MVCフレームワークとは、MVCモデルをもとに組み立てられたフレームワークのことで、多くの現場で実際に用いられている仕組みです。今回は、MVCフレームワークの3つの要素やメリットとデメリット、Web上での流れ、言語別の種類をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
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そもそもMVCモデルとは、Webアプリケーションに必要な機能群を、以下の3つの要素に分割する設計モデルのことです。
MVCモデルの要素のひとつがController(コントローラ)です。Controllerは、ModelとViewそれぞれに指示を出し、プログラムの制御をおこないます。
Controllerの担当は、.phpファイルです。ユーザーが入力したリクエストにあわせて適したModelを呼び出し、データを取り出したうえで、画面に表示できるようにViewに指示を出すという役割があります。データベースへのアクセスが不要な場合であっても、Controllerは値を受け取るのみで、Modelに処理を任せるのが特徴です。
MVCモデルの要素のひとつに、Viewもあります。Viewとは、Modelが検索した結果のデータを出力する機能のことです。最終的に画面へと表示する機能であり、レイアウトやメニュー、ボタンの操作性など、「ユーザーインターフェイス」の役割を担います。
Viewは、.phtmlファイルが担当することが多いです。
ModelもMVCモデルの重要な要素のひとつです。以下のようにさまざまな役割を担う重要な機能で、システムの根幹や本体ともいえます。
プログラムのメイン処理
データの保持
データベースの接続や操作
データの検証(バリデーション)
関連付け(アソシエーション) など
Modelは、細かい処理も含めたビジネスロジックを実行する部分です。.incファイル(インクルードファイル)に記載のPHPのクラスが担当します。
MVCフレームワークのメリットは、「変化に対して臨機応変に対応できること」「機能ごとの独立性が高いこと」などです。一方でデメリットは、「製品の規模が拡大するほどに管理が大変になること」「フレームワークのルールを覚える必要があること」などがあります。
どのようなメリットとデメリットがあるのか、それぞれ確認していきましょう。
MVCフレームワークを用いる主なメリットは、以下のとおりです。
変化に対して臨機応変に対応できる
機能ごとの分業がしやすい
素早いデータの受け渡しができる
3つの要素に分かれているMVCフレームワークを用いることで、デザインのみを変更するなど一部分の修正がしやすくなります。また、機能ごとの独立性が高く、分業しやすいこともメリットです。ルーティングがURLの受け渡しをすることで、Controllerの指示が最適化され、素早いデータの受け渡しができます。
一方、MVCフレームワークの主なデメリットは、以下のとおりです。
製品の規模が拡大すると、情報データの管理が難しくなる
複雑な出力要件が多いと、「View」と「Controller」への依存性が高くなる
製品の規模が拡大すると「Model」への負担が大きくなり、情報データの管理が大変になってしまうことがあります。複雑な出力要件が多い場合には「View」と「Controller」への依存性が高くなり、修正しにくくなることがデメリットです。
また、フレームワークを利用するときに、そのためのルールを覚えなければならないこともデメリットだといえます。
MVCフレームワークのWebサーバー上での主な処理の流れは、以下のとおりです。
クライアントからリクエストを受け取る
各モジュールがレスポンス値を生成する
生成したレスポンス値をクライアントに送る
Webサーバーにクライアントがアクセスしてからレスポンスが返ってくるまでに、このようにさまざまな処理をしています。
それでは、MVCフレームワークがWeb上でどのような処理を行うのか、具体的な流れを確認しましょう。
まずはControllerがクライアントからリクエストを受け取ります。Controllerがリクエストを受け取る際には、ルーティングがブラウザから送られたURLを処理して最適化するため、機能同士でスムーズなやり取りが可能です。さらに、Controllerがそのリクエストに必要なデータをModelへと渡します。
次に、Controllerからリクエストに必要なデータを受け取ったModelがレスポンス値を生成し、再度Controllerにデータを渡した後、ControllerからViewにデータを渡します。このときの詳細な流れは、以下のとおりです。
