる要因になります。

たとえば、サブスクリプション型のサービスやデータ活用を前提とした事業に転換しようとしても、システムが追いつかないことで機会を逃すケースもあります。変化に素早く対応できるIT基盤を整えることは、市場で選ばれ続けるための重要な条件となっています。

DX・IT活用を進めるための基盤整備

DXを進めるためには、データを一元管理し、さまざまなシステムやクラウドサービスと連携できる基盤が欠かせません。

レガシーシステムのままでは、データが分断され、分析や自動化を十分に活用できない状態が続きます。システムを刷新し、API連携やクラウド活用が可能な構成にすることで、業務の可視化や高度なデータ活用が実現しやすくなります。

ITを単なる業務支援ツールから、経営戦略を支える基盤へと進化させるためにも、レガシーからの脱却は不可欠です。

中長期的なITコスト最適化

一見すると、レガシーシステムを使い続ける方がコストを抑えられるように見えることもあります。しかし実際には、保守費用や改修費用が年々増加し、トラブル対応のコストも積み重なっていきます。

システム刷新には初期投資が必要ですが、標準化された技術やクラウドを活用することで、運用コストを抑えやすくなり、将来的な拡張もスムーズになります。短期的な支出だけでなく、数年単位での総コストを見据えて判断することで、IT投資の効率を高めることができます。

レガシーシステムからの脱却方法

レガシーシステムからの脱却は、「すべてを一気に入れ替える」ことだけが正解ではありません。業務への影響を最小限に抑えながら、段階的にリスクと負債を減らしていくアプローチが現実的です。

レガシーシステムからの脱却は、以下の手順を意識して進めましょう。

既存システムの棚卸しと現状把握

段階的なモダナイゼーション

システムの再構築による刷新

既存システムの棚卸しと現状把握

最初に行うべきは、現在使っているシステムや機能の棚卸しです。どの業務で、どのシステムが、どのように使われているのかを整理することで、不要な機能や重複した処理、属人化している部分が見えてきます。

あわせて、技術的な構成やサポート状況、運用コストなども確認することで、どこにリスクや負担が集中しているかを把握できます。この段階を曖昧なまま進めると、刷新後も同じ問題を引きずることになりかねません。現状を「見える化」することが、適切な判断の土台となります。

段階的なモダナイゼーション

モダナイゼーションとは、既存システムを活かしながら、部分的に新しい技術や仕組みに置き換えていく方法です。

たとえば、外部との連携部分だけをAPI化する、データ基盤をクラウドに移行するなど、影響の少ない領域から改善を進めていきます。これにより、大きな業務停止リスクを避けつつ、徐々にレガシーな要素を減らしていくことが可能です。

すべてを一度に作り直すよりも、現場への負担を抑えながらDXを進められる点がメリットです。中長期的なゴールを見据えた計画的な移行が重要になります。

システムの再構築による刷新

レガシー化が進みすぎている場合は、部分的な改善では限界があり、システムの再構築が必要になることもあります。業務プロセス自体を見直し、新しいシステムに最適化した形で再設計することで、無駄な機能や複雑な処理を整理できます。最新のクラウドや標準技術を前提に構築すれば、将来の拡張や他システムとの連携もしやすくなります。

初期投資は発生しますが、運用コストやリスクを大きく下げられる可能性があり、長期的には企業の競争力を支えるIT基盤として機能します。

 

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レガシーシステム刷新を成功させるポイント

レガシーシステムの刷新は、単なるITプロジェクトではなく、業務や組織のあり方まで含めた変革になります。そのため、技術的に新しいシステムを導入するだけでは不十分で、業務の実態や将来の方向性を踏まえた設計が欠かせません。

レガシーシステム刷新を成功させるための3つのポイントを、以下から紹介します。

業務理解を前提とした要件定義

システム刷新で最も重要なのが要件定義です。この段階で業務の流れや現場の課題を十分に理解せずに進めてしまうと、実態と合わないシステムが出来上がってしまいます。

既存業務をそのままシステムに移すのではなく、「なぜその業務が必要なのか」「どこが非効率なのか」を整理したうえで、本来あるべき姿を定義することが重要です。

業務改善とシステム設計を同時に行うことで、単なる置き換えではなく、価値のある刷新につながります。

将来を見据えたシステム設計

レガシー脱却の目的は、今の課題を解決するだけでなく、将来の変化に対応できる基盤をつくることです。そのため、拡張性や連携性を考慮したアーキテクチャ設計が欠かせません。クラウド活用やAPI連携を前提にしておくことで、新しいサービスやツールを柔軟に取り込めるようになります。

