顧客管理や案件管理、在庫管理などをエクセル(Excel)で運用している企業は多くあります。しかし、業務量や管理項目が増えるにつれて情報共有の複雑化や入力ミス、属人化といった課題が発生しやすくなります。
近年は、こうした課題を改善する方法として脱エクセルを進める企業も増えています。本記事では、脱エクセルによって得られるメリットや進める際の注意点、改善しやすい業務などを解説します。
目次
脱エクセルとは、これまでエクセルで行っていた業務管理を見直し、業務内容に合ったシステムやクラウドツールへ移行する取り組みです。顧客管理や案件管理、勤怠管理などの情報共有やデータ管理を行いやすくする目的で進められています。
また、エクセルで分散していた情報を一元管理し、更新作業や確認作業を整理しやすくするといったケースも挙げられます。脱エクセルは、現在の業務内容や運用方法に合わせて管理方法を見直していく取り組みとして注目されています。
エクセルは手軽に利用できる反面、業務規模が拡大すると管理負担が大きくなりやすい特徴があります。たとえば、データ量が増えるとファイルが重くなり、必要な情報を探すだけでも時間がかかります。
また、複数人で同時に管理する運用の場合だと更新内容の競合や入力ミスが発生しやすく、最新情報がわかりにくくなることも少なくありません。さらに、入力ルールが統一されていない場合は担当者ごとに管理方法が変わり、情報共有や引き継ぎが難しくなる可能性もあります。
こうした背景から、業務改善を目的として脱エクセルを進める企業が増えています。
脱エクセルを進めることで、情報共有や管理業務に関する負担を見直しやすくなります。
脱エクセルによって得られるメリットとして、以下の5つが挙げられます。
情報共有をスムーズに行いやすくなる
入力ミスや管理漏れを減らしやすくなる
業務の属人化を防ぎやすくなる
データをリアルタイムで確認できる
業務改善やDX推進につなげやすくなる
これらのメリットについて、以下から詳しく見ていきましょう。
脱エクセルを進めることで、必要な情報を関係者同士で共有しやすくなります。クラウド型の業務管理ツールを活用すると同じデータへ複数人がアクセスしやすくなり、更新内容もリアルタイムで確認できるようになります。
また、ファイルの受け渡しや最新版確認といった作業を減らすことができ、情報確認の負担軽減を図ることも可能です。脱エクセルは、部署間や拠点間でもデータを共有しやすくなるのが大きなメリットです。
脱エクセルによって管理方法を統一すると、入力ミスや確認漏れを防ぎやすくなります。業務管理ツールでは入力形式の指定や必須項目の設定を行えるものも多く、一定のルールに沿ってデータを管理しやすくなります。
また、自動通知や進捗管理機能を活用すれば対応漏れや確認忘れも把握することが可能です。管理精度を高めやすくなることで、日常業務の負担軽減や対応品質の安定化にもつながるでしょう。
脱エクセルを進めることで、業務内容や管理方法をチーム内で共有しやすくなります。管理ルールやデータの保存場所を統一しやすくなるため、特定の担当者だけが業務を把握している状態を防ぎやすくなります。
また、進捗状況や対応履歴を複数人で確認しやすくなることで担当者変更時の引き継ぎも進めやすくなります。継続的に業務を運用しやすい体制を整えやすくなるのが脱エクセルのメリットです。
脱エクセルによってデータを一元管理しやすくなると、最新情報をリアルタイムで確認できるようになります。営業状況や案件進捗、予約状況などを即時に把握しやすくなることで、状況確認や対応判断もスムーズに進めやすくなります。
また、複数拠点や外出先からでも同じ情報を確認しやすくなるため、場所を問わず業務を進めることも可能です。脱エクセルは、情報更新のタイムラグを減らしやすくなるのが特徴です。
脱エクセルを進めることで、業務全体の流れを整理しやすくなります。データを一元管理しやすくなれば集計や分析に活用しやすくなり、業務課題を把握できるようになります。
また、手作業で行っていた業務を自動化しやすくなるため、業務効率化にもつなげることが可能です。さらに、デジタルツールを活用する環境を整えれば業務全体の見直しや改善も進めやすくなるでしょう。
脱エクセルには多くのメリットがある一方で、進める際には注意点が存在します。
脱エクセルを進める際に押さえておきたい注意点として以下の4つが挙げられます。
移行直後は現場負担が増える場合がある
運用ルールを整備しないと混乱しやすい
ツール導入だけでは業務改善につながらない
現場に定着するまで時間がかかる
以下では、それぞれの注意点について解説します。
脱エクセルを進める際、新しいツールや管理方法に慣れるまで一定の負担が発生する点には注意が必要です。初期設定やデータ移行、操作方法の確認などが必要になるため、導入直後は通常業務と並行して対応を進める場面が多くなります。
また、これまでの運用方法と操作手順が変わることで現場担当者が戸惑い、業務効率が落ちてしまうことも少なくありません。
脱エクセルでは、ツール導入前に運用ルールを整理することが重要です。入力方法や更新手順、管理権限などが明確になっていない場合、担当者ごとに運用方法が変わってしまい、情報管理が複雑になることがあります。
また、ルールの共有が不十分な状態だと入力漏れや確認ミスが発生しやすくなり、必要な情報を正しく管理することが難しくなることもあります。
脱エクセルは、ツールを導入しただけで業務が改善されるとは限りません。現在の業務フローや管理方法を整理しないまま移行を進めると管理環境が変わるだけになり、日常業務の負担が残ってしまうことがあります。
また、自社業務に合わないツールを導入した場合は必要な情報を管理しづらくなったり、既存業務との運用差が大きくなったりするケースもあります。
