近年、企業のデジタル化が急速に進むなか、業務の効率化やデータ活用が重要視されています。そこで注目されているのが、Microsoftが提供するPower Platformです。Power Platformを活用すれば、簡単にデータ分析、業務の自動化などができます。
本記事では、Power Platformのサービス内容、できること・できないことを紹介します。
目次
Power Platformとは、Microsoftが提供する業務効率化を図るアプリケーションのプラットフォームです。Power BIやPower Apps、Power Automateなどの総称であり、ローコード開発できることがコンセプトになっています。
業務プロセスの自動化やデータ分析、業務アプリケーションの開発など、プログラミングの知識がなくても活用できます。
Power Platformの活用により、DX化への対応はもちろんのこと、内製化の実現や人材不足の解消などにつなげることが可能です。
ローコードについては、下記の記事で詳しく解説しています。
ここからは、Power Platformのサービス内容をご紹介します。
Power Platformのサービス内容は、以下の通りです。
Power BIは、企業や組織が蓄積しているデータの分析や可視化を行い、経営や業務に役立つ情報をローコードで作成できるBIツールです。
ExcelやCSVなど、さまざまなデータソースからデータを取り込み、売上分析や在庫管理、マーケティング分析などに活用できます。収集したデータを視覚的に分かりやすくグラフ化し、経営判断や業務改善にも役立てられます。
Power Appsは、ローコードでビジネスアプリケーションを開発・カスタマイズできるツールです。Power Automateと連携すると、承認プロセスやタスク管理などの業務プロセスを自動化できます。
また、データの入力や処理を自動化し、さまざまなデバイスで利用できるアプリケーションを作成できます。
Power Appsの自動化設定には、テンプレートが用意されているため、比較的簡単に設定を行うことが可能です。
Power Automateは、パソコン業務を自動化できるRPAツールです。RPA(Robotic Process Automation)とは、PCなどのコンピューター上で行われる作業を人の代わりに自動で実施してくれるソフトウェアです。
Power Automateを活用することで、プログラミングスキルがなくてもテンプレートを活用して定型業務を自動化でき、手作業のタスクを削減することで生産性の向上が期待できます。
Power AppsやPower BIなど他のPower Platformと連携でき、外部サービスとの連携も可能です。
Power Virtual Agentsは、ローコードによるボット開発ツールです。自然言語処理を活用してユーザーと対話し、自動的にタスクの実行やサポートを提供できます。
あらかじめ定義した項目や回答に基づいてチャットボットが作成でき、問い合わせ対応などの自動化を実現可能です。
また、セッション数や解決率なども確認でき、チャットボットの運用状況を把握できます。
Power Pagesは、Power Platformの中で最も新しいサービスであり、2022年に公開された外部向けビジネスWebサイトを作成するためのツールです。
優れたデザイン性を備えており、デフォルトのテンプレートを活用することで短期間でWebサイトを構築できます。
また、直感的な操作性により、企業のニーズに合わせた魅力的なWebサイトの作成が可能です。
ここからは、Power Platformを導入するメリットをご紹介します。
Power Platformを導入するメリットは、以下の通りです。
Power PlatformはMicrosoft製品であるため、他のMicrosoftツールとの親和性が非常に高いのが特徴です。
たとえば、Power Appsで作成したアプリケーションにExcelデータを取り込んだり、出力したりなどがボタン一つで実現できます。
Power Platformは、Microsoft製品同士の相互運用性が高いため、ユーザーの利便性を大きく向上することが可能です。
ノーコード開発が可能なPower Platformを活用することで、開発リソースを最小限に抑えることが可能です。
従来の開発方法に比べ、低コストでアプリケーションを構築して運用できます。
また、ソースコードを書くような専門性が求められることが少ないです。そのため、高いプログラミングスキルを持つエンジニアを雇う必要もなく、人件費の削減につながります。
