システム開発は、企業の業務効率化を達成するために必要不可欠です。そこで、この記事ではシステム開発について基本的なことから詳しく解説します。システム開発の実施手順や必須スキル、関係者とその役割など、システム開発を進める上で知っておくべき内容も幅広く説明します。
そこで、この記事ではシステム開発について基本的なことから詳しく解説します。システム開発の実施手順や必須スキル、関係者とその役割など、システム開発を進める上で知っておくべき内容も幅広く説明します。さらに、システム開発の外注を考えている担当者のために、外注先を選ぶ際のポイントや成功事例についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
システム開発とは、業務の目的を達成するためのさまざまなしくみを、IT技術によって構築することを言います。
たとえば、顧客の情報管理システム、従業員の勤怠管理システムの開発などが該当します。
システム開発を進めるには、システムエンジニアやプログラマーといったITに精通した人材が必要不可欠です。
しかし、社内にシステム開発ができるレベルのIT知識や経験を持つ人材がいないケースもあります。そのため、システム開発については外部のシステム開発会社に依頼する企業も多いです。
システム開発は、ソフトウェア開発とよく混同されやすいです。
ソフトウェア開発とは、パソコンやスマートフォンで使用するツールのソフトウェアを開発することです。
たとえば、Google Chromeなどのwebブラウザや、Gmailなどのメールソフト、各種SNSのアプリケーションなどを開発することを言います。
一方、システム開発は、ソフトウェアの中身を開発するのではなく、業務をスムーズに行うためのしくみを改善するシステムの構築を指します。
たとえば、スーパーの商品在庫一括管理ができるツールの作成や、レジをより効率化するためのシステムの作成などが具体例です。
システム開発においては、まず、その手法にどのようなものがあるかを押さえておきましょう。
システム開発手法は以下のとおりです。
以下では、上記4つの手法について詳しく説明します。それぞれ進め方に違いがあるため、開発をスムーズかつ正確に進めるためには、実施しているプロジェクトに適した手法を選ぶことが大切です。
ウォーターフォールモデルは、最初に打ち合わせで全機能に関する要件定義や設計を綿密に決め、次に開発をスタート、一つずつ順番に工程を処理しながら終わらせていく開発手法です。
ウォーターフォールモデルは、事前の打ち合わせが重視される点が特徴です。最初にやるべきことを具体的かつ詳細に決めてから開発に進むので、一つひとつの工程がやりやすい点がメリットと言えます。
一方、デメリットは、最初の打ち合わせに時間を割くため、なかなか開発に着手できない点が挙げられます。
また、工程の途中で前の工程に戻って修正できない点にも注意が必要です。
ウォーターフォールモデルは、進捗状況の管理がしやすいため、大規模なシステム開発プロジェクトを進める際に役立っています。
アジャイル開発は、システム完成までのスピードを重視して開発を行う手法です。
システムをサブシステムと呼ばれる小さな単位に分け、優先度の高い順に処理していきます。
サブシステムごとに「要件定義、設計、実装、テスト、リリース」のサイクルを繰り返し、最終的にはシステムを完成させるのが主な流れです。
最初に綿密な設計を行わない点で、ウォーターフォールモデルとは異なります。アジャイル開発では、開発期間中に随時変更や修正を行っていきます。
アプリケーション開発などで主流の手法です。
スパイラルモデルは、工程をサブシステムに分け、優先順位の高いものから順に対応していく手法です。
アジャイル開発と似ていますが、スパイラルモデルは各サブシステムの開発が完了するたびに試作品を作り、フィードバックを受けながら完成度を高めていく点で異なります。
また、アジャイル開発の場合は一つの機能が完成したらそのあとすぐにリリースしますが、スパイラルモデルの場合は、すべての機能が完成し品質が保証された段階で一度にリリースする点でも違いがあります。
プロトタイプモデルは、開発の初期段階で「試作品(プロトタイプ)」を作り、それをもとに検証を行い、必要があれば修正をして完成を目指す手法です。
試作品で実際にユーザーに使ってもらい、検証する段階を設けることで問題点が早くみつかります。また、そうすることで都度修正が可能となり、全体にかかる時間を大幅に減らせることがメリットです。
プロトタイプモデルは、試作品を作るのに時間とコストがかかるため、小規模システム開発に適した手法です。
システム開発の工程手順をまとめると、以下のようになります。
要件定義 |
システムに搭載したい機能を決める |
外部設計 |
システムの全体的な設計をする |
内部設計 |
システムの詳細な設計をする |
プログラミング |
実際にプログラミングを行う |
テスト |
システムが仕様書通り動くか確認する |
引き渡し |
テストをクリアしたシステムを納品する |
運用・サポート |
システム運用中のトラブルへの対処や、新機能の追加などを行う |