脱エクセルでは、新しい管理方法や操作手順が現場へ浸透するまで一定の時間がかかります。これまで利用していた運用方法と管理フローが変わることで、日常業務の進め方に戸惑う場面も出てきます。
また、業務内容によっては従来の管理方法と新しいツールを並行して運用するケースもあり、管理方法が一時的に複雑になることも少なくありません。部署や担当業務によって利用頻度や理解度にも差が出やすく、運用が安定するまで時間を要する場合があります。
脱エクセルは、情報共有や更新作業が多い業務ほど効果を得やすくなります。
特に改善しやすい業務として、以下の5種類が挙げられます。
営業管理
案件管理
顧客情報の管理
勤怠・シフト管理
在庫・発注管理
以下では、脱エクセルで改善が期待できる業務について解説します。
営業管理では、顧客情報や商談履歴、対応状況などを継続的に更新する必要があります。脱エクセルを進めることで営業情報をまとめて管理できるようになるため、案件状況や対応履歴を共有しやすくなります。
また、担当者ごとの進捗状況も確認できるため、チーム全体で営業活動を把握することも可能です。
案件管理では、進捗状況や担当者、対応期限などを関係者間で共有する必要があります。脱エクセルによって案件情報を一元管理すると対応状況を確認できるようになり、進捗共有も行いやすくなります。
また、対応漏れや確認不足にも気づきやすくなります。さらに、案件ごとの状況を整理しながら業務を進めやすくなる点も脱エクセルを進めることで起こる変化の一つです。
顧客情報の管理では、問い合わせ履歴や契約内容、対応状況などを適切に共有することが求められます。脱エクセルを進めることで顧客情報をまとめて管理できるようになり、必要な情報を検索しやすくなります。
また、担当者以外でも顧客状況を確認しやすくなるため、引き継ぎや問い合わせ対応も進めやすくなるでしょう。
勤怠やシフト管理では、勤務時間や出勤状況などを日々確認する必要があります。脱エクセルによって管理方法を見直すことで勤務状況を共有しやすくなり、シフト調整が進めやすくなります。
また、勤務実績や申請内容を一覧で把握しやすくなるため、確認漏れや集計時の負担軽減にもつながります。
在庫や発注管理では、在庫数や入出庫状況を継続的に確認する必要があります。脱エクセルを進めることで在庫情報を一元管理できるようになり、発注状況や在庫状況を確認しやすくなります。
また、複数拠点の情報も共有できるようになるため、在庫確認や発注対応を進めやすくなります。
脱エクセルを進める際は、現在の業務内容や管理方法を整理したうえで段階的に移行を進めることが重要です。
ここでは、以下の内容に沿って進め方を解説します。
まずは課題の大きい業務から整理する
現在のエクセル運用を可視化する
小規模な業務から段階的に移行する
自社に合ったツールを選定する
脱エクセルを進める際は、最初に現在の業務課題を整理することが大切です。管理負担が集中している業務を整理することで、優先的に見直すべき内容も把握しやすくなります。
すべての業務を同時に変更するのではなく、課題が大きい業務から段階的に進めることで現場負担を抑えながら移行することができます。
脱エクセルを進める前は、現在の運用方法を整理する必要があります。「どの部署がどのファイルを利用しているのか」「どのような手順で更新や共有を行っているのか」などを把握することで、運用上の課題を見つけやすくなります。
また、入力ルールや管理方法が統一されているかを確認すれば改善が必要な部分も整理することが可能です。現状を可視化しておくことで、移行後の管理方法や運用フローも検討しやすくなります。
脱エクセルでは、一部業務から段階的に移行を進める方法が適しています。最初から大規模に切り替えると現場対応や運用調整の負担が大きくなってしまうため、まずは比較的影響範囲が小さい業務から導入を進めるのが大切です。
また、実際の運用状況を確認しながら改善を進めれば現場に合わせて調整でき、定着状況も確認しやすくなります。
脱エクセルでは、導入するツールによって運用方法や管理しやすさが大きく変わります。業務内容に合っていないツールを選定した場合、必要な情報を扱いにくくなったり日常業務が複雑になったりすることがあります。
また、ツール導入に合わせて現在の業務フローを整理しておかなければ、従来の課題を残したまま運用を続けることにもつながります。脱エクセルを進める際は操作性や情報共有のしやすさなども含め、自社業務に適した運用方法を検討することが重要です。
引用元:システム開発のIC
脱エクセルを進める際は、現在の業務フローや運用課題を整理したうえで自社に合った方法を検討することが重要です。管理方法が業務内容に合っていない場合だと、導入後に運用負担が増えてしまうかもしれません。
ICでは、ITソリューション事業で培ってきた技術力とコンサルティング力を活かし、現場目線で課題整理から支援しています。
また、業務内容や運用状況を確認したうえで課題の可視化や改善方法の提案を行い、業務に合わせた運用体制づくりもサポートします。現在のエクセル運用に限界を感じており、脱エクセルを検討している場合は、ぜひICまでご相談ください。
脱エクセルは、エクセルによる業務管理を見直して業務内容に合った管理方法へ移行する取り組みです。脱エクセルを進めることで、情報共有やデータ管理を整理しやすくなり、営業管理や案件管理、在庫管理など、さまざまな業務を進めやすくなります。
ただし、ツール導入だけでは運用改善につながらないケースもあるため、現在の業務フローや課題を整理したうえで自社に合った方法を検討することが重要です。
現在のエクセル運用に課題を感じている場合は、ICを選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。