Power Platformは、Microsoftが提供するサービスであるため、データの安全性とセキュリティが非常に高いです。Microsoftは、クラウド環境に対して定期的なウイルスチェックを行っているため、データが消失したりウイルス感染したりするリスクを回避できます。
また、サーバー管理などの手間もかからないため、管理コストやリソースの削減も可能です。
ここからは、Power Platformでできることをご紹介します。
Power Platformでできることは、以下の通りです。
Power Appsを活用することで、ノーコードやローコードでビジネスアプリケーションを開発できます。
具体的には、ビジネスプロセスの自動化や効率化、顧客や従業員向けの新しいデジタルツールの開発など、さまざまな用途に活用できます。そのため、自社にIT部門がない場合でも業務ニーズに適したカスタムアプリケーションの迅速な作成が可能です。
Power Appsを活用することで、新しい業務ニーズにも素早く対応でき、競争力の維持につながります。
Power BIを活用することで、ビジネスのデータの可視化と分析が簡単になります。データを収集し、ダッシュボードやレポートを作成することで、ビジネスの現状を視覚的に把握し、リアルタイムでパフォーマンスやトレンドを分析することが可能になります。
また、高度な分析機能を備えているため、売上推移や生産性の変化、マーケティング施策の効果などを多角的に評価でき、データに基づく経営判断を下すことも可能です。
Power Automateを活用することで、業務プロセスのデジタル化や自動化を実現できます。たとえば、フォームへの入力を受け取ると、自動的に特定のアクションをトリガーしたり、条件を満たした際に通知を送ったりなど、さまざまな自動化ルールを設定可能です。
これまで手作業で行っていた繰り返し作業やルーチンワークを削減でき、生産性の向上に寄与します。
Power Virtual Agentsを活用すると、顧客サポート業務用のチャットボットを作成できます。チャットボットを導入すれば、顧客から質問が寄せられた際にチャットボットが自動的に応答するようになり、顧客の待ち時間を大幅に短縮できます。
また、24時間体制での対応が可能になり、顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
FAQの提供や簡単な問題解決もチャットボットに任せることで、サポート担当者の業務負荷の軽減が可能です。
ここからは、Power Platformでできないことをご紹介します。
Power Platformでできないことは、以下の通りです。
Power Platformは、ローコードの開発ツールのため、比較的シンプルなアプリケーションやワークフローの作成に適しています。しかし、高度なカスタマイズや複雑な業務プロセスが必要な開発には向きません。
高度なカスタマイズや複雑な業務プロセスを開発する場合は、プログラミング言語を用いた専門的な開発環境が必要です。
Power Platformは、中小規模のデータセットや比較的単純なデータ操作に向いています。一方、大規模なデータセットや複雑なデータ処理をする場合は、専門的なデータ処理ツールやデータベースを使用する必要があり、Power Platformでは対応が難しいです。
たとえば、大量のデータを扱う企業向けシステムや高度な解析機能を備えたデータウェアハウスなどには対応が難しいでしょう。
Power Platformは柔軟性と生産性の高さが魅力ですが、データ量や処理の複雑さが増せば限界があるため、用途に合わせてツールを使い分けることが必要です。
Power Platformは、高度なAIや機械学習モデルの開発には向いていません。高度なAIや機能学習モデルを開発するためには、高いプログラミングスキルや専門的なツールやプラットフォームが必要です。
そのため、Power Platformの機能では、高度なAIや機械学習モデルの開発は難しいでしょう。
引用元:システム開発のIC
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システム開発のIC
Power Platformは、Microsoftが提供するノーコード・ローコードの開発プラットフォームです。Power BIやPower Apps、Power Automate、Power Virtual Agents、Power Pagesの5つのサービスから構成されています。
Microsoft製品との親和性が高く、低コストでアプリケーション開発や業務自動化ができます。一方、高度な開発には不向きであるため、用途に応じて活用していくことがおすすめです。
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