上記はシステム開発の基本的な流れです。開発手法ごとに、上記に加えて要件定義に時間をかけたり、試作品の作成やリリースが入ったりします。
システム開発を進めるためには、複数の人材がそれぞれ役割を持って開発にあたることが必要です。システム開発に必要な関係者と役割をまとめると、以下のようになります。
SE(システムエンジニア) |
要件定義の確定 |
PG(プログラマー) |
プログラミングの実施 |
PM(プロジェクトマネージャー) |
全体のマネジメント |
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス) |
マネジメントのサポート |
システム開発では、上記4つの役割がバランスよく機能することが重要です。開発の内容によって、各役割の人数は調整されます。
以下では、上記4つの役割について詳しく説明します。
SEはシステムエンジニアと呼ばれ、システムの要件定義の確定が主な担当作業です。
具体的には、システムへ導入する機能を考えたり、外部・内部設計の詳細を固めたりしてシステム全体の構造を決めていきます。
SEは、システム開発の中心であり要(かなめ)と言っても過言ではないでしょう。
また、SEがプログラマーとしてシステムのプログラミングを行うことも多いです。プログラミングは基本的にはPGの担当業務ですが、SEがPGと共にプログラミングを担うケースは珍しくありません。
PG(プログラマー)は、SEが固めた要件定義をもとに、システムのプログラミングを行うことが基本の役割です。
プログラミングを誤ってしまうと、SEが固めた要件定義を満たさず、不完全なシステムとなりトラブルの原因となります。
したがって、PGの業務には高いスキルと正確な知識が求められます。
また、プログラミングが誤っていないか、要件定義通りになっているか、正常に作動できるかをテストする「単体テスト」を実施するのもPGの重要な役割です。
PM(プロジェクトマネージャー)は、その名のとおりシステム開発プロジェクト全体のマネジメントを担います。
プロジェクトにおける管理職のような存在で、システム開発の関係者の中において多くの決定権を有するポジションです。
SEやPGとは異なり、実際の設計やプログラミングの作業をするよりも、プロジェクトに関わるメンバーたちの進行管理、トラブル対応を担当し、必要があればメンバーたちに指揮命令を発します。
プロジェクトメンバーたちが作業しやすい環境作りもPMの大事な役割の一つです。
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)は、さまざまな面からプロジェクトマネジメントをサポートする役割を担います。人材そのものというよりも、構造システムや部門を指すのが一般的です。
サポートの具体的な内容としては、人材育成、人材の振り分け、コスト調整、進行管理など多岐にわたります。
プロジェクトの開始からシステム開発完了、リリース、納品までの一連のディレクションをサポートするのもPMOの重要な役割です。
システム開発に必要なスキルとして代表的なものは次のとおりです。
システム開発においては、プログラミングスキルだけが重要なのではありません。
開発はチームで行うことがほとんどなので、周囲のスタッフと円滑なコミュニケーションをとりながら協力し合うことが求められます。
また、システムの課題解決のためには何が必要かといった観点で問題を解決できる能力も大切です。
以下では、上記3つのスキルについて詳しくみていきましょう。
システム開発においては、プログラミング言語を用いたプログラミングスキルが必須です。また、プログラミング言語の知識はプログラミングの作業だけで使うのではなく、要件定義の設定やシステムの設計などにおいても求められます。
プログラミング言語には種類がありますが、どの言語が必要かはシステムの分野によって異なります。
したがって、プログラミング言語を習得する際は、自分が携わる分野でよく使われている言語を選んで学ぶことがおすすめです。
システム開発をスムーズに進めるためには、コミュニケーションスキルも大切です。
システム開発では、システムエンジニアやプログラマー、マネージャーなど複数の人材がチームで作業を進めていきます。
したがって、周囲のスタッフと円滑にコミュニケーションをとりながら業務を進めることが求められるのです。
また、作業チームだけでなく、顧客とも上手くコミュニケーションをとる必要があります。ITやシステム開発に詳しくない顧客に対し、プロジェクトをわかりやすく丁寧に説明するスキルが求められるでしょう。
システム開発では、どのような課題があり、いかなる解決方法が望ましいかを設計できる能力が必要です。
また、システム開発や限られた予算や納期など、さまざまな制約のもと進めなければなりません。
また、プロジェクト進行中に予期せぬトラブルが発生する可能性もあります。
こうした制約やリスクがある中で、臨機応変かつ柔軟な考え方で問題に対処するスキルが求められるのです。
プログラミングスキルに秀でているだけでなく、問題解決能力にも優れていることが、顧客満足度の高いシステム開発を成功させる秘訣と言えるでしょう。
自社でシステム開発をしたいと思っても、プロジェクトを遂行できるだけの人材がいないケースも多いでしょう。
