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Power Appsとは?できることや活用事例、運用ポイントを解説 |システム開発のIC

作成者: Admin|Jun 3, 2024 3:00:00 PM

近年のビジネス環境では、効率化とスピードアップが求められており、ローコード開発サービスが注目を集めています。Power Appsは、Microsoftが提供するローコードツールの一つで、業務の効率化とスピードアップに貢献します。本記事では、Power Appsの概要やできること、メリットを解説します。

Power Appsとは

Power Appsは、Microsoftが提供するPower Platformというローコード開発サービスの一つです。

Power Appsを活用すれば、コーディング経験がそれほど高くなくても、PowerPointのような直観的なUI操作とExcelのような関数入力で、ビジネスに必要な申請・承認システムや在庫管理アプリケーションなどを手軽に開発できます。

また、初心者の方でも扱いやすく、業務に合わせたカスタマイズができることも魅力の一つです。

 

Power Platformについては、下記の記事で詳しく解説しています。

Power Appsができること

Power Appsができることは、下記の通りです。

  • アナログ業務のデジタル化
  • ルーティン業務の自動化
  • データの一元管理

アナログ業務のデジタル化

PowerAppsを活用すれば、従来の紙ベースで行っていたアナログ業務をデジタル化できます。デジタル化することで、データの入力ミスや書類の紛失リスクを低減し、業務の正確性と効率性が向上します。

また、紙ベースからデジタルフォームへ移行することで、データの追跡と共有が容易になり、業務の可視化と連携が実現できます。具体的には、申請書のステータス管理や承認プロセスの進捗状況の可視化など、業務の見える化が実現可能です。また、関連部署とのデータ連携もスムーズになるため、業務の効率化とコミュニケーションの円滑化につながるでしょう。

ルーティン業務の自動化

Power Appsを活用することで、承認プロセスやタスクの割り当てなど、手動で行っていたルーティン業務の自動化が図れます。
例えば、申請書の提出時に自動で次の承認者に通知が行くといったフローの構築ができるでしょう。

このように、ルーティン業務にかかっていた手間や時間を削減できるため、業務効率を大幅に向上させられます。

データの一元管理

Power Appsを活用すれば、異なるシステムやプラットフォームに分散しているデータを統合し、一元管理できます。従来は、データがシステムごとに管理されていたため、データの検索や分析に時間がかかっていました。

Power Appsを導入することで、重要なデータに素早くアクセスできるようになり、データの品質向上や分析の効率化も実現できます。また、システム間でデータをシームレスに行き来させることで、業務の効率化と意思決定の質の向上も期待できるでしょう。

例えば、営業部門と経理部門で別々に管理していた顧客情報を、Power Appsを使って統合することで、顧客対応の迅速化や、データ分析の精度向上につなげられます。
このように、Power Appsを活用してデータを一元管理することで、業務の生産性向上につなげられます。

Power Appsで開発できるアプリケーションの種類

Power Appsで開発できるアプリケーションは、下記の通りです。

  • キャンバスアプリケーション
  • モデル駆動型アプリケーション

キャンバスアプリケーション

キャンバスアプリケーションは、ユーザーが直感的に画面(GUI)をデザインできるアプリケーションです。デフォルトで存在するパーツをドラッグ&ドロップしたり、Excelのように関数を使用し処理ロジックを構築しながら、自由にデザインできます。

通常のシステム開発で求められるような開発言語の知識がなくても、学習時間を設ければ初心者の方でも開発できるキャンバスアプリケーションは、デザイン性と汎用性に優れているため、ユーザーを対象としたアプリケーション開発に最適です。

モデル駆動型アプリケーション

モデル駆動型アプリケーションは、データの構造や関係性を定義することでアプリケーションの画面や機能を自動的に生成します。データベースに蓄積されたデータに基づいて開発されるため、データ管理やデータ操作に特化したアプリケーションに適しています。

モデル駆動型アプリケーションは、複数の機能を一つのシステムとして開発できるため、キャンバスアプリケーションよりも本格的な開発が可能です。ただし、高度な機能を実装するためには、データモデルの設計や関数の定義など、より専門的な知識が求められます。そのため、モデル駆動型アプリケーションの開発難易度は、キャンバスアプリケーションと比べて高くなる傾向にあります。

