導入事例・技術者インタビュー|システム開発のIC

大手電気通信事業会社におけるERP周辺業務の自動化|システム開発のIC

作成者: Admin|Apr 22, 2024 3:00:00 PM

大手電気通信事業会社におけるERP周辺業務の自動化対応プロジェクト。
大手電気通信事業会社においてERPという基幹システムの導入プロジェクトが進行しており、その周辺に当たるシステムの開発をICが担当しています。初期リリース後のERPの標準機能では業務が回らず、データ入力等の周辺業務を時間をかけて行っていたことから自動化を進めることとなりました。

この記事に含まれる内容
  1. #技術者インタビュー
  2. #自動化
  3. #RPA
  4. #Microsoft Power Platform
課 題

ERPという基幹システムの導入プロジェクトで、リリース後に実際の業務を行ってみると、ERPの周辺業務に多くの作業工数が必要であることが判明。

解 決 策

お客様の課題をヒアリングし、作業負荷の高い作業を自動化。自動化ツールは、Microsoft Power Platformを使用し、お客様の要件に合ったソリューションを提供。

効 果

各種業務情報のデータ入力作業等人の手で行っていた作業が、自動化を進めることで、安定した稼働となり、業務全体にかかる作業工数も大幅に削減

大手電気通信事業会社様におけるERP周辺業務の自動化対応を行ったI氏に詳しいお話を伺いました。

- TOPICS -

  プロジェクトの背景 「課題をヒアリングし、作業負荷の高い業務を自動化する

 プロジェクトのポイント「RPAを使用して、ERPに沿うように定型業務を自動化していく」

 プロジェクトの効果「自動化で工数を大幅に削減」


プロジェクト背景

課題をヒアリングし、作業負荷の高い業務を自動化する

お客様企業では、現在ERPという基幹システムの導入プロジェクトが進行中です。しかし、ERPの第1弾リリース後に実際の業務を行ってみると、ERPの周辺業務に多くの作業工数が必要であることが分かりました。

詳しいプロジェクト内容について教えて下さい。

大手電気通信事業会社において、ERPという基幹システムの周辺のシステムを開発しています。主な業務はお客様の課題をヒアリングし、作業負荷の高い作業を自動化することです。自動化ツールは、Microsoft Power Platformを使用しています。このMicrosoft Power PlatformはMicrosoft 365の契約があれば基本的に追加料金無く活用できます。さらにMicrosoft 365 との相互運用できる、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のPower Automateを中心に、Webアプリ開発が出来るPower Apps、データ可視化が出来るPower BIなどの様々なツールを活用しながら、お客様の要件に合ったソリューションを提案し、開発を進めています。

■プロジェクトの流れ

※ステップ1はアジャイル方式、ステップ2はウォーターフォール方式で開発

 

プロジェクトのポイント

RPAを使用して、ERPに沿うように定型業務を自動化していく

ERP導入に伴い、業務内容にあったRPAソリューションを提供していくことになりました。

具体的にどのように自動化を行ったのでしょうか?

例えばPower Automateでは、下記2つの業務の自動化を行いました。

 請求登録:商品の購入に伴う請求書情報の登録
 在庫登録:在庫受入時の付随情報の登録

自動化前は請求情報や在庫状況は何千件も入力、もしくはExcelマクロを使って投入する必要がありました。そこで、開発工程ではそのようなお客様の状況を丁寧にヒアリングし、イメージがわかりやすいようミニマムのRPAを示しながら要件を擦り合わせました。要件が固まった後は、設計からリリースまでを一気に進めていきました。

さらにリリース後、画面中のボタンをRPAがクリックできず、動作しなくなってしまったことがありました。この問題は、PCが重いことによる瞬間的な問題や各PC固有の問題が原因として考えられ、どう解決していくかが課題でした。そこで、画面上のボタンの位置を指定するUI要素のセレクターを編集することにしました。位置情報を特定しすぎると、少しのずれでも動作しなくなるため、極力広範囲を指定することで多少のずれを許容し、安定した稼働をすることが出来るようになりました。

自動化を行う際に心がけていることは何でしょうか?

こうした自動化を行う際に心掛けていることは、お客様から依頼された範囲だけでなく、その前後の業務にも目を向けることです。依頼業務の開発前にお客様に手間がかかることや、後続作業で不便なことなどをヒアリングすることで、併せて自動化できることも見えてきます。こういった、お客様の依頼外にも視野を広げて対応することはICの価値に繋がっていると考えています。
例えば、RPAを使ってERPに発注データを登録する際に、RPAにインプットする情報の精度が低く、処理エラーが多発する問題がありました。データが手入力だったため、仕入先がマスタに登録されていない、文字の半角全角が統一されていない等の人為的ミスでRPAが動かなくなっていました。そこでPower Appsを使用した発注データ作成システムを開発し、データ精度の向上、エラー発生の抑止を目指しました。
また、RPAリリース後に、利用者からエラーに関するお問い合わせが月最大10件ほどありました。そこで、Power BIを使用しRPAログを可視化したことで定期的なモニタリングを実施し、お問い合わせいただく前に該当者にヒアリングを行うことが可能となりました。このような取組みを通して直近数ヵ月はほぼお問い合わせが無くなり、対応にかかる工数を大幅に削減することができました。

プロジェクトの効果

工数を大幅に削減

従来は各種業務情報のデータ入力作業を人手で行っていたため、そこに多くの作業工数が発生していました。現在はPower Automate、Power Appsを使用して業務を行うことで、一部の作業をPower Automateが肩代わりするなど、業務全体にかかる作業工数を削減することができました。

業務標準化を行った効果を教えて下さい。

これらの業務改善は、お客様にも大変喜んでいただいております。ICはプロフェッショナルとして、与えられた範囲だけでなく常にその前後の業務にも目を向け、お客様の一員となって課題を解決いたします。具体的な対処法がわからない課題であっても、ぜひ一度ICにお声がけください。

 


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