Modelが必要なデータをデータベースから検索する
適切なデータをデータベースからModelへと受け渡す
Modelがレスポンス値を生成する
ModelからControllerにそのデータを渡す
さらにControllerからViewにデータを渡す
このような流れでレスポンス値を生成し、データを受け渡します。
レスポンス値を生成した後、Viewに渡されたデータをもとに画面上に表示するデータを作り、クライアントに送ります。詳しくは、以下のように処理されています。
受け取ったレスポンス値をもとに画面上に表示するデータを作る
ViewからControllerに動的生成したHTMLを渡す
動的生成したHTMLをクライアントに渡し、画面上にデータを表示する
MVCフレームワークは、汎用性の高さと作業の効率化が可能なことにより、さまざまな種類のプログラミング言語で利用されています。各プログラミング言語で使用されている主なMVCフレームワークは、以下のとおりです。
Ruby……Ruby on Rails
Java……Spring Framework
PHP……Laravel・CakePHP・FuelPHP
それぞれの種類と特徴を詳しく確認しましょう。
Ruby用のMVCフレームワークでは、デンマークのプログラマーが作ったRuby on Railsが有名です。Ruby on Railsを用いると、Webアプリケーションを簡単なコードのみで作成できます。エンジニアの間では、「Rails」の略称で親しまれているMVCフレームワークです。
なお、Rubyは日本で初めて作成されたプログラミング言語で、初心者でもプログラミングしやすい言語だといわれています。
Java向けのMVCフレームワークとして非常によく使われているのは、Spring Frameworkです。Spring Frameworkは、「Spring」の略称で呼ばれることがあります。
Javaは、OSなどの環境やソフトに依存せずに使用可能なプログラミング言語です。汎用性の高さが魅力で、多くの現場で用いられています。
PHP向けのMVCフレームワークとして有名なのは、以下の3つです。
Laravel
CakePHP
FuelPHP
PHPはHTMLを埋め込み可能で、Web開発に適したプログラミング言語だといわれています。プロフェッショナルが求めるさまざまな機能があるうえに、初心者でも理解しやすいプログラミング言語で、実際の現場で使われることが多いです。
それぞれのPHP向けMVCフレームワークの特徴を、さらに詳しく確認していきましょう。
Laravelは、自由度の高さや使いやすさが魅力のMVCフレームワークです。知名度の高いフレームワークである「Symphony」をベースに作られていて、国を問わずエンジニアたちに親しまれています。PHPに慣れていない人でもすぐに書き始めやすく、美しいコードを書けるMVCフレームワークとしての評価が高いです。
CakePHPは、Webアプリケーションを素早く開発可能なMVCフレームワークです。簡単なコードのみで作成できる「Ruby on Rails」の影響を強く受けたMVCフレームワークで、「ケーキを焼くように簡単に開発できる」というコンセプトから「ケーキ」と呼ばれています。日本語で利用できる学習サイトや優れたドキュメントが豊富にあり、さらに環境の整備がほぼ必要ないため、導入しやすいでしょう。
FuelPHPは、高度なWebアプリケーションの開発が可能なMVCフレームワークです。比較的新しいフレームワークであるため、以前からあるフレームワークの良さなどを採り入れて作られています。
特に影響を大きく受けたのが、軽量で速度重視なフレームワークの「CodeIgniter」で、FuelPHP自体も比較的軽量でシンプルです。FuelPHPは「規約より設定を重視」というコンセプトで設計されていて、柔軟性や自由度の高いコーディングができます。
MVCモデルとは、Webアプリケーションに必要な機能群を、「Model」「View」「Controller」の3つの要素に分ける設計モデルのことです。そして、MVCモデルをもとにしたフレームワークをMVCフレームワークと呼びます。
MVCフレームワークのメリットは、「変化に対して臨機応変に対応できること」「機能ごとの独立性が高いこと」などです。一方で、「製品の規模が拡大するほどに管理が大変になること」「フレームワークのルールを覚える必要があること」などのデメリットがあります。
今回ご紹介した3つの要素やメリットとデメリット、実際の流れ、言語別の種類などを確認し、MVCフレームワークへの理解を深めましょう。