Microsoft社が提供するAzureは、Microsoft社が提供するクラウドサービスで、世界シェア率23%と、AmazonAWSの32%に次いで世界シェアを伸ばしているクラウドサービスです。(2023年第1四半期現在)
目次
1.Azureとは
2-2.オンプレミスに比べて構築期間が短い・コストを抑えられる
3-2.Azure App Service:Web アプリ構築
5-1.1.アカウント登録・ログイン
5-2.2.リソースグループの作成
5-3.3.仮想ネットワークの作成
5-4.4.仮想マシンの作成
5-5.5.仮想マシンの接続・停止方法
6-1.セキュリティ対策を万全に行う
6-2.アクセス制御は適正に行う
6-3.クォータ制限に注意
7.Azureに精通した人材がいなければ業務委託を検討しよう
9-1.オンプレミスからAzureクラウド移行プロジェクト|株式会社日立製作所様
10.まとめ
セキュリティ対策やMicrosoft製品との連携のスムーズさなど、仮想環境を構築する上で多くの利点があります。
世界シェア率としても着実にAWSとの差は縮まっていて、このまま四半期ごとにAWSとMicrosoft Azureのシェアの差が1~2ポイントずつ縮まっていくとすれば、計算では1年半から2年前後でAWSに追いつくことになると言われており、注目のクラウドサービスです。
さらに、Microsoft AzureはOpenAIとの提携によるAI関連サービスの提供が予定されているため、引き続き高い成長が予想されます。
この記事では、Azureで仮想環境を構築するメリット、費用や手順、構築する際の注意点などを解説します。
参考:グローバルのクラウドインフラ市場シェア、AWSとAzureの差が9ポイントにまで縮まる。2023年第1四半期、Synergy ResearchとCanalysの調査結果
Azureとは、Microsoft社が提供しているクラウドサービスで、サーバーやネットワークをクラウド上で利用できるサービスです。アプリケーションやシステム開発、業務の自動化などに役立ちます。
クラウドコンピューティングサービスが登場するまでは、サーバーやホストなどを社内に設置するオンプレミスが一般的でしたが、Azureを利用することでクラウド運用へ移行が可能です。
Azureではクラウド上でサービスを提供できるため、小さなオフィスやバーチャルオフィスでも問題ありません。
Azureには、AI 利用・開発やWeb アプリ構築、システム効率化など、さまざまなサービスがあり、企業に合わせた仮想環境を構築できます。
Azureについて詳しくは以下のページもご覧ください。
仮想環境を構築するうえで、Azureを利用するメリットは主に以下の3つです。
ここから一つずつ解説していきます。
他のクラウドサービスにはないメリットもありますので、比較・検討してみてください。
Azureはクラウドサービスのなかでも規模が大きく、セキュリティ対策も安心できます。
世界最大規模のグローバルネットワークを持つAzureは、世界各地54リージョンにデータセンターが設置されており、可用性と拡張性の高いクラウドサービスです。(2018年現在)
日本には、東日本(東京、埼玉)リージョンと西日本(大阪)リージョンがあります。Azureではデータセンターの厳重なセキュリティに加え、クラウドサービス内では多層構造による情報セキュリティ対策が施されています。
また、オンプレミス環境と違い、常に最新のセキュリティ対策にアップデートされている点でも安心です。
コンプライアンス対策も、ISO 27001、SOC1などの国際的な規格に適合しているため、大手企業でも数多く導入されています。
オンプレミスと比べると、Azureは構築期間が短く、コストを抑えられるメリットがあります。
オンプレミスでは、サーバーやホストなどの機器を購入し設置する必要があるため、構築するまでに長い期間がかかってしまいます。
一方で、Azureで構築する際にはパソコン以外に必要な機器がないため、すぐに取り掛かることができるのです。
コスト面では、オンプレミスを導入する場合、まずは機器購入のための資金が必要になります。また、故障した場合には、修理や買い替えなどの費用がかかることもあるでしょう。
Azureは機器の購入がないため初期費用がかからず、利用した分だけの従量課金制なので無駄なコストがかかりません。
Azureが選ばれる理由の一つとして、Microsoft製品との連携がしやすいことが挙げられます。