Power Appsの活用事例

ここからは、Power Appsの活用事例をご紹介します。

Power Appsの活用事例は、下記の通りです。

  • 経済産業省
  • Vodafone(ボーダフォン)

経済産業省

経済産業省では、gBizFORMという行政手続きのデジタル化を推進するサービスを提供しています。gBizFORMでは、従来の紙ベースの申請書類をWeb上で提出できるようにすることで、申請者の利便性向上と行政側の業務効率化を図っています。

経済産業省では、gBizFORMの申請ページと申請内容の受理画面の開発にPower Appsを活用しました。具体的には、申請ページの作成にPower Appsのキャンバスアプリケーションを使用し、受理画面の開発にはPower Appsのモデル駆動型アプリケーションを使用しています。

Power Appsを導入したことで、従来のシステム開発と比較して開発工数を大幅に削減することに成功しました。

出典:経済産業省事例

Vodafone

Vodafoneでは、Power Appsを使って開発したアプリを活用し、顧客支払いプロセスの業務効率化で、支払い処理を40%削減しました。
以前は主にメールやスプレッドシートを使用した手動プロセスで解決されており、膨大な時間がかかっていましたが、Power Appsで開発したアプリを活用することで、業務プロセスの負担を大幅に軽減することに成功しています。

出典:Vodafone 事例

Power Appsのライセンス料金

Power Appsのライセンス料金は、下記の通りです。

  • サブスクリプションプラン
  • 従量課金プラン

出典:Power Apps の価格 | Microsoft Power Platform

サブスクリプションプラン

Power Appsのサブスクリプションプランは、月額固定料金制です。
利用量に関わらず、毎月一定額の料金でPower Appsを利用できます。

このプランには、さらに下記の2種類があります。

  • アプリケーションごとのプラン
  • ユーザーごとのプラン

アプリケーションごとのプラン

アプリケーションごとのプランでは、一人のユーザーが一つのアプリケーションを一ヶ月間使用できるプランです。価格は月額540円と比較的リーズナブルなのが特徴です。

ユーザー数やアプリケーション数を増やしたい場合は、それに応じてライセンスを追加する必要があります。柔軟にユーザーやアプリケーションを管理できる反面、規模が大きくなるとコストも高くなるため注意が必要です。

ユーザーごとのプラン

ユーザーごとのプランは、一人のユーザーがすべてのアプリケーションを一ヶ月間使用できるプランです。アプリケーションをどれだけ使用したとしても、月額2,170円で固定されています。

ユーザー数を増やす場合は、追加料金がかかります。使用するユーザー数に合わせて最適なプランを選択することが重要です。

従量課金プラン

従量課金プランは、Power Appsの利用に応じて課金されるプランです。例えば、一人のユーザーが一ヶ月の間に一つのアプリケーションを利用し続けた場合の料金は、1,120円です。ユーザー数やアプリケーション数が増えれば、料金はさらに増額します。

従量課金プランはAzureサブスクリプションに含まれており、別途ライセンス契約は必要ありません。

また、ユーザー数の変更に合わせてライセンスを調整する手続きも行う必要はなく、利用者の手間を削減できます。

Power Appsのメリット

Power Appsのメリットは、下記の通りです。

  • ロースキルでもアプリケーション開発ができる
  • 開発環境の用意がいらない
  • Microsoft製品と高い親和性がある

ロースキルでもアプリケーション開発ができる

Power Appsは、高度なプログラミングスキルがなくてもアプリケーションを開発できるローコード開発ツールです。従来のアプリケーション開発では、専門的なプログラミング知識やスキルが必要とされていました。しかし、Power Appsを使えば、高いプログラミングスキルがなくても、ドラッグアンドドロップの直感的な操作でアプリケーションを開発することが可能です。