特に、システム開発はITの高度な知識やスキルが必要です。さらに、システム開発はSE、PG、PMなど複数の人材がチームとなって進める必要があります。ITに詳しい人材が1人、2人いただけでは、開発を一から担うことは困難です。
また、システム開発では、プログラミングスキルだけでなくコミュニケーションスキルや問題解決能力も求められます。
こうした多様で高度なスキルが求められるシステム開発を実施するなら、専門業者に外注することも一つの手段です。
自社スタッフだけで一から始めるよりも、プロに外注した方が手間もかからず全体のコストも低く収まりやすくなります。
システム開発を外注する際には気を付けるべき注意点があります。
主な注意点は以下のとおりです。
外注する際はどうしても外注費がかかるため、コスト面を中心に外注先を選びがちですが、システム開発の成功のためには上記のような視点も大切です。
そこで、以下では上記4つの注意点について説明します。
システム開発を外注する際には、最初にシステム導入の目的を明確にする必要があります。
目的を明確にすることで、システムにどのような機能を搭載したいか、優先すべき機能は何かといった細かい条件を決めやすくなります。
仮に、目的が漠然としたままシステム開発を外注してしまうと、自社に本当に必要な機能が付かなくなったり、途中でトラブルが生じたりするなどの危険性があります。
したがって、システム開発を外注する際は、必ず自社のシステム導入の目的をはっきりとさせておきましょう。
システム開発を外注することになったら、外注先企業の担当者とはコミュニケーションを密にとるようにしましょう。
なぜなら、システム開発における希望条件が外注先に上手く伝わらなければ、条件とズレた開発が行われてしまうことになり、せっかく外注した意味がなくなってしまうからです。
したがって、外注する場合は開発担当者と密に連絡がとれるか、主なコミュニケーション手段はどのようにするか、事前ミーティングなどは設けてもらえるかなどを確認することが大切です。
システム開発を外注する際は、外注先の実績やエンジニアの質についても確認を怠らないようにしましょう。
外注となると、どうしても外注費がかかるため、できるだけ安いプランで依頼できる外注先を探してしまいがちです。
もちろん、コスト面を考慮することも大切ですが、システム開発においては費用の安さだけでなく、開発実績やエンジニアのスキルが自社の求めるレベルに達しているかも重視しましょう。
具体的には、「取引実績」に着目します。同じ顧客と長年付き合いがあれば、信頼度が高い証と言えます。
エンジニアのスキルについては、事前に直接面談などを実施することで確認するとよいでしょう。
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ICであれば、自社開発メインでとり組んでいるため安心して依頼できるメリットがあります。
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そこで、ここでは以下の2つの成功事例を紹介します。
ICでは、エンジニアが要件設定やプログラミングをするだけでなく、課題の洗い出しからリリース後の保守運用までをサポートします。
ICのスタッフと共にしっかり事前打ち合わせをすることで、依頼企業に最も必要なシステムが見えてくるのです。
本事例は、大手建材メーカーの顧客用販売管理システムをリプレイスした事例です。大手建材メーカー様の数百社以上のお客様が利用しているシステムであったため、IC以外のベンダー様も含む大規模なリプレイスプロジェクトでした。サービスの保守切れによりシステムをリプレイスする必要があったものの、新しいシステムを活用することが初めてだったことから、ゼロからシステムを構築し、エラーが発生しないよう最大限の配慮をしながらリプレイス作業を実施しています。
その結果、トラブルもなくリプレイスが完了。その後も依頼先を訪問し、さらに新たなリプレイス作業も担当しました。
これら一連の作業は事前の検証をしっかり行っていたため、大きなエラーもなくすべてのリプレイスを完了できました。
本事例に関して詳しくは以下のページでご覧ください。
こちらで紹介するのは、IT機器の販売・受託開発を担う企業の成功事例です。
同企業では、プロジェクト採算管理システムを運用していましたが、古い言語で構築されていたことから、モダンなシステムへの刷新を希望していました。
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プロジェクトは既存システムの調査から実施。詳細に記載された計算書がなかったため、古い言語を頼りに仕様書や設計書に落とし込む作業から開始することになりました。
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本事例に関して詳しくは以下のページでご覧ください。
一言でシステム開発といっても、実現させるためには数々の工程をクリアしなければなりません。
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