前述したように、AzureはMicrosoft社が提供しているクラウドサービスです。
そのため、同じMicrosoft社の製品であるOffice関連とのデータ連携や移行をスムーズに行うことが可能です。
Microsoft製品を使用している企業にとって、スムーズかつ低コストで移行できるのは大きなメリットといえます。
Azureで構築する際のサービス形態には、人工知能を活用できる「Azure AI」や、システム開発から運用まで支援してもらえる「Azure DevOps」など、いくつかの種類があります。
ここでは以上の4つを解説しますので、それぞれの特徴や機能を確認し、仮想環境を構築する際の参考にしてみてください。
専門知識がなくても、簡単にAIを使用した仮想環境を構築できるのが、Azure AIです。
Azure AIは、大きく以下の3つに分けられます。
Azure AIを活用すれば高性能AIを簡単に組み込め、情報の分析やカスタマーサポートなども効率的に行えるでしょう。
Azure App Serviceでは、複数の言語とフレームワークにより、Webアプリをクラウド上ですばやく構築できます。
使用できる言語は以下の通りです。
構築にはWindowsベースとLinuxベースの環境を選べ、アプリケーションの実行とスケーリングを簡単に行うことができます。
Azure App Serviceはフルマネージド製品のため、インフラストラクチャやメンテナンスなども自動で行います。
Azure DevOpsは、システム開発から運用まで、より効率的に行うためのツールサービスです。サービスは以下の6つがあり、すべてを利用することも、必要なサービスだけ選ぶこともできます。
Azure Storageは、仮想マシン運用のために必要なストレージを確保するサービスです。
クラウド内のデータに対して、可用性が高い、スケーラブル、持続性に優れているなどの利点があります。また、Azure Storageに書き込まれたデータは暗号化され、セキュリティ面も安心です。
Azure Storageのデータには、HTTPまたはHTTPS経由で世界中どこからでもアクセスが可能です。
Azure Storageプラットフォームには、Azure BLOBやAzure Filesなどのサービスが含まれています。
AzureはアメリカのMicrosoft社が提供しているサービスですが、支払いは日本円でも可能です。料金が日本円で設定されており、基本的には為替変動の影響を受けません。そのため、ランニングコストの計算が容易になり、長期的に安定して利用しやすいでしょう。
Azureでは料金モデルが従量課金制となっており、使用するサービスによって料金設定が変わります。従量課金制のため無駄なコストが抑えられることがメリットです。
支払い方法は、クレジットカード、デビットカード、電信送金から選べます。
また、構築を外部に依頼する際は別途費用がかかるため、注意しましょう。
Azureでの仮想環境の構築手順は、以下の5ステップです。
Azureでスムーズに仮想環境の構築ができるよう、それぞれのステップを一つずつ解説しますので、ぜひ参考にしてください。
まずはアカウントの登録をします。
Azure無料アカウントのページで「無料で始める」をクリックします。このとき、すでにMicrosoftアカウントがあればサインイン、なければアカウントを作成しましょう。
アカウントの作成には、使用可能なメールアドレスとパスワードが必要です。
アカウント登録に続き、情報セキュリティ対策として本人認証を行います。画面に従ってクレジットカード情報を入力しましょう。
アカウント登録が完了したら、Microsoft Azureを開き、設定したメールアドレスとパスワードを入力してログインします。自身のアカウントが表示されていることを確認してください。
Microsoft Azureにログインできたら、リソースグループを作成します。
リソースグループとは、仮想マシンやストレージなどのリソースを管理するためのしくみのことです。
まず、「リソースグループ」を選択します。
次に「作成」を選択し、サブスクリプション、リソースグループ、リージョンを入力します。
入力できたら、「作成」を選択して完成です。リソースグループの作成には数秒かかります。
リソースグループが完成したら、次は仮想ネットワークの作成です。
Azureポータルで「仮想ネットワーク」を検索し、選択します。
仮想ネットワークのページで、「作成」をクリックし、基本タブで以下の情報を入力します。