短期的な要件だけに合わせて作ってしまうと、数年後に再びレガシー化するリスクがあります。中長期の事業戦略と整合したシステム設計が、持続的なIT活用を支えます。

現場とIT部門の連携体制づくり

システム刷新はIT部門だけで完結するものではなく、実際に使う現場との連携が不可欠です。現場の声を反映せずに進めると、使われないシステムになってしまう可能性があります。要件定義やテストの段階から現場を巻き込み、業務とシステムのすり合わせを行うことで、導入後の定着率が高まります。また、IT部門と現場が共通の目的を持つことで、変更や改善にも柔軟に対応できる体制が整います。組織全体で取り組むことが、刷新成功の鍵となります。

自社だけでレガシーシステム刷新を進めることはできる?

結論からいえば、自社だけでレガシーシステム刷新を進めることは不可能ではないものの、現実的には多くのリスクを伴います。

レガシーシステムは業務・技術・人材が複雑に絡み合っているため、どの技術を選ぶべきか、どの範囲から手を付けるべきかといった判断が非常に難しくなります。さらに、通常業務と並行して大規模な刷新プロジェクトを進めることになり、担当者の負荷が増大しがちです。加えて、自社視点だけで進めると、部分的な改善にとどまり全体最適を見失うリスクもあります。

客観的な視点と専門知識を取り入れながら進めることが、失敗を避けるための重要なポイントになります。

レガシーシステムの刷新にはシステム開発サービスへの依頼がおすすめ

レガシーシステムの刷新は、業務理解・技術選定・プロジェクト管理など、多くの専門性を必要とします。自社だけで対応しようとすると、判断に迷ったり、想定外のトラブルに振り回されたりすることも少なくありません。システム開発サービスに依頼することで、過去の豊富な事例や専門知識を活かした客観的な視点でプロジェクトを進められるようになります。単なる開発委託ではなく、経営や業務の方向性を踏まえた提案を受けられる点も大きなメリットです。レガシー脱却を成功させるためのパートナーとして、外部の力を活用することは現実的で効果的な選択肢といえます。

業務理解と技術力を兼ね備えた支援が受けられる

システム開発サービスを活用すると、ITの専門家だけでなく、業務プロセスの設計に強い人材からも支援を受けることができます。

現場の業務フローや課題を整理したうえで、最適なシステム構成や技術を提案してもらえるため、単なる「新しいシステム」ではなく、「業務にフィットした仕組み」を構築しやすくなります。

自社内だけでは気づきにくい非効率や改善点を客観的に洗い出せる点も、外部パートナーを活用する大きな価値です。

要件定義から開発・運用まで一貫して任せられる

レガシーシステム刷新では、要件定義・設計・開発・テスト・移行・運用といった多くの工程が発生します。これらを別々に管理すると、認識のズレや責任範囲の不明確さがトラブルの原因になりがちです。システム開発サービスに一貫して依頼することで、全体を見渡した設計と進行管理が行われ、品質やスケジュールの安定性が高まります。

特に、既存システムからのデータ移行や業務切り替えといった難易度の高い工程を任せられる点は、大きな安心材料になります。

自社リソースを抑えながら刷新を進められる

社内のIT人材は日常の運用や改善業務で手一杯になりがちで、大規模な刷新プロジェクトまで対応する余裕がないケースも多くあります。外部のシステム開発サービスを活用すれば、プロジェクト管理や技術的な実装を任せることができ、社内メンバーは業務要件の整理や意思決定に集中できます。

結果として、無理のない体制でプロジェクトを進められ、通常業務への影響も最小限に抑えられます。限られたリソースの中で成果を出すためにも、外部の力を活用する意義は大きいといえるでしょう。

 

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まとめ

レガシーシステムとは、単に古いだけでなく、業務や経営の変化に対応できなくなった状態のシステムを指します。放置すると、業務効率の低下やセキュリティリスク、属人化による運用不能といった問題が積み重なり、企業の競争力を大きく損ないます。こうしたリスクを回避し、DXや新規事業を進めるためには、レガシーシステムからの脱却が不可欠です。現状の棚卸しから段階的なモダナイゼーション、場合によっては再構築による刷新まで、自社に合った方法を選ぶことが重要になります。専門的な判断が求められるからこそ、業務理解と技術力を持つシステム開発サービスを活用し、将来を見据えたIT基盤づくりを進めていくことが、持続的な成長につながるといえるでしょう。