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工場・製造業がIT化するメリットとは?活用できるシステムやポイントを紹介|システム開発のIC

作成者: Admin|Sep 9, 2024 3:00:00 PM

工場・製造業は、モノづくりの中核を担う重要な産業であり、経済発展に大きく貢献しています。

しかし、他業種に比べて、工場・製造業のIT化は遅れており、グローバル化や市場の急激な変化のなかで、成長し続けるためには、IT化の促進が必要です。

本記事では、工場・製造業のIT化が遅れている理由や活用できるシステム、進めるポイントを解説します。

工場・製造業のIT化の現状

総務省が発表した『令和3年の情報通信白書』によると、工場・製造業のIT化・DX化への取り組みは、「実施していない、今後も予定なし」と回答した企業が5割以上に上ることが明らかになりました。

一方で、情報通信業や金融業・保険業などの業種では、6割以上の企業がIT化・DX化を進めていると回答しています。

この結果から、工場・製造業のIT化は他の業種と比較して遅れていることがわかります。

工場・製造業のIT化が遅れている理由

工場・製造業のIT化が遅れている理由は、下記の通りです。

  • 既存システムの存在
  • 初期投資の大きさ
  • ITに対する専門知識の不足
  • 文化的・組織的な抵抗

既存システムの存在

多くの製造業・工場では、すでに使用している古い既存システムや設備があり、これらを新しいITシステムに置き換えることは容易ではありません。

例えば、既存システムには、製品を造る際に複雑な工程が組み込まれていることも多く、汎用的なシステムでは対応が難しいことがあります。

また、既存システムの大規模な入れ替えや更新を行う際には、一時的な生産停止(ダウンタイム)が発生し、業務に支障をきたす可能性があります。

さらに、新しいシステムの導入に伴い、社員への追加トレーニングなどが必要なこともあり、IT化の障壁となっています。

初期投資の大きさ

工場・製造業のIT化には、システム導入や設備更新に伴う多額の初期投資が必要となります。

特に中小企業にとっては、限られた予算のなかで大きな投資判断を迫られるため、IT化に踏み切れないケースが少なくありません。

また、投資に対するリターンが見込めるかどうかは、導入してみないとわからない部分もあるため、なかなか踏み切れないという現実があります。

ITに対する専門知識の不足

工場や製造業でIT化が遅れている理由の一つに、ITに関する専門知識の不足が挙げられます。

具体的には以下のような課題があります。

  • 工場の現場スタッフのITリテラシーが低い
  • IT部門の人員が少なく、ノウハウが蓄積されていない
  • 経営層がIT投資の重要性を十分に理解していない

ITに対する専門知識の不足は、IT化を進める上で大きな障壁となっています。この課題の解決なくして、工場・製造業のIT化の推進は難しいでしょう。

文化的・組織的な抵抗

工場や製造業では、長年にわたって培ってきた独自の業務プロセスやノウハウがあります。

そのため、「これまでのやり方」に対する慣れや安心感から、新しい技術に対して強い抵抗感を感じる場合があります。

また、IT化によって業務フローが大きく変化することへの不安や、既存の社員がその変化に対応できるかどうかへの懸念もあり、組織全体としてIT化に踏み切ることが難しくなります。

工場・製造業がIT化するメリット

工場・製造業がIT化するメリットは、下記の通りです。

  • 生産性の向上
  • 品質向上と不良品削減
  • 業務の標準化の実現

生産性の向上

工場・製造業がIT化を進めることで、生産性の大幅な向上が期待できます。

例えば、生産管理システムを導入することで、生産工程全体を可視化し、適切な工程管理が行えます。

これにより、作業効率の改善や生産リードタイムの短縮につながるでしょう。また、システムによるデータ分析を活用することで、ボトルネックとなっている工程を特定でき、作業の遅延や滞留を防ぎ、生産性を向上できます。

品質向上と不良品削減

工場・製造業がIT化を進めることで、製品の品質管理をリアルタイムで行えるようになります。

例えば、IoTセンサーやAIを活用して生産過程を常時監視することで、不良品が発生する前に異常を検知できます。これにより、不良品の発生を最小限に抑え、製品の品質を大幅に向上できるでしょう。

また、品質管理業務の自動化により、人為的ミスを防ぎ、品質の安定化につなげることもできます。

このようにIT化を推進することで、製品の品質向上だけでなく、製造プロセスの効率化も実現できます。

業務の標準化の実現

IT化を進めることで、業務手順やプロセスの標準化が実現します。

従来、製造現場では熟練した作業者の経験や勘に頼る部分が多く、作業手順やノウハウが属人化していました。

しかし、ITシステムを導入することで、作業手順を明確化し、誰でも同じように作業できるようになります。

例えば、作業手順をデジタル化してタブレット等で確認できるようにすれば、経験の浅い社員でも正確に作業を遂行できるようになります。また、作業データを蓄積・分析することで、ベストプラクティスを抽出し、全社的に展開することも可能です。