続いて、IPアドレスタブを開いて入力します。サブネットはあとからでも作成可能です。
入力後、「作成」をクリックして完成です。
次に仮想マシンを作成しましょう。
Azureポータルの「リソース作成」から「仮想マシンの作成」を選択します。仮想マシンの概要画面で「作成」をクリックすると、仮想マシンの作成画面に遷移するので、基本設定を入力しましょう。
作成時に表示される規定値はそのままで、管理者アカウントを入力します。
続いて受信ポートの規則を設定し、残りの規定値はそのままにして「作成」をクリックします。
デプロイが完了したら「リソースに移動」を選択して、仮想マシンは完成です。
仮想マシンが作成できたら、接続してみましょう。
仮想マシンの概要ページから、接続・RDPの順に選択します。画面が変わったら、「RDPファイルのダウンロード」をクリックします。
ポップアップでメッセージが表示されるので、「接続」をクリックし、設定した管理者アカウントを入力しましょう。警告が出た場合は、「はい」で続行して問題ありません。
サーバーマネージャーが表示されれば、接続完了です。
仮想マシンを停止する場合は、Azureポータルから仮想マシンを選択し、停止を押して「はい」で進みます。状態が「停止済み」になれば完了です。
Azureで仮想環境を構築する際には、いくつか注意したい点があります。
ここでは、セキュリティ対策、アクセス制御、クォータ制限について解説しますので、Azureで仮想環境を構築する際の参考にしてください。
Azureはセキュリティ対策に優れているクラウドサービスですが、仮想環境を構築する際には、自身でも万全なセキュリティ対策を行う必要があります。
クラウドサービスではネット上でクラウド管理をしていることから、不正アクセス防止のためにセキュリティレベルを高めておきましょう。
Azureでは、IDやパスワード、生体認証、ワンタイムパスコード認証など複数のセキュリティを組み合わせられ、より強度な認証要求が可能です。
アクセス制限と合わせて設定しておきましょう。
Azureのようなクラウドサービスを利用するうえで、適切なアクセス権限で管理を行うことは重要です。
Azureでは、アクセスのリソースを許可したり、不要な場合はアクセスの制限をしたりすることもできます。
また、アクセス権限を管理する4つのロールが用意されており、さらにカスタムロールも定義可能なため、適切にアクセス管理を行えます。
Azureのサービスは基本的に従量課金制のサブスクリプションですが、リソースの利用にはいくつかの制限(クォータ制限)があります。
サービスやリソースによって制限に差があり、調整できるクォータとできないクォータがあるため、仮想環境を構築する前に計算しておきましょう。
サービスによっては、Azureホームのマイクォータから調整可能だったり、サポートに制限の解除を依頼したりすることも可能です。
Azureの導入を検討する際、最大限に活用するには専門知識や技術が必要不可欠です。
Azureはカスタマイズの自由度が高い反面、AWSに比べてコミュニティやネット情報が多くありません。そのため、Azureを導入して最大限に活用していくにあたり、Azureに関する知識を持つ、専門的な人材が必要となります。
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Azureは、規模が大きくセキュリティ対策が安心できるクラウドサービスです。オンプレミスに比べて構築期間が短く、パソコン以外に必要な機器もありません。また、従量課金制なので、コストを抑えられます。AzureはMicrosoft社が提供しているので、開発元が同じであるOffice関連との連携がスムーズです。
Azureで仮想環境を構築する際には、さまざまなサービス形態が選べます。
人工知能を活用できたり、システム開発から運用までを支援してもらえたりするサービスが展開されているので、最適なサービスを選んで構築しましょう。
Azureでの仮想環境の構築手順は、アカウント登録、リソースグループ・仮想ネットワーク・仮想マシンの作成をし、接続して完了です。
構築する際の注意点として、セキュリティ対策を万全にしましょう。合わせて、アクセス制御を適正に行うことも重要です。また、利用するサービスやリソースによってはクォータ制限があるため、事前に確認しておきましょう。
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