Power Appsには、あらかじめ用意されたテンプレートが豊富に用意されています。ユーザーはこれらのテンプレートを選択し、必要に応じてカスタマイズすることで、目的に合ったアプリケーションを手軽に開発できます。また、Power Appsの操作感は、PowerPointやExcelと似ているため、普段からこれらのツールを業務で利用している人であれば、すぐに習得できるでしょう。

開発環境の用意がいらない

Power Appsは、Web上で開発できるローコード開発ツールです。
専用のソフトウェアをインストールする必要がなく、ブラウザさえあればどこからでも開発できます。また、Power AppsはWindowsやEdgeだけでなく、MacやChromeOSなどのブラウザでも開発できます。そのため、Power Appsを利用すれば、PC環境に左右されることなく手軽に開発に取り組めます。

Microsoft製品と高い親和性がある

Power Appsは、さまざまなデータソースと連携できますが、特にMicrosoft製品との親和性が高いのが特徴です。具体的には、Microsoft 365が提供しているPower BIなどのデータと接続ができ、Excelデータや蓄積されたデータを業務アプリケーションに取り込むことが可能です。

例えば、ExcelのデータをPower Appsで開発した業務アプリケーションに取り込み、リアルタイムで更新・分析できます。また、Power Appsで開発した業務アプリケーションに蓄積されたデータを、Wordの報告書として出力することもできます。
このように、Microsoft製品を中心に構築されたシステムにPower Appsを組み合わせれば、シームレスな連携が期待できるでしょう。

Power Appsの活用ポイント

Power Appsの活用ポイントは、下記の通りです。

  • 運用ルールを社内で決めておく
  • 効果的な運用を目指すなら外注を検討する

運用ルールを社内で決めておく

Power Appsを効果的に活用するためには、運用に関するルールを事前に明確に決めておくことが重要です。
運用ルールを決める際は、下記のような点に考慮します。

項目

内容

データの入力フォーマット

日付の表記方法や数値の単位、必須入力項目などを決めておく

データの更新頻度

業務に合わせた更新頻度(日次更新、週次更新、月次更新など)

を設定する

データの共有範囲

データの種類に応じた共有範囲(部署内限定、全社共有、外部共有不可など)を設定する

ルールを決めておくことで、アプリケーションの利用者全員が同じ認識を持ってスムーズに運用できるようになり、Power Appsの効果を最大限に引き出せるでしょう。

効果的な運用を目指すなら外注を検討する

Power Appsを導入し、業務効率化を図るためには、適切な運用体制を整えることが重要です。しかし、自社にIT部門がない場合や人的リソースが不足している場合は、Power Appsの導入や目的の達成に時間がかかる可能性があります。
そのような場合は、システム開発会社への外注がおすすめです。システム開発会社には豊富な経験とスキルが蓄積されており、自社に最適なソリューションを提供してくれます。
自社だけでは気づかなかった課題や改善点を、開発会社の知見を借りることで解決できるでしょう。

システム開発はICにお任せください

引用元:システム開発のIC

株式会社ICは40年以上の歴史を持つ企業で、業界や規模を問わずシステム開発を請け負っています。経験豊富なエンジニアが多数在籍しており、Power Appsをはじめとしたローコード開発にも強みを持ち、各種システムの開発や設計なども支援いたします。

また、システム導入後のメンテナンスや改修などのアフターフォロー体制も整えており、24時間のフルサポートも可能です。


システム開発を検討中の企業様は、ぜひICにご相談ください。
システム開発のIC

まとめ

本記事では、Power Appsの概要やできること、メリットを解説しました。

Power Appsは、Microsoftが提供するPower Platformというローコード開発サービスの一つです。Power Appsを活用することで、アナログ業務のデジタル化やルーティン業務の自動化、データの一元管理など業務の効率化が期待できます。Power Appsは、普段からPowerPointやExcelを使い慣れている人であれば扱いやすいローコード開発サービスです。Power Appsを効果的に活用するためには、運用ルールを社内で決めておくことが重要です。また、自社だけで対応が難しい場合は、システム開発会社への外注も検討しましょう。

システム開発のご依頼なら、システム開発のICにご相談ください。

 

※2024年7月時点の仕様です。現在は異なっている可能性があります。