このようにIT化による業務の標準化は、属人的な要素を減らし、現場全体の効率化と安定稼働に貢献できます。

工場・製造業のIT化に活用できるシステム

工場・製造業のIT化に活用できるシステムには、下記のようなものが挙げられます。

  • SCMシステム
  • PDMシステム
  • PLMシステム
  • IoTプラットフォーム

SCMシステム

SCMシステムは、サプライチェーン全体を管理・最適化するための情報システムです。

サプライチェーンとは、原材料の調達から製品の製造、流通、販売、最終顧客に至るまでの一連の流れのことです。

この流れには、原材料を扱う仕入れ業者、製品を運ぶ配送業者、製品を販売する小売業者など、さまざまな企業が関わっています。

SCMシステムを導入することで、サプライチェーン全体の無駄を排除し、業務の効率化が図れるでしょう。

具体的には、サプライチェーンに関わっている各企業や組織間の情報共有や連携を促進し、在庫の適正化や生産計画の最適化、リードタイムの短縮などが実現します。

PDMシステム

PDMシステムは、製品の企画や設計、生産に関する情報を一元管理できるシステムです。

仕様書や指示書、スケジュールなどの計画書を一箇所で管理することで、部門間の情報共有や連携がスムーズになり、生産性の向上が期待できます。

従来、工程や部門ごとに個別に管理されていたデータを、PDMシステムで一元管理することで、全体の情報を把握しやすくなります。

これにより、設計変更や仕様変更があった場合でも、関連部門に迅速に情報を伝達でき、手戻りや無駄を削減できるでしょう。

また、設計データの再利用や過去の類似製品の情報を参照することが容易になり、設計業務の効率化や、品質の向上にもつながります。

PLMシステム

PLMシステムは、製品のライフサイクル全体を管理するための情報システムです。

PDMシステムが主に設計・生産段階の情報を管理するのに対し、PLMシステムは製品の企画から廃棄までの全工程における情報を一元管理できます。

例えば、企画段階での製品コンセプトや設計段階での仕様書、生産段階での製造指示書、販売段階での取扱説明書、廃棄段階でのリサイクル情報など、製品に関わる全ての情報をPLMシステムで管理できます。

PLMシステムを導入することで、製品情報を全社的に共有でき、部門間の連携がスムーズになるでしょう。

IoTプラットフォーム

IoTプラットフォームは、工場内の設備やセンサーをインターネットに接続し、データを収集・分析するための基盤システムです。
IoTプラットフォームの主な機能としては、下記の3つが挙げられます。

機能

内容

リアルタイムモニタリング

  • 生産設備やライン、環境条件などをリアルタイムで監視
  • センサーやカメラなどのデバイスから収集したデータをリアルタイムで可視化
  • 異常発生時に即座に対応可能
  • 設備の予期せぬ停止や不良品の発生を未然に防止

予知保全

  • 収集したデータを分析し、設備の故障や不具合を事前に予測
  • 計画的にメンテナンスを実施
  • 設備の状態を常時監視し、異常兆候を検知
  • 突発的な故障を防止し、ダウンタイムを最小限に抑制

データ分析

  • 収集したデータを分析し、製造工程の改善や最適化に活用
  • 設備の稼働データや品質データを分析
  • ボトルネックの特定や不良品の発生原因の究明に活用

IoTプラットフォームを活用することで、生産現場の課題解決と業務改善が図れるでしょう。

工場・製造業のIT化を進めるポイント

工場・製造業のIT化を進めるポイントは、下記の通りです。

  • IT化の目標を定める
  • 社員の理解と協力を得る
  • システム開発会社に依頼する

IT化の目標を定める

工場・製造業のIT化を進める際は、明確な目標を定めましょう。
具体的な目標としては、下記のようなものが挙げられます。

  • 生産効率の向上
  • 在庫管理の最適化
  • 品質管理の強化

目標を定めることで、導入すべきシステムや必要な予算が明確になります。IT化すべき課題が複数ある場合は、予算との兼ね合いを考慮し、優先順位をつけましょう。

効果が大きい部分や改善が急務な部分から優先的にIT化を進めることで、投資対効果を最大化できます。

社員の理解と協力を得る

IT化の成功は、単に技術的な側面だけでなく、組織全体の受け入れ態勢や社員の協力度合いに大きく左右されます。

そのため、IT化の目的や目標を社員に対して、「なぜIT化が必要なのか」、「どのような効果が期待できるのか」といった点を具体的かつ丁寧に伝え、社員の理解を得ましょう。

また、システム導入後も、現場の声に耳を傾け、ニーズに基づいてシステムをカスタマイズしていくことが大切です。

業務に即した最適な環境を継続的に整備していくことで、社員の協力が得やすく、IT化の効果を最大限に引き出せます。

システム開発会社に依頼する

工場・製造業のIT化を進めるためには、ITコンサルタントとITエンジニアが多く在籍しているシステム開発会社への依頼がおすすめです。

自社だけでIT化を進めようとしても、ノウハウやリソースが不足している場合、スムーズに進まない可能性があります。また、工場・製造業といっても、会社の規模や扱っている製品によって、最適なIT化の方法は異なります。

経験豊富なITコンサルタントであれば、自社のIT課題を的確に分析し、最適なソリューションを提案してくれるでしょう。

さらに、コンサルティングだけでなく、システム開発まで対応できる会社であれば、ワンストップでIT化を実現できます。

IT化は単なるシステム導入だけでなく、業務プロセスの見直しや組織変革も必要です。経験豊富なシステム開発会社のサポートを受けることで、スムーズかつ効果的なIT化を進められます。

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引用元:システム開発のIC

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コンサルティング|システム開発のIC

まとめ

本記事では、工場・製造業のIT化が遅れている理由や活用できるシステム、進めるポイントを解説しました。

工場・製造業のIT化は、既存システムの存在や初期投資の大きさ、ITの専門知識不足などが原因で、他業種と比較して遅れています。

IT化に活用できるSCMシステムやPLMシステム、IoTプラットフォームなどを導入することで、生産性の向上や品質の向上などが期待できます。

IT化を進める際は、ITコンサルタントとITエンジニアが多く在籍しているシステム開発会社への依頼がおすすめです。

工場・製造業のIT化のご依頼は、下記からお問い合わせください。

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